好文木に春告鳥

磐長怜(いわなが れい)

 

薄氷を踏むような毎日ではおのれを見失って当然

しかしその顔色、曇天どんてんもかくやというひどさ

視点を変えればこの世は贅沢三昧ぜいたくざんまい


好文木のつかいがしらせます

五感が鈍っていませんか

人には春告鳥はるつげどりとも呼ばれます


本紅ほんべに 裏紅うらべに 移りしろ

薄くふるえる 色 かおり

今が盛りでございます


絢爛けんらんに魅せる名勝めいしょうより

庭先の一輪 琴線きんせんにふれる

ままあること


雪解けの季節が咲く

私はあなたに春を告げよう

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

好文木に春告鳥 磐長怜(いわなが れい) @syouhenya

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