第2話 胃腸機能復旧
とにもかくにも、まずここであった。
「まだ食べれるなら大丈夫ですよ。」
という言葉もある通り、食べれなくなったこの時は限界通り過ぎてしまってもう駄目である。
ここで精神、肉体の限界点の個人的判断基準であるが、
もう無理だ!と憤るならば限界点まで三分の二
明らかにまずい状況なのに、大丈夫、まだ大丈夫とうわ言を言っていると残り三分の一
反応が鈍く、様子、挙動がおかしい状態は限界点付近
である。なのでもう無理!と怒ったりしている時はまだ結構余裕がある。だがこの段階でなるべく引き返そう。引き返すにも余力が必要なのだから。
なお、限界点を越えた先は気絶、幻覚、発狂の類である。ただこれは、私自身が仕事以外の事で頑張りすぎて限界点を越えた事がある為に、仕事でも限界まで踏み越えやすくなってしまっていたようだ。普通なら耐え難く三分の一以下まで行く事はそう無いだろう。
食事が出来なければ脂肪よりも先に筋肉がエネルギーとして分解されて、体が動かなくなっていく。
動けなくなれば恐らく私に抗う術は無くなる、早急に食べる必要があった。しかし、消化が出来ずに吐くか下すかの今、口に入れても意味がない。
暫定対策として胃腸薬を飲み強制的に消化させていた。だが恒久的な対処としては適格ではないだろう。何より胃腸薬で無理矢理動かしているから、余計に機能停止しているという予想も存在した。
いくつかの動作を僅かな抵抗として行い続けた結果、少しづつだが食べれるようになった。そしてその動作は先述通り自転車であった。辛うじて調子がいいときに自転車に乗っていると胃がちゃんと動くのだ。
このとき私は退職後に新たな自転車を自身で組み上げていた。世界中を自転車で走るという夢に縋っていたからだ。
そしてそれのテストで走っていると、三十分ほどでいきなりげっぷが出る。それがどうも胃腸機能が一時的に回復した反応のようで、それを積極的に繰り返していくと徐々に物が食べれるようになっていった。
この要因は恐らく血流だろう。高い精神的ストレスにより胃腸機能が停止していたが、足という大きな筋肉を動かす事で心臓と共に血が巡り、胃腸にも血が入って機能が一時的に回復したという予想である。
またこの胃腸機能停止については数少ない傷跡となっており、一時的に高いストレスに曝されると再発する様になってしまっている。
過去に発生した条件として、出張が続く、異常に不満の募る仕事が続く等にて、腹を下すまではいかずとも食後にて異常に腹が膨れている状況が発生した。どうも胃腸の動作が鈍り、消化時のガスと呼気が処理されず腹が膨れるようだ。
そしてその場合の対処法もやはり運動である。ただ出張先では自転車がない。その時はスクワットと腹筋を二十回づつ行うと、自転車に乗るのと近しい回復を確認できた。
またこれ以外にランニングも試した事があるが、消化機能においては筋トレ等の無酸素運動の方が効果が高い様だった。
何より私は足で走るのが下手であり、すぐに足を痛めるので続かない事が多い。自転車を漕ぎ出したのもそれが理由であり、足を壊しにくい為に続ける事が出来ている。
また私のように機能停止の癖がなくても、機能が鈍り始めている場合や加齢による機能低下も予想される。その場合は同様に食後の運動での対処が私が提案できるベストだろう。
バイクのエンジンの様に運動後げっぷが出始めてすっきりするのであれば、知らず知らずに消化機能が低下している可能性が高い。
インドではげっぷをするのが食後のマナーという事らしいが、それは健康にも意味がある、意外と正しい事なのかもしれない。
また鬱とは言わずとも、気落ちがする、やる気が出ないなどの状態の時も、消化がうまくできなくて、知らず知らずに栄養不足から精神に負担がかかっているというパターンも過去あった。
その為気の持ちようも体から来る事は結構ある。痛くも苦しくもないけれど、気持ちだけはなんかおかしいという時だ。
特にタンパク質が足りてない時はこの状況になりやすい。タンパク質は意外と消化器に負担が来る為に、機能が落ちてるとうまく取り込めないのか気落ちがする。
ただ漠然とプロテイン等でタンパク質を取りまくると、今度はそれが原因で調子が狂う事もあった。
昨今とりあえずタンパク質と色々な物に添加されているが、摂りすぎも危険である。自分の運動量と性別に合わせて取る量は決まっているので、そちらを確認して用量はちゃんと守ろう。
以上の経験から食後の運動は個人的におすすめだ。なお時間は食後三十分ほど見ており、一時間以上後でもやる意義はある。
まとめると、
胃腸機能低下には食後の運動(筋トレ)
食後にお腹が大きく膨れているなら、やった方がよいかも?
動き続ける運動ではなく筋トレが良い。大きな足の筋肉と、消化器周りの腹筋がおすすめ。
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