past
鬱になる気配だけは常にあったと思う。
昔からやらかしたことを忘れられなかったし所謂、成功体験やそういったものより後悔とか懺悔のようなものばっかり思い出していた。
それでも笑ってはいた。
楽しくなくても場に馴染めてなくても。
笑ってはいた。
笑うことに疲れた俺は顔を動かすことをやめた。
それは電池の切れたおもちゃのように。
きっかけは簡単だった。
心を壊された。
体を壊すより心を壊すことの方がずっと大変で簡単だ。
崩れた積み木を1人で作り直すには時間がなかった。
まるで悪魔が積み木の一番上を落とすように心の修復には時間がかかった。
そこから欲も無くなった。
食欲、睡眠欲、性欲、そして生きたいという欲さえも。
だからだろうか、目の前のことはガラス張りの向こう側にしか見えない。
触れようとすると冷たい感触だけが返ってくる。
だから俺は、何もないを欲しくなった。
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