第3話 睡眠対策

 これは前述の、くみ上げた自転車でのテスト走行にて睡眠状況も少しだけ良くなっていた。とはいえ、睡眠導入剤無しで夜眠れる事は稀であり、眠れない日々の合間でやりくりしていた。


それが治った決定的な日は、自転車を担いでアフリカに行ったその日の夜に、ヨハネスブルクにて半年ぶりに夜しっかりと眠れた時である。その翌日も時差ぼけを取る為に一日寝たが、その後の四か月間のアフリカ生活では久方ぶりの朝起きて、夜眠る生活となった。


と、いう事で眠れん奴はアフリカ行ってこい、では全く役に立たないので私個人の研究も兼ねて対策を記す。


まず前提条件として私は眠るのが下手である。もともと夜更かし気味で、授業中よく居眠りをし、社会人でも人事部長の前で居眠りをして変な部署に飛ばされた事もある。


更にその上、南米にて夜襲を三度経験した為、ちょっとしたPTSDのような物も持ってしまった。その為に夜中に光る物や、音が聞こえると眠りづらい。


かつての野盗に向けられたライトや、野犬の足音を思い出すからだろう。この点から一般的な人よりも睡眠の難度が高い。


実際の所、旅を終えた日本において、睡眠関係は特定条件でしか安定していない。それは、


「十キロほど自転車で通勤して仕事をする」


である。これは朝起きて体を動かすという周期性と、仕事帰りに自転車を漕いでストレス発散してすっきりさせているといった環境だ。


通勤時間は短い方が良いというが、私の生活においては結局家に早く戻ってもだらだらするだけである。


それなら自転車漕いでた方が幾分かマシという所もあった。そしてこの周期性と毎日の運動は昨今の生活習慣病の話からもまあ推奨される内容だろう。


ただ、ここで重要なのは周期性と同時に、ストレスによって眠れないという日が出てくるという点だ。この対策はそれを仕事後の走行にて対処しているのだが、この構造が睡眠、そしてストレスに対しての肝となる。


この点を分解し、何が重要な要素なのかをまとめると長くなるため次に記す。

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