01-04
亡くなったと聞かされた時には通夜は終わっていた。
昔から知っている人だけにショックはあったが思い出そうとしても砂嵐がかかったように朧げにしか思い出せない。
なぜか声だけは覚えてる、そんな気がした。
あまり自覚はしたくなかったけど白昼夢のような状態になっていってる。
疲れが抜けないとか眠りが浅いとか指摘されるだろうけど俺の気になることは夢の中に出てくる女の子だけだった。
彼女は自分が死神だと名乗った。
無論、俺は無宗教だし神も仏も信じちゃいない。
こう言うと葬式の時どうすんだと言う話になるがそんなものは残った人たちでどうにかすればいい話で俺はあまり意識はしていない。
ただ、死神ときた。
何故だか分からないけど信じられるようなそんな気がする。
起きている時の感覚も寝ている時の感覚も同じになってきたからかどれが現実だか分からなくなったのか?
死神は俺に何を見せたかったんだ。
何故俺の前に出てきたんだ。
そう考えてる時にスマホが鳴った。
『お婆ちゃん、少し元気になりました』
俺は『よかった』とだけ残してスマホをしまい深く椅子に座る。
考えること……
後輩の結婚
お世話になった人の死
ばあちゃん
そして俺の鬱と夢の中。
朝食後と書かれた薬を無視して飲んで深く息を吸い、天井を見上げる。
今日も異常はない。
少なくとも俺は。
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