第2話 没収の機械
筆者から
今回は二コーンくんの視点です!!
――――――――――
僕は授業中、少し気になって外を見た。
その時、ちらつく雪の隙間から四角柱のような白いものが横たわっていることに気付いた。
僕は耳も鼻も目もいいので、僕しか気付かないだろう。(さらっと自慢したのは気にしないでくれ。)
休み時間になった時、質問される前に猛ダッシュで廊下を駆けて、四角柱の物体を見に行った。
その資格中の物体に近づいた途端、暖かい風が吹いてきた。
僕は【暖かい】を感じたことはなかったが、感じたことのない今までとは真反対の空気を感じ、これが【暖かい】だとわかった。
だが、暖かい空気を出しているその物体は、まるで忘れ去られたもののような存在感を放っていて、見ているだけでも心が寒くなった。
そして、こんなにも暖かいのに、周りの雪は溶けていなかった。
不可思議で怖くなり、明日、誰かと一緒に行こうと思いながら、その場を去った。
〜翌日〜
弟を連れ、先程の四角柱の物体を見せた。
弟は興奮した様子で何かボソボソつぶやきながらその物体を見ている。
「これは【エアコン】だ。」
急にはっきり喋ったから少し驚いた。
「...えあこんって?これの事...?」
僕は思わず聞き返した。周りを暖かくすることはなんとなく、それ以外にも驚くようなことがありそうな気がした。
「エアコンは、暖かくするのと同時に、涼しくすることもできるんだ。ここではそんなに必要ないかも。」
「そうなんだ...あれ、なんでそういう事知ってるの...?」
「あっ、本で読んだんだ!」
少し怪しいけど、それほど気にするほどではないかもな...そう考えている間、弟は他にも何かを探しているようだった。
「何を探しているの?」
「【リモコン】を探しているんだ。【エアコン】があるなら、それがある可能性が高い。...だけど、雪がここまで積もってるから難しいな...」
りもこん?もしかしたら僕の嗅覚が役立つかも...?かすかに【エアコン】とは別の匂いがする。
そのにおいを頼りに、僕は掘り進めてみた。
「あ、これ?」
僕はエアコンが何倍も小さくなったくらいの様々なボタンらしきものがある物体を取り出した。
「あ、それ!ありがとう!」
「これをどうするの?」
僕はすこし警戒しながら尋ねた。
「これを使うと、この暖かい空気の温度を上げたり、涼しい空気に変えたり、空気を出さないようにできるんだ!」
え、それってかなりすごくない?
この暖かい空気を自在に操れるっていうこと...?
「すごい...!!ねぇねぇ、これを学校に持っていこ!!」
「いいな。暖炉を使わなくてすむ!あれ、でも電気が必要なのに、なんでこれは動いてるんだろう...」
「あと、これどうやって持っていく?」
大きさ的には、僕が二人いるくらいの大きさだ。
「えっと...あ、これを使えば...!!」
「あ、それは君がよく使ってる雲...!!」
彼は、大きさを自由に変えられる雲を持っている。彼の服と雲は糸で繋がれていて、その糸はどこまでも伸びるため、便利。これを使えば持っていけるかもしれない。
この雲は、乗っても体重がかからないから、エアコンを持っていくのに適切なものだと感じた。
「雲、あれを乗せて。」
彼は雲にそう命令すると、雲はゆらゆらとエアコンの下に入っていき、持ち上げた。
「ナイスっ!!じゃあそのまま家に直行して!」
「相変わらずすごいね。」
「君のおかげだよ。このエアコンはかなり便利だから...あ、そうだ。こういう変なものがあったらまた行ってn....ぶえっくしゅん!!」
「だ、大丈夫!?」
「うぅ...大丈夫だけど、かなり寒い...早く戻ろう。」
寒い中、僕ら二人は帰った...
帰ったら、平和先生にすごく叱られてしまった。
「あなた達、なんで外に出たの?」
「気になったものがあって...」
「そんなこと、私に言ってからにして?皆心配しちゃうから...」
「ごめんなしゃい...」
「あ、可愛い。許す。」
「いやこれで許すな!?」
この平和先生、可愛いのに弱いのかな...
「あなた達は部屋にもどって。そっちの子、かなり寒そうだから、暖炉側のベットで寝てね。」
「はぁーい」
〜僕たちの部屋〜
帰ってきたが、ハナマルはついさっき持ってきたエアコンに布を被せて、すぐ近くにある勉強机の下にしまい、隠すように椅子を入れた。その椅子をまた引いて、座った。
「ねぇ、ハナマル...」
「あ〜ハナマルって言わないで...あだ名としてハルって呼んで...」
「え、急だね!?まぁいいか。それでハル、エアコンはどうするの?平和先生に見せる?」
「あぁ...もしかしたらあの先生にこれを没収されるかも知れない...これを調べたいことが山ほどあるから、二コーンには内緒にしてほしい。勿論、同じ部屋のキャットにも...」
その瞬間、背後から声が聞こえた。
「呼んだか?」
「え、うわああああああああ!?」
ガッシャーン
彼は驚きすぎて頭からひっくり返ってしまった
「おいおい、ひっくり返るほど驚くことか?」
「キャ、キャットくん...ノックしてよ...」
「なんで自分の部屋をノックしなきゃなんねーんだ?」
「あ...確かに。」
「いってぇ...」
「大丈夫か?」
「てめぇノックしろよ!」
「それさっきも聞いたんだが。」
彼はヘラヘラと笑ってるが、僕は対象に焦っていた。
(キャットくんに今の会話聞かれたかも...聞かれてたら、全部言ったほうが良いよね。巻き込むことになっちゃうけど...)
だけど、彼は何も言わずにいた。もしかしたら空気を読んで、聞かないでいてくれているのかも知れない。
そんな事を僕の寝床で考えながら、眠りについた。でも、雪のせいでハルも僕も風邪をひいてしまったのだった...
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