◆空洞探検
施設を出てすぐ左へ曲がると、ドームの見えない壁が目の前に。
気密服を身につけ、シンはドームの壁を通り抜けて水の中へと入った。
海の中はとても深いため、一歩先すら真っ暗で見えない。
そこで懐中電灯の光を頼りに、すぐ近所の水中洞窟を目指して泳ぐ。
道中では何事もなく、無事洞窟を見つけた。
実はこの洞窟、以前から気になっていて一度入ったのだが、その時は途中で引き返してしまった。
今度こそはもっと奥深くへ行ってみたいな、とシンはワクワクしつつも注意を払いながら洞窟へ進入する。
洞窟を少し進んだ先は、水のない静かな空洞へと繋がっていた。
光も、音も、誰かのいる気配も、何もない。
もちろん深海と同じように真っ暗なので、足元に気をつけてどんどん先へ進む。
「前回はこの地点まで来たから……今度は更に奥へ行ってみよう!」
暗闇というのは怖いが、シンの場合は恐れることなく好奇心のままにどんどん前へ進む。
別にシンは暗所が好きなわけではないが、人一倍勇敢なのもあって暗所も平気で進んでいく。むしろシンにとって、一足先に何があるのかまったくわからない状態は好奇心を掻き立て、ワクワクな気分になるものだ。ひょっとしたら、お宝や遺跡が見つかるかもしれないからだ。
もっともっと更に、シンは奥深くまで進む。ようやく最奥までたどり着いた。
辺りに懐中電灯を当てて回っていると、奇妙な物体が見えた。注意深く観察しようと懐中電灯で照らすと、より具体的な形が浮かび上がる。
鋭い一本角に、鋭い目。立派なトサカに、金属の如き光を放つ表面、そして巨大なボディ。
まるで人より大きなサメのような、威圧を感じさせるような外観をしていた。
シンは一瞬ドキッとしたが、水のないところでサメが生きていけるわけがない、とすぐ冷静さを取り戻す。さらに詳しく調べようと、もう一度光を当てる。
物体はまた、金属光沢を放った。
どうやら金属でできており、生き物ではなく何らかの乗り物のようだ。
その証拠に窓らしきパーツやドアの部分があることから、シンはこれを潜水艦であると確信した。
「でも、何でこんなところに潜水艦があるんだろう? とりあえず中に入ってみよう!」
ドアは手動で簡単に開いた。
シンは足元に気をつけて、潜水艦へ乗った。
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