第8話~お泊り~

「彩美さま」

うん・・・この声はナタリーかな・・・

「もうすぐルシファー様がいらっしゃいます」

はっ

”すまぬ起こしてもらっていいか”

ナタリーがクッションを背中に入れ上半身を起こしてくれる

「と言いましてもまだ一時間位は余裕がありますが」

”なんで早起き!?”

「お腹が空いてるのではと思い」

まったく察しのいい子はってアニメ定番のセリフをいいたくなる

”確かに空腹感凄いよ気遣い助かる”

「何かご希望ありますか?」

”久々に肉が食べたいがステーキとか塊は無理だな胃袋考えると”

「ではハンバーガーは如何ですか?」

”ハンバーガーと言えばボルケーノは存在する?”

設定と差が少しあるので確認しないとね

「はい有名店ですよ」

”あるんだ・・・よかった・・・オリジナルハンバーガーセットをポテトと飲み物は・・・コーラは無いよね”

「すいませんコーラが何か分かりませんが無いですね」

”じゃあオレンジジュースで”

「はい」

”時間は大丈夫?”

ボルケーノは人気店だからテイクアウトでもランチタイムとかだと託鳥デリでも数十分待ちは当たり前設定だったし

「王宮特権で託鳥を飛ばしますのでニ十分もあれば届くかと」

託鳥は人語で伝言できる伝書鳩みたいな感じかな

メネシスでのショートメッセージってイメージ

少しスマホのショートメッセージよりレスポンス悪いけど

だって鳥が実際に飛んで行って伝えるからオウムの方がイメージいいかな

”王宮特権なんてあったんだ”

「はい今私が決めました」

”はい!?”

「まあルシファー様とまどか様が常連の店ですのでこれくらい我儘は許してくれるかと」

”ナタリーも私の筆を離れてオリジナルな道を歩き始めているんだな”

「でポテトとオレンジジュースはLサイズに変更しますか?」

・・・強すぎる・・・もう設定を信じる心は折れるかも

”ポテトは食べきれないかもなのでドリンクはLでとルシファー用の椅子と飲み物・・・私も飲みたいから赤ワインの用意も頼む”

「はい」

とナタリーは部屋を出て行く


なんだか皆様ぁキャラが濃くなってませんか

でも「私の考えた世界のまま」より「今の命を得て別世界として歩き始めた世界」が愛おしいかも

だって答えの分かる人生程つまらない・・・今日死のう・・・から一発逆転で最愛の七海と出会いとか味わったら・・・ね

一歩先が分からない恐怖・・・全てわかる賢者・・・だったら見えない方が人生の充実するって・・・全て見えるなんて生きてる意味ある?って思うもん


女の体になってから感じるのは七海の唇

今・・・あの柔らかくてスベスベで温かい唇と唇が触れたら・・・私の正気は何秒保てるのか・・・

その前に女体化した私を本当に大丈夫かな・・・もう男としてまどろむ夜は七海と過ごせない・・・

なんて本当に二十数分かな思い出のままの美香なら彩美乙女モードって時間に浸っていたら

・・・もう今後は思い出のままとか無理だけど・・・


「彩美さまデリバリー来ました」

ってナタリーの声が

”ありがとう”

でナタリーが部屋に入って来てサイドテーブルにハンバガーとポテトにオレンジジュースLを配置していく

「王宮特権とか冗談でしたが本当に早く到着しましたのでよかったです」

”まあ王宮からの注文ならボルケーノ店主は頑張ってくれるのはわかる気がするよ”

「まどか様とルシファー様が常連ってのは誇りみたいですしね」

”そうだね”

ボルケーノは料理も最高だけど「個室」のセキュリティーが高くて内容が漏れる事が憚れる国外の要人と打ち合わせに便利してるからもあるけどね

えっ王宮なら専属料理人いるんではとなるけど無駄な王宮維持費は税金の無駄使いってまどかの王宮改革で王宮スタッフは最低限になってるんだよね

ルシファーも特に豪華絢爛な生活に興味ないので賛同してルシファーの尻に敷かれてる婿養子王サタンも賛同で政治に関係する役職者以外はナタリーとナターシャだけで朝食とか簡単な食事は二人が準備するけど以外はデリバリーか城下に食べに行くんだよね

積極的に王族が城下に出て時には一緒に杯を重ねるで国民の意見も聞け不満解消や希望が直接耳に入るって国の運営も良くなったんだよね

あっこれが出来るのは闇属性は光以外の他属性より圧倒的に強いので警護とか付けなくても暗殺とか気にしないで出歩けるってメネシスならではの理由もあるけど


「ではお食事が終わる頃にルシファー様を御呼びいたします」

”頼む”

ナタリーが部屋を出る


もう我慢できない!

