ONLINE GIRL: LIVING OF TOMORROW


世界初の集合住宅は、ル・コルビュジエが建てたマルセイユの『ユニテ・ダビタシオン』であるらしい。そのパンフレットなんかコツコツ読んでいると面白いことが書いてある。ル・コルビュジエの建築思想は、とにもかくにも生活するのに不要なモノは何もかも排除する、ということなのだが、この『ユニテ・ダビタシオン』を設計の際、"リビング"を生活に必須のモノとして定義しているんである。



100%何したって構わない私室。それと、自分自身が他人のように振る舞わなければならない公共の職場。このふたつの場を直線で行き来し続けることに、人間は耐えられないということではないだろうか。自由と誇りのほかに、人間には居場所が必要なんである。


前回に書いたアンチテーゼの作品群というのは、人間社会のグロテスクさを表現しているとみせかけて、ほんとうはリビングを求めているんである。居場所を求めているんである。


現代社会におけるリビングとは何処だろう。オンライン世界はどの程度"リビング"となりうるんだろうか。

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