第22話 「お腹が……痛い……」

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「ちょっと……ちょっと言うこと聞きなさい!」



 ラッピーは家を出た瞬間にリードを口で噛んで一気に走り出した。

 それも物凄い力で。

 私はラッピーの勢いに圧されて足がもつれて何度も転びそうになってしまった。


 しかも走ってたかと思ったら、電柱を見つけると急ブレーキかけたみたいに止まって、ものすごいマイペース……

 それに何回オシッコするの?

 ラッピーのオシッコは無限なの?


「ハァ……ハァ……ハァ……ちょっと、ちょっと休もうよラッピー」


 ラッピーは道行く道の電柱にオシッコをかけまくると、近くを通った公園に当たり前のように入っていった。

 しかも全速力で。

 そんなに急ぐ必要ある?

 ゆっくり行かない?

 てか……苦しいよ……


「ハァ……ハァ……ちょっと、ちょっと……待ってって」


 いきなり走ったからか息が上手く出来ない。お腹も痛い。

 私は公園を走ろうとするラッピーを無理矢理止めて、入り口の近くにあったベンチに座った。


 ラッピーが不思議そうな顔をしてこっちを見てる。

「ごめん……ちょっと待ってね……ちょっと、ちょっとだけ……」


 おかしいな。

 急に走ったからにしては苦しすぎる。

 気持ち悪い……吐き気する……


 うぅ……お腹が……痛い……

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