私は、動かされた ~依祈縁 サイドストーリー ~

@tv_gandhi

第1章 『終わり』

暫くぶりの彼女は、疲弊し混乱していた。


続けていた定期配信に潰されそうになっていた。


喉も壊し、体調もかなり悪い状態で「これが歌活動を続ける上で本当に必要なのか?」と悩み、全てに於いて限界に来ていたのだ。


そう。


配信を辞めるように言ったのは、私だ。


それが最も良い選択肢だったと私は思っている。


あのままゆかりが配信を続けていても、終わりは見えていた。


その終わりは「歌を続けられない」という、


ゆかり自身が最も悲しむバッドエンドだった。


配信は、それぐらい彼女にとって、限界の活動だった。


少なくとも、私にはそう見えていた。


ただ、本人はその事を周りに伝えていない。


それは、配信に来てくれている人や、ゆかりの歌を愛してくれる人を悲しませたくはないと本人が考えていたからだ。


でも、その考えが更に本人を追い込んでいたとも言える。


私は、良いタイミングでゆかりと話す機会があり、彼女の負のスパイラルを止めた。


いや、辞めさせたのだ。


大事な未来のために。

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