【ここまでのあらすじ】 【登場人物・設定紹介】
【ここまでのあらすじ】
主人公のアセビ・フウセンカズラは十八歳の
一年前に失踪した母シオンを探し、暴走した無人兵器——オルクが
母の足取りを追う途中、オルクの攻撃を受け、絶海の浮遊島リーゼクルス島に不時着する。
不時着したアセビの前に現れたのは、黒髪に白い肌の小柄な少女、ピエリス。
彼女は人間離れした力でアセビのバイクからエンジンであるアイリスリットを引き抜き、オルクに投げつけて撃墜してしまう。
素手で鋼鉄を引き裂き、音速を超える
彼女の正体は、二十年前の戦争時、大量破壊兵器を放ち月を破壊した巨大航空兵器「ケートス」の中央制御装置、アイリスリットをその身に宿した「人造魔女」だった。
ピエリスはアセビが島を出ることを禁じ、アセビはピエリスとの共同生活を強いられる。
そんなある日、二十年間沈黙を続けていたケートスが再び主砲を発射。
二人が生活するリーゼクルス島に、砲撃を受けた大型機が墜落する。
乗員全員が死亡した凄惨な現場に、ショックを受けるアセビ。
動揺する心を落ち着けようと、島で手に入れた二十年前の島の学校の様子を写したビデオ映像を再生する。
そこでアセビは驚愕の事実を突きつけられる。
ビデオテープには、アセビが探し続けている母、シオンの少女時代が記録されていた。
そしてシオンの隣には、今と全く変わらないピエリスの姿が。
訳を問い詰めるアセビにピエリスは、このビデオテープは一年前に島を訪れた人物が残したものだと答える。
ピエリスの語る特徴から、その人物がシオンであると確信するアセビ。
その人はどこへ向かったのかと問うアセビ。
だが、ピエリスの視線は学校の中庭、立ち並ぶ墓標に向けられる。
真新しい墓標に掛けられた認識票に打刻された「シオン・フウセンカズラ」の文字に取り乱すアセビ。
失意のまま辿り着いたビルの屋上から、アセビは誤って転落。
浮遊島の上部から海面に向けて落下するアセビのもとへ駆けつけたのは、アセビの浮遊バイクを操縦するピエリスだった。
ピエリスはエンジンを失ったアセビのバイクを、自分自身のアイリスリットを用いて飛ばしていた。
アセビはピエリスの手を取り、バイクに跨がる。
次の瞬間、アセビの意識がピエリスのアイリスリットに繋がった。
加速された体感時間の中で、アセビはピエリスの記憶を追体験する。
そこで、オルクに追われリーゼクルス島へ墜落した母シオンの最期を看取る。
記憶の中、瀕死のシオンはピエリスに口づけし、二人の関係をほのめかす。
記憶の追体験から戻ったアセビはピエリスと共にバイクを操縦、無事に島へとたどりつく。
アセビはシオンの死を受け入れ、一度は逃げ出した母の墓標に向き合う。
当初の目的を失ってしまったアセビ。しばらく島に残ることを決め、ピエリスとの生活を改めてスタートさせるのだった……
【登場人物紹介】
・アセビ・フウセンカズラ
性別:女
年齢:十八歳。
身長177センチ、体重63キログラム、赤毛のショートカットで、日焼けした肌。
普段からバイクで空を飛び回り、トレーニングもしているため筋肉質で引き締まった身体。胸は大きめ(ピエリス曰く「規格外」)。
思い立ったら深く考える前に行動に移すタイプ。
トマトとキュウリならトマトがすき。
・ピエリス
性別:女
年齢:稼働年数は少なくとも二十年以上。詳細は不明。
身長156センチ、体重45キログラム(アイリスリットの浮力で誤魔化している可能性あり)、黒髪おさげ、白い肌。
外見年齢は16、7歳。華奢な体つきだが、腕力や脚力はアイリスリットを動力源とする人工筋肉によって強化されている。
胸に大きな傷跡(彼女曰く「鉄骨が突き刺さっていた」とのことだが詳細は不明)。
トマトとキュウリならキュウリがすき。
【設定紹介】
・アイリスリット
濃い紫色——
この惑星に多く埋蔵されており、惑星と起源を同じくする月にも多く埋蔵されている。
限られた女性の意志や感情に反応する性質があり、その女性をこの世界では
・
アイリスリットを操ることのできる女性。
古くからアイリスリットを用いた飛行、通信、記録を行い、国家や集団に貢献してきた。
二十年前に起きた月の破壊以降の世界では、物流と人々の交流をになう象徴的な存在として認識されている。
アイリスリットを操ることのできる形質は基本的に女性にしか現れないが、ごく稀に男性でも発現することもある。
・月の破壊
二十年前の戦争中に起きた大災厄。
アイリスリットの臨界に伴う莫大なエネルギー放射を利用した大量破壊兵器、アイリスリット臨界放射線射出装置の暴走によって引き起こされた。
この惑星の二つある月のうち、一つが破壊される。
潮汐力の乱れにより、アイリスリットを多く埋蔵する地表面が大地から引き剥がされ、浮遊島と化す。
同時に発生したアイリスリット搭載型無人兵器の暴走により、人々は移動や通信が極端に制限された状態に置かれている。
・オルク
アイリスリットを動力源とする無人兵器。
月の破壊後、人間の命令を受け付けなくなり、人々を襲うようになる。
人間の居住エリアを攻撃することは基本的にないが、人々が居住エリアを跨いで移動しようとすると執拗に攻撃してくる。
暴走の原因は、月の破壊時に発せられた莫大なエネルギー放射だと言われている。
正体不明の魔女が暴走に関わっているとする情報もあるが、詳細は不明。
・ケートス
月の破壊を引き起こした巨大航空兵器。
正式名称は「ケートス型巡航要塞一番艦 ケートス」
全幅2,300メートル、全長900メートルの世界一巨大な航空機。
同様の大型航空兵器は各国で建造、運用されていたが、ケートスは当時としても最大級だった。
アイリスリットを動力源、巨大な船体を支えるために利用している。
主砲であるアイリスリット臨界放射線射出装置の砲撃は直進するビームであり、地平線を越えた砲撃はできない。
そのため、戦前は飛行コースや飛行高度を制限する条約が各国間で結ばれていた。
所属は海軍。
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