第5話「 俺、そんなプレゼント貰うような事したか?」
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俺はラッピーと再会すると今起きている事が不思議な事だなんて考えなくなった。
きっとこれは神様が俺にくれたプレゼントなんだ。
って言っても「俺、そんなプレゼント貰うような事したか?」って感じだけど。
でも良いんだ!
これで良いんだ!!
毎日、毎日、俺は「ラッピーに会いたい!」って想い続けていたんだから。
俺は布団から飛び出るとすぐに家の近所のスーパーへと向かった。
本当は散歩がてらラッピーと一緒に行きたかったけど、アイツは"待てない男"だからな。
「オレを捨てる気かぁ!」
ってギャンギャン吠えまくって、お店の前のガードレールに繋がれているのにもかかわらず、店に向かって突進しようとするから、半首吊り状態になってる。
そんなのと買い物にはいけない。
お目当ての商品はすぐに見つかった。
『元気なラピィー』
だ。
生きてた頃のラッピーにはいつもこれを食べさせてた。
子供の頃からずっと。
もしかしたら母はこの『元気なラピィー』から『ラッピー』って名付けたのかも。
ま、母は不思議な人だからな何を考えてるのか分からないところがある。
ラピィーもラッピーも全然関係ないのかも知れない。
『元気なラピィー』を購入すると、俺は自転車に股がり家まで急いだ。
時刻はそろそろ13時、おっと……
「さっき起きたばかりでもうそんな時間か?」と思わないでくれ、俺の仕事は遅番が多くていつも帰宅するのは深夜の0時、休みの日くらいゆっくりしたくて昼まで寝てたんだ。
明日も休みだし!
って事で、
そろそろ彼女が家に帰ってくる。
その前に俺は家に帰らなきゃならない。
ラッピーの姿を見て驚かれる前に。
俺から何度もラッピーの話を聞いているから、彼女もラッピーの事を知っている。
だからこそ驚くだろう。
だって彼女にとってはラッピーは死んでいるんだ。
お化けだと思って腰を抜かしてしまうかもしれない。
とにかく急ごう!
と俺は自転車を走らせた。
ラッピーと出会うより前に、先に俺から説明を受ければ、彼女も驚く事無く今日起こった不思議な出来事を理解してくれるかもしれない。
あぁ~それにしても、いつもよりも風が気持ちいい!
そりゃそうさ!なんてったってラッピーが帰ってきたんだぜ!
俺の頬を触る風も祝福してるみたいだ!
きっと彼女もラッピーを受け入れてくれる。
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