さっきから炭火焼ハンバーグの香ばしい匂いがね

ぱく

うまぁあああ!

口内に広がる炭火で香ばしい香りを纏った肉汁と粗挽きの肉感そしてオリジナルマスタードソースが爽やか

バンズも炭焼きで香ばしく表面は焼けて固めだけど中は柔らかくて少し甘めでパティ―と相性いいね

初なのでボルケーノの一番シンプルなオリジナルバーガーを選んだど大成功

ある意味で設定通りで大満足

合間につまむポテトも設定通りで大好きなMバーガーと同じでつまむ手が止まらない

オレンジジュースは搾りたてでジューシーだね

またも一気喰いとか女になっても駄目だね

”げっぷ”

ともうお淑やかとか無理です


久々に記憶的には三日か四日ぶりだけど体的には百日以上ぶりのガッツリした食事だね

ナタリーとナターシャが胃に優しい食事を頑張って作ってくれたんで無事に胃袋復活に大感謝


コンコン

”はーいどうぞ”

ドアが開きルシファーが入って来る

「失礼します」

毎度クリスタルを溶かしたような冷たくも高貴声に一瞬ドキッとする

「お話の前に部屋が完成しましたの御移動でよろしいでしょうか?」

”お願いする”

えっナタリー呼ぶのかと思ったらルシファーに御姫様抱っこされる私

「私も出来る事があれば動くのがこの城では普通のことですから」

”あっそうでした経費節約を決めた時に一緒に王であれ王妃であれ出来る事はやるでしたね”

「彩美がこう決めた理由はよくわかります」

”えっ”

「王座にいるだけで庶民の私生活や気持ちが分からない為政者が光闇戦争などの国民の為にならないことを考えてしまうと」

”意図は伝わっていたんだ”

「はい」

”うれしいよ”


まどかの部屋から王宮の地下まで移動して隠し通路で黒泉館の貴賓室が数室連なる廊下へ移動

ここまでは私が物語で書いてるのそのままでだけど

「部屋までの通路は人払いをしてありますのでご安心を」

そこから一番奥の闇の国王族用の部屋へ

ここまでは分かる

部屋は前室件の宴会とか出来る座敷で奥の扉をあけると脱衣所でさらに奥には五人入れる位の屋内温泉と十人位入れる露店温泉

座敷にある暖炉の横の壁前でルシファーが

「〇▼■×・・・」

これは念通暗号ロックえっと念通で念じた暗号と一致すると解除される鍵だね

カタンと音がして暖炉横に隠し扉が開く

ルシファーが屈んで私が脚と頭を少し丸めないと通れない小さ目な扉を通り続く階段を上がる

ここからは私の物語にない部分なので完全な未知数領域だね


二階くらい分の階段を上がるとエントランスになっており普通の扉

扉をあけると十二畳位の石造りの部屋ってこの世界では暖炉とかの関係で木造は一時的な建物以外は少ないんだよね

部屋にはまどかの部屋にあったベッドより少し広めなキングサイズと横にサイドテーブルと椅子がある

入口扉の横にも扉がある多分トイレなのかな

壁には暖炉と全身が見えるサイズの姿見と入口扉の逆には扉と幅が2m位の腰高窓

窓の外はテラスなのかな2m位の高さの壁で囲まれたスペースと東屋に見えるけど露天風呂かな

幅は部屋と同じだけど奥行きが10m以上あるので壁が高くても日差しは気持ち良く入ってくる

「テラスの壁が高くて少し息苦しさがありますが部屋は外からみると壁の一部にみえるように作っております」

”でも突然に館の外観が変わったら驚かれるのでは?”

