第4話 「死ん……だ……」
4
「死ん……だ……」
オレはポカーンで首を傾げた。
でも……暫くすると、思い出したんだ。
そうだった……
「そうだった…」と。
オレは死んだ。
何日も何日も苦しかった日々があの日終わった。
最後の日もずっと苦しかった、最後の瞬間まで。
最後の瞬間に、恐怖の叫びなのか嘆きなのか、なんだか分からないけど、大きな声で吠えてしまったのを覚えてる。
吠えた途端に体から痛みがスーっと消えて、楽になった。
そしてオレはみんなの事を見下ろしながら空高く飛んでいったんだ。
高いところ嫌いだけど、そのときは怖くなかったな。
それから大きな大きな河を渡った。
そうだ! その先にグランマがいた!
そうだ! そうだ! 思い出した、オレは今までずっとグランマと一緒にいた。
ルナ
オレが子供の頃までグランマと住んでた姐さん。
怖い怖い姐さん。
ミャーミャー鳴く姐さんだ。
なんでルナ姐はミャーミャー鳴くんだろ?
未だに不思議だ。
ワンっ! の方が格好良いのに……
オレも真似してみたけどミャーミャーは無理だったな。
あとあと、グランパって呼ばれてるおじいさんもいた。
優しいおじいさん。
向こうで初めて会ったのにオレの事知っててくれてた。
それからそれから……アレ?
どうなったんだっけ?
思い出せない。
グランマと姐さんとグランパと、河があって草がいっぱい生えてる静かな場所で暮らしていて……
アレ? なんでオレはまたサトシと一緒にいるんだ?
なぁ……サトシ教えてくれよ
あ! うわっ! 急に「ギュッ」ってするなって!
なぁ、教えてくれ、教えてくれよ!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます