第2章 『興味ない』

初めて会ったのは、大阪の小さなライブハウスだった。


出演者の一人で、さして興味は湧かなかった。


当時はなんともへんてこな名前活動していて、おまけに音を外して歌っている。


「聴いてられない」


私はそう思った。


ただ、声の特徴だけは記憶に残っていた。


顔立ちや名前にそぐわ無い、良い声だなと。


ライブ後、偶然話す時間が出来た。


席が隣になり、ドリンクを片手に歌についてや、売れる事について話した。


それから後暫くしてから、彼女の歌のレッスンをする事になった。


歌のレッスンと言っても、私のレッスンは演出からみた歌唱指導。


見えているダメな所を結構はっきり伝えた。


ショックを受けているらしかったが、やる気は感じられた。


ただ、2ヶ月ぐらいレッスンを続けて、彼女は私から離れた。


連絡が来なくなった。


理由は聞いてないが、私とは合わないと感じたんだろう。


よくある事なので、私はたいして気にも留めなかった。

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