「位置的には山側になりますので城下や街道からも見えませんので外観を気にする者はほとんどいない位置になっております」

”十分日差しもあって息苦しくない最高の部屋だよ”

「そう言って頂けるとうれしいですね」

窓横のドアを開けテラスへ

やっぱ露天風呂だった最高だね

「まだ家具とか間に合ってない物があり申し訳ございません」

”そろそろベッドでいいよ”

「はい」

部屋に戻り優しくベッドに寝かされて背中にクッションを挟んで上半身が起きた状態に

「失礼いたします」

ルシファーがベッド横の椅子に座る

「ナタリーから椅子の話は聞きました心遣いありがとうございます」

”だってルシファーを立たせたまま私は寝てるとか偉そうで嫌だったから”

「主様の前で立ち続けるのは気にはなりませんでしたが御心使いを頂きましたので甘えさせて頂きます」

”まあコノ堅さもルシファーの可愛い所だしね”

「可愛い!?」

”あっゴメン心の声が出ちゃっただけ”

「では聞かなかったことで」


コンコン

「失礼いたします」

初顔登場!

って肩までの黒髪に肌は少しオレンジ感のある黄色人種より少し白目だけど

年齢は二十歳くらいで少女のあどけなさを残した顔

服は黒を基調にビビッドなアクセントが入った日本着物に似ているけど大きく開いた胸元でたわわな胸の谷間が幼顔とのギャップでインパクト

”狭霧かな”

「はい狭霧でございます今後はナタリーとナターシャに加えて彩美様のお手伝いをさせて頂きます」

”よろしく頼む”

「はい早速ですが赤ワインをお持ちしました”カナ地方”の少し重めになっております」

”えっ重めとかお願いしたっけ!?”

「まどか様が重めを好みますので彩美様も重めが好きかと思い」

”すごいね私が好きな物をまどかの好物にしてるって気が付くとか”

「だから言っておろう逆も又正なりと」

”そうだねルシファー”

「狭霧ありがとう」

ドアを開ける狭霧

「では失礼をいたします何かあれば呼び鈴で」

一礼して部屋を出る


既に抜栓されている瓶からグラスにワインを注ぐルシファー

一つを私に手渡し

「乾杯」

とグラスを軽く当て互いに一口目を飲む

”おいしい重さも丁度いいし香りも土が強めで肴がなくても飲める大好きな感じ”

「お口に合いよかったです」


”さて隠し部屋をお願いした理由だが”

「時々戻って来る”まどか”と会わない為ですか?」

”それも一つだ今会ってしまうと私の心が完全でないので同化が始まってしまう可能性が否めない”

「七海に再会するまではと言う事ですが」

”そうだね七海に再会出来れば私の心は完全に元に戻れると思ってる”

「同化に関しては世界が今回の動きをする前に物語にまどかが追記してしまったようなストーリーなので変えられない可能性も」

”いや絶対に耐えれる七海のためなら”

「彩美がそう言うのであれば間違いないですが再会前でも七海の為なら問題ないのでは」

”まだ再会出来ない可能性が残ってると耐えれるほど私も強くないから”


少しのつもりがグラスに残っていたワインを飲み干してしまいルシファーが継ぎ足してくれる

「他の理由は?」

”今私が移転したことを多くの人が知れば物語が私の描いた世界とのズレが大きくなり予想外の事が発生する可能性が高くなる”

「なるほど彩美が転移したことでメネシスに歪みが発生しダブネスの帰還を早くしたり他の予想外を防ぐために理に適ってますね」

”状況的に私が万全になればなんとか出来る事は多いと考えられるが現状では何も出来ないからね”


「話は変わりますがこのお部屋ですが」

”うん”

「ソファーとか他にもいくつか家具を御準備をしておりますので完成次第で」

”今はこの広いベッドとサイドテーブルがあれば十分だしね”

「ベッドは七海が来た時を考え広めのを選びました」

”そこまで考えてくれていたんだね・・・ありがとう”

「あと将来的に時が来ましたら王室専用室との通路は閉鎖して貴賓室通路に直接つなげ出入りを簡単にいたします」

”ということは”

「王宮住まいでは色々と息苦しいかと思いましたのでコチラを自室として御利用頂ければと」

”たすかる王宮で私がウロウロしてるのも来賓とかいらした時とか面倒の素だしな”

「体調がすぐれるまではナタリーとナターシャに身の回りは手伝うように申し伝えてありますので後は狭霧がメインになる予定です」

”そうだな狭霧に入浴とかトイレは少し別の意味で緊張してしまうしね”

狭霧は同性愛者設定なので・・・ちょっと危険がねルシファーもそこは分かっての対応だね

”自分で動けるようになればだな二人には当面王宮と私の両方は大変だと申し訳ないが”

「気にしないでください二人も事の重要性は理解しておりますので」


気が付くと会話中にボトルを空けている

って八割は私が飲んでるけど

やっぱまだ無理できないのかいつもなら口慣らし程度の量で酔いがまわり少し眠い

「少し午睡をいたしますか?」

眠そうな欠伸とかでバレバレだね

”体調戻ってないのにいつもの感じでおいしすぎて飲んじゃったから話中に申し訳ない”

「いえ情報交換も必要ですがまずは寝て体調を整えて頂く方が重要かと思いバンバンとグラスに注がさせて頂きました」

”まったく氷のような女と見せて温かいね”

ルシファーが呼び鈴を鳴らす

ほどなく狭霧が水差しとコップを持ってくる

サイドテーブルにセッティングして空きビンとグラスを下げる

その間にルシファーが背中のクッションを外しベッドに優しく寝かしてくれる

「では失礼します」

二人が部屋の外へ

少し寝よう次の目覚めはもう少し体調良くなってる事を願って・・・心地よい酔いの感覚に浸ると・・・意識が闇に落ちていく・・・


寝起きから洗顔そして制服に着替えてメイクをする

その間に七海が朝御飯とコーヒーの支度をしてくれて

メイクが終わりリビングに行くと七海と一緒に朝御飯

御飯が終わるとコーヒーを持ってソファーに移動して十五分くらい七海とノンビリして登校

って今日はソファーに居った瞬間に

ピンポーン


こんな時間に宅急便?

七海がインターホンに出て何言か話すとオートロックの解除ボタンを押す

”こんな時間に?”

なんか笑みを浮かべてる七海・・・分かるこの笑みは・・・何か予想外の事が起きる前兆

ピロリンピロリン

今度は玄関の呼び鈴が押された音

七海がドアを開けに行く

リビングと玄関がつながるドアがあくとぉ

”美香ちゃん!?”

「彩美ちゃんおはよう!」

って何事なの美香は大きなボストンバッグを持ってる

「七海さんコレお願いします」

「はい」

七海がボストンバッグを受け取り

「そろそろ二人とも出発しないとだな」

あっ朝のルーチンが

美香が私の唇を見て

「先に玄関言ってるね」

と玄関に行きドアを閉める

「バレバレだな」

”魔女子力怖い”

と言いつつハグとキス

から急いでリップを塗って

”いってきます”

「いってらっしゃい」

と玄関に行き美香と合流してエレベータへ


「・・・・・」

”今日はいったい何事”

「ふふふ」

マンションを出ると美香が手を繋いできた

そのままいつもの通学コースへ

「今日は彩美ちゃんの家にお泊り許可を親からもらったの」

”えっ初耳ですが”

「七海さんにOKもらってるから」

”えええええ”


「彩美ちゃんの件でお願いした時に両親にも七海さんは会ってもらっていたの両親も彩美ちゃんのこと心配してたし子供の頼みで動いてもらうならお礼もしないとって感じの流れで」

・・・・・・

「最初は水商売の女性なんか大丈夫か?って感じだったけど会って話をしたら七海さんはとっても信用できる良い人ってなってね」

・・・・・

「実際に彩美ちゃんを救って居場所ないなら居候までとかで凄い人モード」

”まあ七海は水商売だけど異色な常識人だし博学だし真面目だし家無き子を救ってくれただけでなく・・・”

「朝から惚気御馳走様でパパなんか実際にお店行ってお店の感じとか働く七海さんみて”あの人は何か訳合って水商売なだけで普通に会社勤めしてたらバリバリのキャリアウーマンだね”とか信頼感MAXになって最近では接待で使うお店とか紹介してもらっているしね」

”なんか知らない所で”

「ママなんか月一回くらいだけどランチ一緒に行ってたり」

”まあ七海が私の知らない所で何をしてるかは気にしてないからだけど美香ちゃんの家と家族包みであったとは”

「お泊りも即OKだった訳でね」

”お泊りで女子会・・・って今日は私も七海も出勤で夜は居ないよ”

「大丈夫だよお店行くから徳さんのOKも七海さんが貰ってくれたし」

”はい!?”

