面白い日本の私
韓国オンラインゲーム会社のネクソンの社長が講演で、「カーリングは世界で最もつまらないゲームだ」というようなことを話していた。曰くルールが分かり辛く、動きも少ないし、うんぬん。
で面白いのがその数年後、同じく講演で、今はカーリングがとても面白く感じられると言う。「理由が分かりました。今年のオリンピックには韓国が出場していたんです。」
「面白い」とは何かというのは簡単で、「つまらなく無い」ということ、「どうでもよく無い」ということだ。ジョン・デューイは「どれだけ夢中になれるかが、それがその人にとってどれほど必要で重要かを計る正確な尺度である」というとんでもないことを言っている。勉強も仕事も、楽しんだほうがいいどころか、楽しまなければならないというわけか。この『楽しまなければならない』という言葉のうちには管理社会感のある怖い欺瞞も見受けられるが、しかし確かに真理くさくもある。この言葉を前にして、日本人は今立ちすくみ戸惑っているとみえる。私は楽しみに困ったことは無いので関係ないトコに居るけど。
『今のあなたの幸福度は10を満点として何点ですか』というアンケートを世界中で行うと、非常に面白い結果が出る。「そんなもんで幸福度なんか測れるわけねぇだろ」と私も思うが、このアンケートの統計結果はどこの国でもおおよそ2パターンに収斂するという。アジアでは幸福度5を最多数にして下も上も平均的に分布するが、ヨーロッパ、アメリカではその頂点が7、8付近になるという。
これはまぁなんとなく分かる。アメリカ人は自分は楽しい日々を過ごしてるとか言いそうだし、中国人韓国人とかとりあえず5にしそうだ。アメリカ人は幸福度8だから中国人よりアメリカ人のほうが幸福だね、ということじゃなくて、生き方の態度の違い、幸福観の違いだろう。面白いのは、日本でアンケートをとると5の山と7、8の山が二つ出来るということである。こんなへんな結果になるのは日本だけらしい。地方格差も関係ないっぽいし、何が原因か分からない。
ちなみにインドも例外的な結果が出て、山が10にあるらしい。みんながみんな幸福度10と即答するとはそれもそれでスゴい国だ。『RRR』を撮るだけのことはある。
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