第32話 「絶対に真っ直ぐ行くのです!」

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『そう。下界への道の地図です!』


 そう言うと、メガミさまは地図ってヤツをオレに見せながら説明をしてくれた。


『この家を出まして、それから左にまーーーすぐ。それから、次に右にまーーーーすぐ。それこら、それから……』


『ふむふむ。ふむふむ』


 オレはメガミさまからゲカイへの行き方を教わった。

 それから、メガミさまと一緒におばあちゃんたちにお別れを伝えた………おばあちゃん泣いてたな。『頑張るんだよ。可愛い赤ちゃんになるんだよ』って言ってくれた。ルナ姐もニャンニャンといつもの訳の分からないミャーミャーじゃない優しい鳴き方でオレを見送ってくれた。おじいちゃんの最後の抱っこも暖かくて気持ち良かった。


 ……で、オレは一人でゲカイへの道を歩き始めたんだけど。


「あっ!!!!!!」


 うまうまって喰ってた肉がオレの口からこぼれた。


「そうだ……そうだった……メガミさまから『下界への道の最後には三本の道があります。ここを真っ直ぐ行くのです! 左に行ってはダメ。こちらはです。右もダメです。こちらはです。生まれ変わるためにはに真っ直ぐ行くのです!』って言われてたのに……オレ………クンクン、クンクン、下向いて歩いてたら、もしかして右の道に行っちゃったのかも!」


 オレは口から落ちた肉をもう一度口に含むと、その時の事を思い出そうと頭を捻った。


「んぅ? ……どうだったけ? 三本の道の先には白いモヤモヤした煙みたいのがあったんだよな。そうだ。三本の道の"道と道の間"も白くモヤモヤしてた。雲みたいな感じ。………で、道を間違えちゃいけないから、足下を見ながら歩いてたら………あぁ、そうだ……思い出した。気付いたらオレは、右の道に行っちゃってたんだ! 多分、生きていた時に『クルマが来るから』ってママに言われていつも右側を歩かされていたから癖が付いてたんだ。でも、確か右の道の先にある白いモヤモヤの前でオレは気付いたぞ。『ヤバイ間違えた!』って……それから、あっ! 道の間を突っ切って真ん中の道に行こうとしたんだ……で、それから、それから……』

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