第16話 悪魔の目的
「そう、自己紹介ありがとうね。じゃ、お引き取り願おうかしら。悪魔の罠にハマってもらう生徒、リキハは出したくないので。」
「うーんだーめ!私も暇じゃないの!!」
両手の人差し指でバツを作るラク。
リキハはそれに呆れながら返す。
「急に喋り方変わるわね...」
「だって君も悪魔なんでしょ?」
「!!」
「お互い悪魔として話そうよ〜」
「リキハは無の悪魔の人員でもないし、リキハは皆を楽しませるためだけに生きているのです。」
「そう、なら私を入れさせてくれないかなー?乱入なんて面白そうじゃない?」
「駄目です。先程も言いました。」
「じゃあ全然契約良いよ?絶対に罠に陥れないって。悪魔は契約を破らないから。」
ラクは真剣な表情で言っている。
罠に陥れることはしようとしていないが、相手が安心することを提案すると意外と冷静に話を聞いてくれるものだ。
ただしリキハは既に冷静だ。
「全然要りません。そもそも目的はなんとなく解っています。」
「...え?」
「貴方の狙いは本当は生徒では無いんでしょう。」
「...えっ...なんでバレて...」
「悪魔は、100歳になってようやく人間の1歳と同じです。貴方は見た目からして中学生の1300~1500歳あたりでしょう。そんだけ生きているならば、ターゲットを狙うなら学校にターゲットが居る時に狙わなくたって良い。他にも、先生や生徒が居るだろうからターゲットを狙いにくいでしょう。だから生徒は狙う必要はない。つまり先生を狙うつもりね?先生は今やっている
「だからきっと貴方は来た。...って全部お見通しだったのね。まぁまぁ正解ね。...ターゲットを知ることは難しいだろうけど。」
「いや、それもお見通しだよ。」
「!?いや、先生はほとんど同じ場所だから誰とかわからな...」
「私も悪魔と言ったでしょう。私は700歳...だから、皆がどんな過去があるのかなんてお見通しなのよね。だから狙われそうな人はわかるわ。そして一番狙われそうな人は...」
「あーもー!ネタバレになるわよ!言わないほうがいいわよー?!」
「ネタバレ...?」
そう呟いた途端、ラクは消えていた。
「!?あの人何処行っ...あ!!そういうこと...?!」
(眼の前から消えた...つまりワープ。ワープ先が学校だとしたら...)
「まずいね...早く伝えないと!」
♡―――――♢―――――♤―――――♧
『ハート!ダイヤ!スペード!クラブ!...パートナーを連れて悪魔から逃げて!!』
突然届いたメッセージに彼女達は驚いた。
だが、返事する暇もなくリキハからの通信は途絶えた。
『リキハがあんなに急いでいるなんて...』
『我、あんなに切羽詰まった声のリキハを聞いたことが無いぞ。』
『ただ事じゃないわ。』
『あぁ、皆わかっているな?』
『『『『リキハを信じよう!』』』』
♡―――――♡
『ダッk。』
「え、な、何です...?」
『ついさっき感じた悪魔、あなたじゃ太刀打ち出来ないわ。リキハからの伝言よ。』
「そうなんですか?」
♢―――――♢
『李恢殿!逃げましょう!』
「ふぇっ!?ど、どゆこと!?」
♤―――――♤
ニコーンは運が悪く、生徒と対峙している途中だった。
「『アイスシールド』!スペード、補助してくれ!」
『ごめん、そういう余裕今無いわ。』
スペードはそう言いながらニコーンに重力魔法をかけ、スペードの背中に落ちるようつける。
「...え?えっえっえぇぇぇぇええええ!?」
その後はニコーンが爆速で逃げるスペードにひっつきながら移動するという中々カオスな状況になった。
ちなみに戦っていた相手はアイスシールドで向こうの状況が見えていなくて、ニコーンになにがあったのか不明すぎて宇宙猫状態になったのは別の話。
♧―――――♧
『緋那。ちょっとこっちに来てくれ!』
「え、どうしたの?」
『走りながら話すぞ!まずリキハからの連絡があったんだが―――』
◯―――――◯
リキハは学校に高速で戻りながら狙われる先生について考えていた。
「きっとラク=フレアは誰かからの依頼とかで殺しに来たわけではない。ここの学校の先生の中にテラニウムを使い極寒の地にした犯人が居ることを知っている。」
その犯人の過去を、彼女は思い出していた―――
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます