13 ガールミーツボーイ?
〔下〕「『うさぎ軍団』さんをお招きしたっす。整理券を四枚お願いしまっす」
父と肩を並べて遠ざかる
〔松〕「藤沢さん?! えっと、先日はどうもありがとうございました。お怪我の具合は」
〔史〕「大事ありません」
対する
〔松〕「お時間がありましたら、
〔赤〕「おいおいナンパか」
赤うさぎがしどろもどろになる松尾をからかっていると、意外な人物が松尾の視界に入った。
〔松〕「二人とも病院は。それに入場許可証はどうしたの」
叔母である
〔松尾父〕「
〔松尾母〕「臨時休診にしたのよ」
群馬県某所で小児科と心療内科を営む父母は、めったなことでは家を空けない。
その二人がわざわざ休診にしてまで文化祭に来てくれたと言うのに、自分の役回りと言ったら――。
〔松〕「何でよりにもよって『これ』に来たの。仏像さんも
松尾はがっくりしながら整理券を三人分発券した。
※※※
〔長〕「開演十五分前です。そろそろ
〔三〕「片付けは代わってやるから行けよ」
〔仏〕「
〔み〕「ほらそこにいるよ。ありゃ女難の相だね」
〔シ〕「二人とも、悪乗りもいい加減にしてよ」
全くもってうれしくない両手に花状態で、シャモはほうほうの体で松尾たちの元へとやってきた。
〔う〕「典型的な三枚目寄りのモテ男ですな」
〔葛〕「口の上手い男に女が弱いってのは、いつの世も変わらないね」
〔麺〕「シャネルの五番。オー・ド・パルファム」
牛筋のような太もももあらわにミニフレアスカートをひらつかせる
〔長〕「ん? この匂いは。γ‐デカラクトンにγ‐ウンデカラクトンか」
〔麺〕「ピーチ、ココナッツにキンモクセイ。『女学生の香り』を補ってまで……。この女」
〔長/麺〕「狩る気だ」
大真面目な顔で声をそろえた二人は、シャネルの五番にかき消されそうになるあさぎちゃんの香りを特定した。
〔い〕「二人ともいい加減にしなって。みのちゃんが昼前から
〔餌〕「おおおおお、森崎いちご様ああああ♡ ねえねえ仏像、僕出番ギリギリまでいちご様と一緒にいるから先に行ってて」
〔仏〕「ダメに決まってんだろ。行くぞ」
〔餌〕「パンダ(餌)君、ちゃんと見てやるからお友達と一緒に舞台に行きな」
※本作はいかなる実在の団体個人とも一切関係の無いフィクションです。
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