「で着替えとか色々を預けに寄ったの」

”なんか昨日の話の謎は解けたけど・・・”

「あっお金はね彩美ちゃんが出勤始めたって聞いたときからコツコツ溜めてるから大丈夫やっと溜まったから計画実行」


これは七海の許可もらって初自爆やるのでいいかな

恩人の美香から指名料とドリンクとかもらえないよ

あっ自爆は「自爆営業」って自分で金を出して客を呼ぶ事ね

理由は色々あるけど「あと少し指名が入れば月間NO1になれる」が多いかな

店によってはNO1は扱いが違って次回もNO1になれる可能性がグーンとあがるしね

当然NO1は時給とかインセンティブも破格になるしね

あと最近多いのは「推しのホスト」と少しでも一緒に居たいって自爆で呼ぶのも増えて来てるかな

お店のオーナーにすると自分の店で出した給料が他に流れず戻って売り上げになるので良い事とみてる人が多いけど七海のお店では基本的にNG事項になってるし順位が上がれば時給は高くなるけど他はほとんど優遇とかもしないで過度の競争でキャストが無駄に疲弊しないシステムになってる

自爆営業って結局は行き過ぎると生活費とかも使って借金して身を亡ぼすパターンも多いから

自爆でNO1になっても次回も少し足りず自爆する繰り返し実力不足を金で埋めてるだけだからね

ホスト何てただ酒飲める感覚で呼ぶ側を愛したりしてる訳じゃないしね

だから自爆営業を嫌う子達も多いしね


”美香ちゃんってお酒飲めるの?”

「うん彩美ちゃんと同じで高校入学したら自宅だけはOKだったり」

”なんかうちみたいな家って多かったの”

「最近はさ酒飲む親だと高校入ったら自宅内は解禁多いよ」

”そうなん”

「自分達の時は高校の学祭とか終わって居酒屋で打ち上げとか普通だったけど今はそうはいかないけど絶対に酒に興味あるから外で何かやらかすなら目の届く自宅はOKしよう的なでね」

”なるほど”

「あとは大学に行ってサークルとか入ると歓迎会とかで年齢無視で飲まして飲み方しらなく急アルとかも飲み方とか自分の酒量限界知ってればて考えてる親もいるとかの勉強とか自分達の時はさっきの打ち上げとかで覚えてたけどとか」

”私・・・酒量限界とか分かんないかも”

「まあお店まで出て問題ないなら私らからすると強すぎるんとしか」

”チーママに言われた強いって潰れたのは自死考えてお店行った日だけで計画的にツブされたらしいだけかな”

「私も家のみでは両親が調整してくれるのでツブれたこと無いけど今日は保護者二名だから安心して飲めるかなぁ」

”って私も保護者枠!?”


「もう色々と私より経験豊富で先輩ですから!バージンな小娘の面倒よろしくお願いをいたします」

処女なのは知ってるけど改めてこの最近のバージンは恥とかで簡単に捨てる子が多い意味不明な風潮の中で本当に結婚したいくらい惚れた相手までって身持ち堅くてイイ子だなぁ

あっ訳のわからないなんかの湧きあがった気持ちは無視で!

”もう諦めた!美香と飲める今晩が楽しみに気持ち切り換えた!”

「やっぱ放浪もあるんだろうけど七海さんと出会って強くなったね彩美うれしいけど少し寂しいかなアノ陽キャやったことないのに無理してでも陽キャ演じて何かから脱すって気合いっぱいの自己紹介してた初心さとか可愛かったから」

”もしかして中学までの・・・”

「言わないよソレに関しては察すけど私の知ってる彩美じゃない刻だからだし自力できちんと抜け出した凄さも見てるし」

・・・・・

「それより男性不振で小さくなって自爆闇落ちしてコミュ障になってた私を普通に普通に戻してくれた彩美に感謝しかないの」

”まあ今晩に私の夜の水での本性を知って減滅されないかが怖い”

「七海さんが唯一と言って良いレベルの逸材って言うんだから大丈夫!」


なんて話してたら校門見えて来てすれ違う生徒も増えてきた

美香が手を離し

「少し先に行くね帰りはいつもの”一緒に帰ろう”でね」

”うん”

