第5話 歯磨き粉じゃねぇよ!!!
筆者から
特別ゲストがいます。
そしてサムネの流れ崩壊(・・)
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「えーっと、6×6×π...36π......4×π×6×6は...144πで...」
(私はクリア。平和先生から出された中学生の問題を今現在解いているの。
私は理系だけど、理科の方が好きなんだよね...数学は方程式はわかってるけど、そんな好きじゃないかな。)
(そして、同室の三人はすぐに宿題を終わらせて、見直しもせずに寝落ちしちゃったね。寝る子はよく育つって言うしね。ほんとね。)
(そして残った私は一問一問確実に解いているよ。一人って案外寂しいのね。ほんとね。)
(ここまでで解るかも知れないけど、「ほんとね。」が口癖なの。ほんとね。
人前では頑張って隠してる。繰り返すのはちょっとイラってする人がいるからね。)
(あれ、最後の問題解き終わっちゃった。見直ししようかな?...でも、今は夜12時...寝たほうが良いね。ほんとね。)
窓の外を見ると、やっぱり雪だが、いつもより一層暗くなっていた。明日も早い。すぐに寝ないと深い隈が出来てしまいそうな時間だ。
そんな真夜中なのに...人影がチラッと視えた。
「えっ...嘘、こんな真夜中に人が...!?なんで...新しい人...?」
恐る恐るもう一度視ると、立っていたのは明らかに動物...兎。
だけど、あきらかに立っている...。
その兎は、まるでチョコミントアイスのような色。
トントンッ
「あの、か...匿ってくれませんか...?」
「えっ、しゃ...喋っ...喋ったぁ?」
「え、なんて言いました?」
「え...なにか言いましたか?」
さらに言えば、吹雪の音のせいでお互い何を言っているかわからなかった...
気の毒だったので、この学校...もとい、私達の家に入れた。
「助かりましたぁ〜...」
「いえいえ、こういうのはお互い様なので!」
そういう会話をしながら持っているランプの明かりを頼りに、廊下を進む。
「ところで、ここはどういう場所...?あとキミは誰?」
「私はクリアっていう子よ〜。ここは...勉強をする学校。」
「学校...!!ボク、学校に行ってみたいなって思ってたんだ!」
「そ、そうなのね〜」
(だとしたら違和感がすごいね。”彼女”の背は中学生の私と同じくらいなのよ。ほんとね。これは...事情があるかもしれないね...。)
「今、どこにむかってるの?」
「先生の場所よ〜」
「え、キミが先生じゃないの!?」
「先生と思ったなら敬語にしてよ...まぁ、そうだね。私も授業を受けてるの。」
「へぇ〜!!」
そうこう話をしているうちに、先生の自室に来た。
ノックをすると、「はーい...少し待ってて〜...」という声がして、数十秒後には平和先生が出てきた。
「...クリアちゃん?...と、その子は誰?」
「あの、先生。突然ですけど...この子、どうやら新しい生存者らしくて...」
「せ、生存者...?なんでこんな夜中に...というか、なんで―――」
「あの、ボクを匿ってくれませんか...?...実は、色々あるんです。先生ならわかりますかね...テラニウム。」
「...!!なるほど、貴方はあの研究を知っているのね。」
「そうです、どうなっているのか気になって...あ。クリアちゃんは部屋に帰っててね〜。」
「あ、え...う、うん。」
(なんか意気投合してたね...?にしても、テラニウム...って、なんだろうね?研究とか言ってたし...今度キャットに話してみるね。ほんとね。)
その後、部屋で寝ようとしてもテラニウムが何か気になって眠れなかったため、本を読んでいたら、ミントが来た。
「ボク、この部屋に少しだけ泊まることになったんだ!!あ、名前いうの忘れてた!!ボクの名前はミントだよ!」
「ミント...ちゃんで合ってるよね?」
「おぉ、ボクの性別を間違えなかったヤツは初めてだぁ!!クリアちゃんとは仲良くなれそう!!」
「あ、うん...ありがとう?」
先生と話してる時の真剣な表情が嘘みたいに、ミントの笑顔は穏やか...のようだった。
「あと、なんで本読んでるの?もう寝る時間だよ?」
「あ、眠りにくくて...」
「そうなんだ、じゃあチョコミントアイス食べる!?」
「えぇ、なんで?」
「美味しいよ!!」
「嫌...かな、歯磨き粉の味だし。」
「歯磨き粉じゃねぇよ!!!」
「ビクッ!?急に大声出さないで...皆起きちゃう...」
「あ...ごめんごめん〜...ボクチョコミントガチ勢って感じでさ〜。」
「そ、そうなんだ...」
そんな事があった後、ミントは普通に寝て、私も本を読んでいたらいつの間にか寝落ちをしていた。
そこに...
「本を持ちながら寝たら、本が潰れちゃうよ?クリア。」
そう言い、本を持ち上げる影があった――――――――――
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