第13話 資料⑩:神主の手紙

 以下の文は、⚫⚫県・石⚫村の子守神社で神主を務める石杜益代いしもりますよ氏(享年80歳)が亡くなる数日前にかねてより親交のあった山形県の⚫⚫山神社の元神主(現在既に死去。息子が後を継いでいる)に宛てて書いた手紙の内容である。

 石杜氏は高齢で、かつ持病の影響もあってか字の震えや書き損じが多く見られた。また独特の訛りが文面にも表われているため、意味の判別が難しい部分があることに留意していただきたい。


 

(前半:重要度の低さから割愛)

 ・・・なしてあげなえらすぐねえ子になったのか、わもわからねえ。

 むかすから「にガほしい」どってさしねがったけど、まさか社ちょして石ばがめるなんて、あまくせごとしかしねえ女だ。すかもわんとこの隣ぬ(解読不能)建てて、わがねと語ってもごっしゃかれてきかね。それは厄(解読不能)の石で子成(解読不能)のためでねえんだけっども、あますくねえがら(解読不能)だとおもって、あぺとぺにづかう。いぎなりでわりいけっども、おらいさきてけねえか? あんのえらすぐねえ子さ、ほんとのことかたってけろ。わではもうだめだ。


 もうだめかもすれね



文中語彙翻訳

*なしてあげなえらすぐねえ子 → どうしてあんな憎らしい子に

*わ → 私

*にガ → 子供

*さしね → うるさい

*がめる → 盗む

 

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