本当に色々と気遣いの出来る凄い美香

もしかしたら美香が水に・・・いやいけない想像だけど・・・簡単にNO1取れるんでないとか思って


授業は全然身に入らなかった

まあ推薦進学辞退で卒業のルート変更であれば今やってる授業は全て出なくても最低限で卒業出来るくらいの勉強はしてたからね出席単位で問題なし

そういえば七海の最終学歴って一瞬気になったけど学歴なんて関係ないよね

だって今は普通に考えたら私から考えたら凄い優雅な生活出来る稼ぎ悪い事しないであるんだから凄いでいいよね


授業中に美香に気付かれないように七海とメッセージのやりとり

”その今日の夜だけど自爆やっていい”

「美香ちゃんのことか」

”いくらお小遣い貯めたと言っても普通の高校生だし恩人から指名とかドリンクもらえないよ”

「やっぱし私の愛する彩美だな」

”えっ”

「全額自爆だと美香ちゃんの貯金頑張った努力を無駄にする部分もあるのでセット料金以外の自爆が良いのではないかな」

そうか純女と女装にNHはセット二千円/時(男性は五千円/時)と女性の御客様はキャスト以外の客寄せパンダって言い方悪いけどになるから男性客メインの店はセット料金に差をつける事が多いんだよね

”セットだけならオーラスしても美容院代くらいだもんね”

「そういうことだコレなら次回も遠慮なく来てもらえるだろ」

”流石の七海!わかったソレでお願いします”

「心得た」

やっぱし七海は上手でその後も考えた心遣いすごいなあ

と部分的自爆の許可を貰えて一安心


「彩美ちゃん一緒に今日も帰るよ!」

”うん”

いや行先はいつもと違うけど

手を繋いで校門向かって

絶対に美香と私の関係を勘違いしてる奴もいるけど美香の盾としては役立ててるのであれば些細な勘違いでいいか

だって美香に本当本気で誠実になれば分かるはずだもの私と美香の関係

それに気が付ければ美香との関係が出来るワンチャンだよって


七海のマンションまで美香と本当に他愛もない会話

多分これは美香も緊張してるね

だって私と美香が他愛もない会話をする時は滅多にないから・・・

七海を最高とすると他の何者よりも数百メーター上世界でミリの争いだった美香

私にソノ価値がは今は考えないけど結果がこれとならわかる


部屋の扉前で少し緊張感でた美香

懐かしい記憶もあるけど

”さあお店行く準備しよう”

でドアを開けリビングへ

「おっおかえり!」

”全部聞いたぞ!知ったぞ!七海ぃ~!”

「あーれー助けてぇ」

とかネタをちゃんと美香の前でと思った出勤準備完璧な七海のハグからルーチンのお帰りのキス

大人のキスを目の前に顔が真っ赤な美香だけどルーチンあるの知ってるし下手に隠すのもと思ったしね

「やっぱ凄いなぁ二人は大人なんだね騙すとでなくても秘密も関係なく全てをいつでも受け入れて」

・・・・

「まあコレに関しては彩美の柔軟さの凄さがもあるけど」

”あの時に思ったの嘘や内緒で救われることもある私は嘘は嫌いだけどでも必要な嘘とか内緒もあるって”


「さてそろそろ準備しないとだな」

”えっと私は美香と同伴で開店入店でいいのかな”

「そのお願いする予定でいたが流石だな手馴れて来たね」

”はーい”


そこからの七海は大忙し

私は同伴なので派手なドレスでなくスーツ系に今日はしようね

美香は持ってきた白の半袖ニットに黒のタイトスカートに少し太めでチャームが目立つゴムベルトと通勤姿のOL風

”そういえば制服以外の美香ちゃんて二年秋の修学旅行以外で見ることなかったなあ”

修学旅行はロングワンピースとか露出少な目の普通の女子高生私服だったけどOL風になると急に大人びてみえるね

「七海さんにアドバイスもらって用意したの」

なるほどねコノ姿ならお店で飲んでても違和感ないね

着替えが終わるとメイク

私はメイクテーブルでいつもの感じで頑張る

美香はリビングのテーブルで七海がメイク

メイクが終わるとメイクテーブルで七海が私と美香のヘアセット

リビングに戻って全身が見える姿見で美香に仕上がりを確認してもらってる七海

「すごーい!メイクとヘアセットだけでこんなに変わるんだ」

「まあ彩美と同じで素材が良いとメイクも楽しいな」

OLを意識した控えめだけど使う色と陰影を上手くつかって少し年上に見えるメイクで大人の美香でいいなあ

「七海さんありがとうございます」

「では私は先に出勤するから」

”いってらっしゃい”

もう美香の前でも恥ずかしくなくハグとキス

部屋を出て行く七海を見送り

”さてネイルしに行こうか!”

