第4話 「死ん……だ……」

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「死ん……だ……」


 オレはポカーンで首を傾げた。


 でも……暫くすると、思い出したんだ。

 そうだった……

「そうだった…」と。


 オレは死んだ。


 何日も何日も苦しかった日々があの日終わった。

 最後の日もずっと苦しかった、最後の瞬間まで。

 最後の瞬間に、恐怖の叫びなのか嘆きなのか、なんだか分からないけど、大きな声で吠えてしまったのを覚えてる。


 吠えた途端に体から痛みがスーっと消えて、楽になった。

 そしてオレはみんなの事を見下ろしながら空高く飛んでいったんだ。

 高いところ嫌いだけど、そのときは怖くなかったな。


 それから大きな大きな河を渡った。


 そうだ! その先にグランマがいた!

 そうだ! そうだ! 思い出した、オレは今までずっとグランマと一緒にいた。

 ルナねぇもいたな!

 オレが子供の頃までグランマと住んでた姐さん。

 怖い怖い姐さん。

 ミャーミャー鳴く姐さんだ。

 なんでルナ姐はミャーミャー鳴くんだろ?

 未だに不思議だ。

 ワンっ! の方が格好良いのに……

 オレも真似してみたけどミャーミャーは無理だったな。

 あとあと、グランパって呼ばれてるおじいさんもいた。

 優しいおじいさん。

 向こうで初めて会ったのにオレの事知っててくれてた。


 それからそれから……アレ?

 どうなったんだっけ?

 思い出せない。


 グランマと姐さんとグランパと、河があって草がいっぱい生えてる静かな場所で暮らしていて……

 アレ? なんでオレはまたサトシと一緒にいるんだ?


 なぁ……サトシ教えてくれよ


 あ! うわっ! 急に「ギュッ」ってするなって!

 なぁ、教えてくれ、教えてくれよ!

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