アスパラガスのペペロンチーノ
さあさあ。良い季節だ。アスパラパーティの季節だ。
アスパラ飽きた、なんて言うと贅沢だと言われることが多い。だけど考えてみて欲しい。誕生日前後1か月の間毎日同じケーキを食べ続ける生活を何年間も続けるんだ。味を変えてはいけない。ね? 飽きるでしょ?
実家から届いたアスパラを目の前に、ジッと調理方法を考える。茹でるか炒めるか。やっぱり俺はしょっぱめに炒める方が好きだな。
「さて、やるか」
まずはアスパラを切る。7本以上の束で買ったものなら根の方の固いところを折るなり切るなりして取り除いて、上の方は節ごとに手折れば良いだろう。6本以上の束で買ったものなら節ごとに手折った後に少し切れ目を入れると味が染み込みやすい。
太いアスパラには味が染み込みにくいからな。出荷できないくらい細いものほど味が染みやすいなんて、普通みんな知らないからな。黙っておこう。
アスパラを節で手折ったら、次はベーコン。ベーコンを5mmから1cm程度の幅に切っていく。包丁は使うけど、まな板は使いたくない。薄切りベーコンを開けたパックの上で切ってしまおう。
アスパラとバーコンの用意ができたら、コンロにフライパンを置いてオリーブオイルを引く。そこにすりおろしニンニクのチューブをブチュッとやって1から2cm程度入れて炒める。
しばらく炒めてニンニクの香りが立ってきたところにベーコンを投入して、カリカリになるまで油跳ねに気を付けながら炒め続ける。
ベーコンがカリカリしてきたら、そこにアスパラを投入してさらに炒める。鷹の爪なんて買っていないから、代わりに七味唐辛子を振りかける。似たようなものだろう。きっと美味しくなる。
アスパラから抜けた水分を補給させるように七味とオリーブオイルを纏わせていく。これは絶対に美味しい。だけどもう少し何かしたい欲求に駆られる。
「なんかないっけ」
冷蔵庫を開けたらしらすを発見。朝ご飯で食べたくて買ったけど、しらすって1人暮らしでは食べきれない量でパックされているから中々買えないんだよね。
だけど料理に使おうと思えば使える。確かな甘じょっぱさと魚の旨味が良い味を出してくれるから有難い。
なんて考えている間にしらすを投入。しらすが少しカリカリしてくるまで炒めたら、塩コショウで味を調えてフライパンから引き上げる。
これでアスパラガスのペペロンチーノの完成。ちょっとつまみ食いしてみれば、七味の辛味としらすの甘みがアスパラによく絡まっていてめちゃくちゃ美味い。
「美味しいのはアスパラです、ってか?」
懐かしいセリフをパロってみるとなんだか気持ちも明るくなる。故郷の記憶を引き出してくれるアスパラと七味は、飽きるほど食べても嫌いにはなれない。
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