第13話 時間の争い
♧―――――♧
ガコッガコッガコッ...
「う〜...なんで...」
狭い通気口にいるのは、
どうやらリキハのワープの範囲に通気口が入っていたらしく、通気口から出ようと今現在頑張っているのだ。
そして、相方は...
「クラブさん、出口はまだなんですか?」
『もうすぐだって、あと右に曲がって...』
クラブだ。
彼は実をいうと超が付く変態で、えっっっを追求するためになんでもするようなヤバい人だ。
他に、規制されるほどの水着を人に着せさせたり、時には「それはえっっっじゃねーだろ」って思うような行動もする。
「あ、光が見えてきた!!」
『あ、おいそっちは...!!』
私が明かりの方へ行くと、そこには雪の景色が広がっていた。
どうやら、こっちは外への出口だったらしい。
「...これ戻らないとじゃん...」
『あぁ、戻ってこーい』
「はーい」
彼女はスカートだが、レギンスを履いているのでクラブのえっっっの対象では無いようだ...。
そもそもそんな対象が居ないほうが幸せだが。
「...?」
『どうした?』
「通気口の出口の付近、数人誰かがいる。」
緋那の種族には、猫が入っている。
普段は隠しているが、今回は普通に隠さず出しているのだ。
『本当か。生徒かもしれない。それに、ワープされてない生徒だとしたら、敵だ。あまり近寄らないほうが良いだろう。』
「そうだね。でも通気口の出口ってここが一番近いと思うし、かといって今出て生徒が沢山居たら終わり。どっか行くまで待機が安定ね。」
『そうだな。』
彼女達は数人がどこかに行くまで会話を聞くことにした...が。
「おいおい、お前リサーチもできねーのかよw」
「役立たずだなァ〜ww」
「おまけに馬鹿っていう役立たず三拍子ねw」
「...うぅ...っ...」
そこには、つい先ほどリキハ先生を煽っていた
「...っ!!」
緋那は、友達の
その月海に、虐められている時の苦しさを聞いた。
「一人で、誰にも認められず、助けを求めたらその人も虐められる恐怖から、助けを求めることができなかった。」
私は月海先輩のあの顔を思い出した。
「じゃあお前デバフとか使えるか?」
「...いや...」
「じゃあほんっとーに役立たずだよなw」
「...っう」
「うーわ泣き方もきもーいw」
「あとさ、先生に歯向かうものムカつくよな〜w」
「可愛い先生なのに可哀そ〜w」
「...」
「ねぇ、クラブ。」
『どうした?』
「こいつら殺しちゃってもいい?」
『...まぁ、リキハは蘇生持ちだし大丈夫じゃないか?』
「確かに。腐敗される前に職員室行きだろうし...ね。」
『だが、助けていいことなんてあるか?あの三人を殺しても、五十里が襲ってくるかもしれないし、これが作戦かもしれないぞ。』
「...だとしても、あんな
(...カマナ?マナ?緋那は何を言ってるんだ?まぁ、エrくない単語っぽいしいいか。)
『死ぬかもしれなくても、もしそれで緋那が傷を負ったら...』
「大丈夫よ、再生があるから。でも攻撃を受けれる回数は減っちゃうけどね。というか逃げる人ってダメージ一回でも負えば脱落じゃ...?」
『仲間に被弾した場合は脱落しないみたいだ。』
「なるほど。」
「あーあ、強そうだからって理由で一緒にやろうって誘ったってのに、強いのは気ィだけかよ。」
「ほんと、誘って損したね〜w」
「こいつは適当に縛って放置して、餓死させとくか?w」
「あー...面白そうねw」
「やっぱこんな役立たずなんて消えてたほうが先生も楽だよな!w」
「そっれな〜w」
『可哀想だな。だが、やっぱり罠の可能性も...』
クラブは、緋那がいる方向を見た。
いや、緋那がついさっきまで居た方向を見た。
『...居ない!?緋那どこいった!?』
「ねぇ、知ってる?」
『...ぁ、緋那...?!』
そこには、血まみれの緋那が、3人の生徒を戦闘不能にしていた。
五十里は、驚いた顔で緋那を見た。
「私の友達も、虐められた。だから、他の人が酷いことをされていたら」
彼女の鋭くなった目の奥にある深淵が死体になった生徒に刺さる
「殺したくなっちゃうんだ...」
裁かれるべきは奴らだ。そう思うかのように。
『緋那!?もしかしてこれ、全部緋那が...』
「そうよ。私は沢山手に血を染めた。でも、月海先輩に会ってから、私は殺人しなくなったの。」
『そうだったのか。』
「でも、私はもう刑務所送りにされてもいいから、助けたくなった。クラブが殺してもリキハ先生が蘇生持ちって言ってたから、安心して殺せるよ。」
『...(こ、怖...言わなきゃよかった...)』
「た、助けてくれて...ありがとう、ございます。」
「全然いいよ。あーいうやつらは何言っても通じない。普通じゃないからね。私達とは全く違うから。だから、抵抗したって良いんだよ。むしろ、抵抗しないとあなたが壊れちゃうわ。」
「...うん。」
「じゃ、またどこかで。その時は遠慮なく殴りかかってきていいよ。今は
緋那とクラブは、そのまま部屋を去った。
『ところで、緋那はなんで五十里を...倒そうとしなかったんだ?気絶させるのでも良くないか?』
「私は加減がわからないからね〜...もしかしたら殺しちゃうかも。殺すのは三人だけで平気よ。」
『...あはは......ごめん、言い忘れていたことがある』
「...え?」
『リキハは1日1回しか蘇生ができないんだ。そして、死体の腐敗がすすんだら...蘇生ができなくなる。腐敗が進むのは2日後。三人全員蘇生は難しい。』
「...嘘...でしょ...ぜ、全員助けれる方法って無いの!?」
『腐敗を遅らせる魔法みたいなのがあればいいんだけど...』
「あ、私!時を止めれるわよ!!」
『駄目だろ、保健室行くの禁止されているんだよ。』
「あ...そうなんだ。知らなかった...」
『今リキハに聞いた。』
「え、今?リキハ先生と喋れるの!?」
『一応テレパシーがあるんだ。』
「へー...」
『まぁ、こんなに生徒がいるなら2日立つ前に腐敗を止めれる生徒くらいいるでしょ。もし緋那以外に居なくても、ゲームを強制的に終わらせれば良いわけだし。』
「だね。」
♡―――――♡
「ぐ...つ、強すぎだろ...!!なんなんだよあいつッ!!」
一人の生徒が、攻撃を当てられ
それを見ているのは...今までこの小説で出番がなかったダッkという少女だった。
「先生ごめんなさい。私、攻撃も防御も、補助も妨害もできちゃうんですよ。私の力は格闘技なので。」
鶏の見た目なのにとても強い少女についているのは、♡型のトランプだった。
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