「えっネイルって1時間くらいしかないけど間に合うの?」

”大丈夫いくよぉ!”


「って待って彩美ちゃんヒールってこんなに大変なの」

”まあ慣れかな”

「私3cmでヒーヒーなのに彩美ちゃん10cmくらいない」

”ヒールが高いと脚が長く見えるんで高いヒール大好きなんだ”

「女子力高すぎ」

といってもネールサロンまではタクシー乗る距離じゃないし頑張れ美香

マンションを出て明治通りを渡ってゴールデン街に向かうゴールデン街少し手前の雑居ビルに入る

「なんか怪しい」

”はは歌舞伎町の雑居ビルって古いの多いからどこも独特の感じあるよね”

エレベータで二階に普段なら階段だけど階段は美香が無理そうだしね

エレベータから降り前にあるピンクの扉を開けると

「おっ彩美ちゃんいらっしゃい」

”UVシールで二人お願いします”

「お友達かな」

「はい彩美ちゃんの同級生の美香です・・・あっ」

”大丈夫だよ鹿野ちゃんは私の色々状況知ってるから”

「よかったぁ今日は少し気を付けないとだね」

”うん”

差し出されたサンプルから使うシールを選ぶ

私はいつもの紫ベースのマーブル模様

美香は白とピンクの逆フレンチ


鹿野ちゃんは私をアシスタントさんが美香を手際よく施術していく

爪を清掃して少し整える

ファイルで足付けをしたらアルコールで清掃と脱脂をする

爪の形をしたシールを爪に貼り付けファイルで余分な部分を落として

両手が終わったらUVライトで一分固めて完成!

ここまで十五分

「すごいジェルネールしたみたい夏休みとかやってたけど二時間とかだったのに」

”ジェルほど持たないけど数日は無理しなければ大丈夫だよオフも少し力いれて爪元に爪入れて引掛ければ簡単に出来るから”

「なるほど週末だけとかに便利だね」

「毎度二千円で二人の四千円ね」

美香が七海から借りたOLな感じの皮鞄から財布を取り出そうとするけど

”いいよ”

代金を二人分纏めて鹿野ちゃんに渡す

「毎度!今日も頑張ってね!」

”ほーい”


店を出ると今度はタクシーを捕まえる

”三丁目駅近くの「ラーメン花陽」の横を入って仲通りに出たら少し左に行ったら止まる場所伝えますね”

「チェーン店の店だ合ってる?」

”はい”

行き先を伝えると助手席後ろに設置された液晶画面を操作してスマホと連携

「電子決済を受け付けました」

と女性声のアナウンス

「あの彩美ちゃんネイルの料金」

”美香ちゃんが綺麗になったご褒美”

「なにそれぇ!」

少し緊張してる美香だったけど少しずつほぐれてきたかな

仲通りに入り靖国通り方向に数十mすすむと右側に提灯がみえる

”運転手さんココで”

車が止まり女性声のアナウンスで

「決済が完了いたしました」

”領収書はいいです”

ドアが開きタクシーを降りる

提灯には「気分上々」と書かれてる

ドアを開け入るとカウンター数席と四人テーブルが4個の落ち着くサイズの箱だよ

「彩美ちゃんいらっしゃい」

”健坊さん急ぎで親子丼二つと生二つで”

「あいよ!」

”ここは焼鳥屋さんなんだけど親子丼も最高だからね”

「なんかタクシーの使い方とか馴染みの焼鳥屋さんとか大人だなぁ」

”七海に全部教えてもらってるだけだけどね”

「でもスマートに出来るのすごいなあって」

ビールを中年の女性が持ってくる

「彩美ちゃん今日はデートかな」

”篠ちゃん私には七海がいるって世界で一番大切な友達と初飲みだよ”

「楽しんでね!」

と下がる篠ちゃん


”じゃかんぱ・・・”

美香が真っ赤な顔でうつ向いてる

”どうしたの”

「世界で一番大切な友達・・・さらっと言われてうれしくて」

”まあ乾杯!”

ゴクゴクゴクってぇ美香!一気にジョッキ半分ですか!?

