第3話 疑心の正体

 俺はキャット。ただの猫...というわけでもなく、一応桜が好きだが、この世界に春はねぇんだ。ずっとずっと冬だな。一年中夜のように暗いし、退屈でだりぃ。

 更に低気圧のせいで、俺はよくベットでごろごろするのが休み時間の過ごし方のようになっている。


 だが、最近面白そうなことが起きた。同室に住んでいる...あいつからはハルと呼べと言われてたな。そのハルの机の下に、四角いなにかがあったんだ。話しかけてみたら驚いてたし、何か隠されてるんだろうな。二コーンも一緒に話していたし、何か関係があるかもしれねぇ。


 幸い、今日は二人共風邪をひいて、保健室で休んでるんだ。というわけで、こっそり見ようと思う。


「...というわけで、ビット。お前一緒について来てくれ」

「...ハァ?なんで俺が!?」


 彼女はビット。一人称は俺だが、女の子だ。俺が女装するように、ビットも男の子に憧れている。俺とすごい気が合うんだ。だからよく俺の我儘や暇な時の驚きの共有相手になっている。


「あと、あそこの部屋、俺入るなって...」

「まぁまぁ、バレないようにすっから!」

「しゃーないな、付き添ってやるよ。」

「っしゃぁ!!」


 今日の授業が終わったあと、俺とビットは一緒に二コーンとハルの部屋でもある俺の部屋の目の前にいた。


「...本当に大丈夫か?」


 彼女は兎だからわかりやすい。耳がすっごいピンって立ってるってことは...嫌がってるな。(ネット情報)


「大丈夫だ。どーせバレね~し...見つかっても注意だけだろ。」

「だといいけど...」

「んじゃ、入れ。」

「あーもうヤケだ!!」


 俺は部屋のドアをあけ、入るように促したら、彼女も入ってきてくれた...と思った瞬間。


 バチッ


「キャァ!?」

「は...!?」


 突然、部屋のドアの空いている部分が、電気の網で塞がれ、彼女は部屋に入れなかった。


「ど、どういうこと...だ...?」

「あなた達?!なんで別の部屋に入ろうとしたの...!?」

「あっ...平和せんせ...い...ごめんなさい!ごめんなさい!!興味本位で...入ろうとして...」

「あぁぁ...あれだけ入らないでって言ったんだけどねぇ...どうなるか言っておいたほうが良かったかな...」


 せんせーは頭を抱えている。なぜ電気の網が出たんだ...?今はもう、消えている。俺はドアに触れてみたが、ついさっきの電気の網は出ねェ。

 これは...新しい面白いことだァ...!!!

 それよりも、ハルの机の下に何があるか知りてぇ。本当はビットと行きたかったが、仕方ない...せんせーが行ったらあの椅子をどかしてみよう。


 と思ったが、せんせーがそのまま去るわけもなく、ビットと保健室行き...二コーンとハルに驚かれ、せんせーから見た事を全部言われたら、二コーンとハル両方ともトイレに行くと言い出した。きっとあれを隠そうとしてるんだろう。

 俺は止めようとしたが、「もう我慢できねーんだよぉおおおおお!!」と言いながら走り去っていった。あいつらあんなに早く走れたんだなってちょっと感心したわ。


 んで、怪我はないか確認されたり、何があったのって隅々まで聞かれたが、「興味本心」の一言で全部済ませた。全部言ったら、せんせーと一緒に見に行くことになり、あの面白そうなものを没収コンフィスケーションされかねないからな。そうなったら俺が暇すぎて暇死ニート死しちまう。


 やっと開放されたときは夜だった。ちなみに、真夜中に起きてハルの机の下を見たが、無くなっていた。やっぱりあのときのトイレは嘘で、移動しに行ってたんだろう。


 隠すなら見つけるまでだ。探すのも暇じゃなくなるから、むしろ楽しいかも知れない。


 待ってろよ二人共。俺がお前らがわざわざ隠すくらいの宝を見つけて、驚かしてやるよ。そして__________________


















 俺もお前らの仲間に入れてくれ。

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