17-2 神と仏に愛された男
今井の提案で行われる事となった
司会は仏像、座布団運びが津島である。
〔仏〕「まずは全員座布団五枚からのスタートとなります。これは仏教で言う所の
黒子に扮した津島が、地獄界(座布団一枚)から仏界(座布団十枚)までの各界を描いたパネルを客席に向かって掲げる。
〔仏〕「なお、本日の大喜利『
仏像コスプレのままの仏像は、すまし顔で司会を続ける。
〔仏〕「ではさっそく第一のお題と行きましょう。アメリカ合衆国の首都は」
〔今〕「コロンビア!」
クイズの早押しのごとくお題の途中で叫ぶ今井。
〔仏〕「ワシントンD.C.ですが」
〔麺〕「あれボストンじゃなかったっけ」
天然ボケをかます
〔餌〕「タイ王国の首都はクルンテープ・プラマハーナコーン・アモーンラッタナコーシン」
〔松〕「マヒンタラーユッタヤー・ マハーディロックホップ・ノッパラット・ラーチャタニーブリローム・ラドムウーチャンウェートマハーサターン」
出題中の仏像から司会の座を奪い取る
〔仏〕「アモーンピマーン・アワターンサティット・サッカタッティヤウィサヌカムプラシットって長すぎだろうがああああ!」
しっかりノリ突っ込みを決めた仏像が
〔餌〕「ちょっと待ってえええ! 何で僕だけ地獄界なのおおおっ。松田君は何で無実なのおおお! 仏のくせに偏愛がすぎるでしょおお」
餌は、恨めし気に仏像を見た。
〔仏〕「はいそれでは次のお題に行きましょう」
仏像は大声でわめく餌に取り合わず、淡々と次のお題に移る。
〔仏〕「皆様は仏界(座布団十枚)に行くための修行中。そこで修行中のお坊さんならではの一言をお考え下さい。はい今井君早かった」
会場中に響く大声でハイ、ハイと手を上げた今井は野球で鍛えた二の腕で力こぶを作る。
〔今〕「ハイ。掃除は大事な修行です。『便器でお尻を拭きマッチョ』!」
〔仏〕「今井君を畜生界(座布団三枚)へ。津島君、座布団二枚持って行って」
〔餌〕「モヘンジョダロのお坊さんが一言。『オベンジョダロ』」
仏像にかぶせるように大声で答えた餌をスルーすると、仏像はぱっと目を輝かせて手を上げた松尾を指した。
〔松〕「モヘンジョダロのお坊さんが一言。『オベントダヨ』」
〔仏〕「津島君、松田君に座布団を一枚やって」
〔松〕「モヘンジョダロのオベントは『味の
にこっと笑いながら手でお弁当箱を作って松尾が差し出すと、客席から
二枚の座布団をもらって
にこにこしながら七段重ねの座布団に座ったかと思うと、急に顔をしかめて座布団から下りる。
〔松〕「餌さん、僕の座布団をもらってください」
バランスを崩してけがをすることを恐れた松尾は、餌を
〔仏〕「今、俺は、猛烈に感動しているっ。松田君を仏(座布団十枚)にっ」
〔麺〕「えっ、今のやりとりのどこに感動要素が?! それに、ここで仏(座布団十枚)を誕生させるなんて。どう考えてもダメ進行っしょ」
〔餌〕「えこひいき野郎はどけろってんだYo」
助っ人の麺棒からもっともな突っ込みを受ける中、餌ラップモードを発動した餌が仏像を司会席から追いやった。
※本作はいかなる実在の団体個人とも一切関係の無いフィクションです。
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