通学の電車を目的地で降りず、終点まで行くところ、意外と終点の駅が大きいと感じるところ、とかすごく好きです。描写がとても繊細で、観察力が半端でないですね。実際に絵を描かれる方なのかなと想像しました。こういう心の動きと重なる描写は大切だと思いながらも自分にないものなので、本当に憧れます。
大人になる時期に、世界は広いんだと鮮烈に感じる出来事があったので、このお話にとても共感できました。大人になってからもそういう鮮烈な風景には何度か巡り合いましたが。
人間関係は、残念ですけど人生の節目節目で変わりますね。でも短くても共有できた時間は永遠だと思っています。
素敵なお話をありがとうございました。
こんばんは、藤石かけすさん。
ヤチヨリコです。
今は初夏ですが、作品のなかでは「残暑」の季節ですね。
主人公・ひなの心に残る葛藤が、段々と秋めいていくなかで、季節の移り変わりとともに、徐々に晴れていくように感じられてます。
作中が「残暑」の季節であることは、作品の世界観をより美しくしているように感じられて、とても素敵だと思います。
私は、本作を読んで、ひなの気持ちにも、ミヤの気持ちにも、共感する部分があるな、と思いました。
ひなのように、人に褒めてもらったり、認めてもらったりすることで、その人に褒めてもらうこと、認めてもらうことが、自分の絶対的な価値基準になってしまったという経験をしたことがあります。
他者を価値基準をしていると、自分が自分でない感覚に陥ることがあって、自分がどうしたいのか、自分がなにが好きだったのか、わからなくなってしまう。そんな経験は誰しもあるのではないでしょうか。
ミヤのように、学生時代の友人と連絡を断ってしまった経験もあります。連絡先は交換しているけれど、進学や就職などで段々と接点が薄れて、結局、疎遠になっていく。
学生時代は学校や友達同士の世界が自分の世界のように感じますが、一度その世界を離れると、そうでないことに気づく。
本作は、主人公の心の葛藤や変化がとても綺麗に描かれていました。
『青彩』というタイトルも、主人公の青い心(思春期の未成熟な心)が、心理的葛藤を経て、心理的成長を遂げ、生彩を得ていくさまを、とても的確に表現した秀逸なタイトルだと思います。
素敵な作品をありがとうございました。
展開が良いですね!お互い、創作がんばりましょう✨