第15話 黒炎の悪魔

 ?―――――?

皆が遊戯ゲームに夢中になっている間、極寒の大地で一人、パーカーを着た女の子の悪魔が、学校に向かって歩いてきていた。


 ♡―――――♡

「...!?」

『ダッk?どうしたの?』

「今、とてつもない強者がこっちに来ている気配がしました。」

『え、学校のどのあたり?』

「学校ではありません...外から。」

『え...なんで』

「でも、少なくとも悪意はある可能性が高いです。威圧と感じられるほどの魔力がひしひしと感じられます。」

『(いや私は感じないけどな...私の魔力感知が低いだけ??)』

「とりあえず、今はまだ無視していいと思います。種族は悪魔。悪魔は、人間を殺すことをためらいやすいので。」

『そ、そう...(この子、毎日本を読んでるリキハよりも知識が多いなぁ...情報を記憶しておこう。)』


 ♤―――――♤


「...!?」

『え?どうしたのニコーンくん...え、なにこの魔力。』

「この...魔力。強い。」

『ええ、この量の魔力は...悪魔でしょう。更に、今は他の悪魔の加護を受けているので、仲間がいる種類の悪魔。状況から見て、ウチらに接触しようとするならの可能性が高いね。』

「すごい。細かくわかるんだ...」

『だってサポート型だからね。』

「説明になってるのかな...」


◯―――――◯


「...?」

「平和ちゃん?どうしたの?」

「リキハ。なんだか校舎内が騒がしい。」

「...悪魔、ね。」

「え?」

「スペードから報告が来たの。きっと校舎内が騒がしいのは皆が悪魔レベルの魔力を感じ取ったのでしょう。リキハが相手しに行くわ。」

「そう。気をつけて。」

「うん。友達が増えた日に死ぬほど、弱くないから大丈夫。」


リキハは一歩踏み出した。

振り返り、平和に一言告げる。


「一応御遊戯ゲームは終了させないでね。」

「わかった。」

「乱入も...御遊戯ゲーム醍醐味スペシャルなんだから。」















リキハは冷たい外に出た。

リキハのような上位悪魔トップデーモンは、温度には生命を左右されない。

そのため、あまり着込まなくても平気なのである。


「何処に居るかなー?悪魔さぁーん?」


呼んでみても返事はない。

だけど、かすかに炎と闇の気配がする。

きっと悪魔の属性だろう。

そう考えていたら...


「...いや、何処って言っても貴方の後ろにいるのよ?」

「エッ」


まさかの後ろにいました


「というか私を悪魔と呼ばないでくれないかしら?私には癒楽ゆらという名前がしっかりあるのよ?」

「失礼しました...(あれ、というか...悪魔じゃなくない?)」


普通に癒楽は薄橙色をしているし、悪魔の羽は無い。

そして服は紺色のパーカーに...


「...ん?パーカー...?」

そこで私は気付いた。


「私は悪魔じゃなくてあなた達の学校に行こうとして...」

「じゃあ、なんで悪魔じゃないのに、なんで、そんな格好で死んでいないの?」

「...え?」

「パーカーなんて...この外の世界は、なのよ?この寒さに普段着を着て耐えられる種族は悪魔と、兎と、超越者だけなのよ?」


「気付いちゃったのね。まぁ後でバラそうとしてたし実質問題ないモーマンタイか。」

「...あなた、やっぱり悪魔なのね。」

「ふふふっ、そう...無の悪魔、第1の柱...」

















「ラク=フレアよ。」

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