人の居場所

森は大宇宙の先端


今、イヴァリースのエルトの里、という場所に来ている。ゴルモア大森林の奥の奥に隠された里。この里に暮らすヴィエラ族は、皆だらしない服装の女性達ばかり。森にまなこを開いたまま、森の一部として、漫然と生を思索している。

哲学的で閉鎖的なこの民族は、同時に濃密な性のニュアンスを漂わせている。



なんと森には150万種以上の生物が蠢いているらしい。海全体でさえだいたい20万種強しかいない。複雑多様な生物種が高密度に蠢いている、森は宇宙の最先端といえよう。例えば何か宇宙人とかがこの星にやってきたとしても、人間が創りだした発明なんかにはまずは目もくれず、謎めいた森を前にしてしばし立ち尽くすことだろう。




私が暮らしている場所のすぐ裏には広々とした自然がある。歩いて数分ですぐに木々に囲まれることができるが、その場所は私にとって何を意味しているわけでもない。私室でファイナルファンタジーでもやっている方がイイと思ってしまう。自分を森の一部分と想えるような感覚から、私はもう離れてしまった。べつにそのことを後悔しているわけではないけど、生きていることの喜びの大部分を失落させてはいるんだろうな。自分が自然の一部分だとは、何処かで思っていない。



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