「ぷはぁ~」

この子も私と同じで笊を通り越して箍も無いって言われる日が近いかも

私も喉が渇いていたので・・・一気に飲んでしまった人のこと言えないね

「彩美ちゃんお替わりは?」

健坊は目がきくね

”はーい”

「あっもう一杯!」

って残り半分を一気に飲んでしまう美香

まじでかい!?


新しいジョッキが届くと親子丼が出きるまで少しトークタイム

「実はお泊り許可は二泊でたの」

”じゃあ明日もお店に”

「うんクリスマスとか行きたいと思ってたけど流石に親が”年末の歌舞伎町は”ってなったんで二泊にして楽しむ方向にね」

”まあ普通の親ならイベントタイムの歌舞伎町に高校生の娘を行かすのは躊躇するよね”

「でも今日歩いててそんなに危険な感じしないけど」

”なんて言っていいのかな「コツ」があるんだ”

「コツ?」

”出来るだけ初見の店は常連な別の店に紹介してもらうとか”

「なんか面倒だけど」

”でもね紹介してくれる常連を紹介するってことはボッタとか不義理のない店じゃないと常連やめられちゃうから”

「そんなにボッタとか多いの?」

”数は少ないけど初見で二度とこないなと思うと少し乗せるプチボッタとか完全にボッタ目的の店ほど普通感出してるんで危なかったりでね”

「そうなんだ奥が深い」


”道を歩く時も出来るだけキョロキョロしないで行く場所決まってるオーラを出す”

「なんでなんで」

”キョロキョロしてると歌舞伎町とか二丁目の初心者で店探してるかなとキャッチに捕まるから”

「キャッチ?」

”お店の呼び込みで本当は店前以外は違法だけど流しのキャッチとかもいて流しとかは初心者を言葉巧みに高額の店に時にはボッタの店に連れて行くの”

「なんでそんな犯罪してその上で危ない店に?」

”流しのキャッチは呼び込んだ客が使った金額に応じて紹介料がもらえるから高額な店に呼び込むほど効率いいからさ”

「知らないと本当に怖いね」

”流しキャッチは面倒でしつこいの多いけど声かけても無駄感じれば無駄に声掛けしないから真っすぐ少し速足で歩いてれば店きまってるなって思ってもらえることが多くて面倒も少なくなるからね空気読めないで声かける奴もいるから完璧ではないけど”

「なるほど」

”普通のキャッチは店の前を過ぎれば引くけど流しは永遠とついてくるから向こうが初手を打つ前に立ち止まらず「行く店決まってるんで」とか先手で撃退だよ話し始めるとスイッチ入ったように靴の裏についたガムみたいにしつこいからさ”

「勉強になるなあ知らない世界」

「ほい親子丼お待ち!」

健坊が焼台越しに渡してくれる

美香の目がキラキラだ

赤いお椀に盛られた親子丼とスープに香の物

シンプルだけど気分上々の看板メニューの一つレバーも美味しいけど今日は時間の関係で今度別の日に美香には食べてもらいたいな

”さて時間が少ないので頑張ってたべちゃおう”

黙々と食べる二人

「ふ~美味しいかった今まで食べた親子丼で最高だったあ」

「それは嬉しいね今後も御贔屓にお願いします」

”健坊さん御会計で”

既に準備を終えてた健坊がICカード読み取り機を差し出す

スマホのカード決済を立ち上げてタッチで御会計終了

美香と二人で残りのビールを飲み干して店を出る

「まいどぉ~」

と健坊の声を聞きながら


「あ支払い」

”大丈夫だから甘えて”

「でも」

”御飯食べる七海ちゃんの顔が可愛いから拝見料で”

「なによそれ・・・ありがとう」


「しかし大人だ御会計も」

”この街で大金持ち歩くのは危険だってクレカはまだ作れないから本当はダメだけど七海のクレカをスマホに登録してくれたの”

「七海さん本当に面倒見いいんだね」

”使った分は後で七海に払うって確定申告とか飲み屋給与じゃ未成年私名義でできないから七海の給料にして私の使った分は経費でとか”

「うーんグレーゾーン」

”そう・・・この街はグレーの塊だから足を入れちゃうと一般に戻れなくなる要注意な感じもね”

少し仲通を御苑方向に向かって歩き大き目の交差点横の雑居ビルに入りエレベータで二階へ

MIXBAR SEVENSEE

さて始まるよ

”では大人の世界へ!”

「うん」

いざドアを開け浮世の世界に・・・・・

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