第四章 《すべては、計画のままに》

2024年 4月 14日 5:00



 そろそろ、庁舎に置いてきた避難民が飢えている頃だろう。

 あそこから立て直すのは無理だ。


 計画は狂いがなく進んでいる。


 問題ない。




 宇津木は、ひっそりと呟いた。


 彼がいるのは、占拠された自衛隊基地。

 いや、占拠した、と言ったほうがいいだろうか。

 全ての管理権限が、彼の手にあった。


 自衛隊は、騙されている。

 自分たちが避難者を助けに向かった間に、自分たちの隊長が殺されているなんて、誰が思いついただろうか。


 どこまでも、その全てが、計画通りだった。



 1人の、イレギュラーを除いて。




 それに気づくのは、まだ先のこと……

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