第11話 「うにゃぁぁぁ~~~! やっぱヤダ! やっぱヤダ! やっぱヤダってぇ!!!」
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「それじゃ、行ってくるぜ!」
「んにゃ?」
サトシがオレの頭を撫でた。
オレは昼飯の後に水を飲んでて、
「行ってくる……? んぁ! また散歩か! さっき行っただろ? もっかいかぁ?」
とウキウキして顔を上げたんだ。
でも、返ってきたのはオレの大嫌いな言葉だった。
「留守番、留守番な! 分かるか?」
「はぁ……」
オレは一気に力が抜けた。
分かるよ。分かりますよ。
『孤独になれ』……ということ事だろ。
はいはい、オレはロンリーウルフ
孤独な一匹狼……
上等さ、なってやりますよ一匹狼に
オレ独りでも生きてや……
「うにゃぁぁぁ~~~! やっぱヤダ! やっぱヤダ! やっぱヤダってぇ!!!」
オレはプライドを捨ててサトシにすがりついた。
「ダメだよ。留守番だって、ほら出来んだろ?」
サトシはそんなオレを引き離す。
うるせぇ! 薄情者! 馬鹿野郎! おち○こちっせっ!
「もう少しでハルカが帰ってくるから! ほら、じゃあな!」
そうアイツは言い残して足早に外に飛び出して行った。
独り残されたオレ……
サトシ達が『留守番』って言う時は、『買い物』の時と違ってすぐには帰ってこない。
長い時間オレ独りにさせられる。
サトシの一人の散歩とも違うのも分かってる。
それから暫くの間の記憶はない。
なんでだろ?
大暴れして、水飲んで、飯探して、おしっこして……
それから……
それから………
あ! そうか!
気付いたらオレ寝てた。
でもでも、ガチャって音で目が覚めたんだ。
ルンルン気分で迎えに行ったさ
「サトシかな? いや、それともママかな? あ、そう言えばまだママに会ってない。どこっ行ったんだ? どこどこママ?」
とか、何とか、考えながらルンルン気分で迎えに行ったら…………違かった。
まただよ。またまただよ。
この前と一緒。
家に入ってきたのはハルカだった
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