第60話 vsウネリツノ&悪夢クラーケン
チハイザメ、クロツバサは行動範囲が縛られている。しかし、ウネリツノは違う。
彼は今日も海を荒らしまわっている…
「これは流石にダメだろ…」
まだ悪夢クラーケンの方も残っているというのに、どういうわけかウネリツノまで参入してきた。クソが、コラボランニュウとでも言うつもりか!?
「dampdmdtd」
ウネリツノが俺たちと…悪夢クラーケンを睨みつけている。どうやらウネリツノと悪夢クラーケンは友好的な関係ではなさそうで安心した。
てっきりウネリツノと悪夢クラーケンの二人がかりで俺たちを集団リンチしてくるもんだと思ってたが…いやまあ数ではこっちの方が勝ってるけどさ。
あと関係ないが、クロツバサとチハイザメは不気味でおどろおどろしかったけれどウネリツノはかなりカッコいい。姿形はまんまイッカクだ。目は黄色で身体は黒色…昆虫の殻のようなもので覆われている。その殻は、まるでワックスでもかけられてるんじゃないかと思えるほどピカピカしている。
「ァああ」
そんなことを考えていたら悪夢クラーケンが攻撃を仕掛けてきた!触手を伸ばし、俺を拘束しようとする……だが。
「だいぶ動きも落ちとるねぇ!!」
「ザァ」
クロムのとてつもない破壊力を持つ体当たりを二回もくらったのだ。満身創痍…とまでは行かないが、もう身体はボロボロだろう。もう一回クロムの体当たりを当てたら絶対に倒せる…が。
「dgwumdpj」
「あばば、渦潮!?」
悪夢クラーケンにとどめを刺そうにもウネリツノが邪魔をしてきて全くできない!なんとか俺は渦潮を避けれたがティルとドラクイに直撃してしまった…!
「ええい、再召…む?」
今更気づいたのだが…あのイカ、なんで渦潮を無抵抗で受けてるの?いや、渦潮だけではない。ウネリツノの攻撃全てを全く避けるそぶりがなく、ただ俺たちだけを狙っている。
「ゴシャ」
「ね、ねぇ。あれって」
サフンも気づいたのか俺にそう声をかけてきた。ウネリツノとイカは共闘関係…ってわけでもないだろうし、なんなんだあれは?まるで、相手が悪夢種の自分より上位の存在だとわかってるかのような…
「ちょっと!はやくしろですわがばばば」
あ、まずい。
「一旦戻して…ここにこうだ!大丈夫か二人とも」
「さっき目が回って吐きましたわ」
「大丈夫そうだな」
とりあえず、ウネリツノと悪夢クラーケンを二体同時に相手するのは絶対に無理だ。一体、減らさなければならない。ウネリツノは絶対に無理だから、イカの方を倒さなければ。
「クロムに体当たりさせなくても、ウネリツノのあの長い角で一刺ししたら倒せるんじゃないかしら!?」
それだ。だが…
「ウネリツノにもある程度ダメージは貰ってもらわないと困る!どうにかして悪夢クラーケンの攻撃を1発くらわせておきたい!」
悪夢クラーケンとウネリツノの連戦は流石に無理だ。こちらが100%の状態ならまだしも、悪夢クラーケンとの戦闘によりかなり傷ついている。ウネリツノの方にもハンデがないと!ちょっとこれはむり!
「悪夢クラーケンの攻撃力はかなり上澄み!あれをどうにかしてウネリツノに当てたらまあまあいいダメージになるだろう!」
「でもどうやって当てるつもりですの?ありゃだいぶ骨が折れると思いますわよ」
当然の疑問だ。ぶっちゃけ、相当リスクはあると思うが今の疲れ切った脳ではこの作戦が限界…
「俺とリゲルでウネリツノをクラーケンの前に誘導してそこで殺し合いをさせようと思う。他の仲間は退避させて」
「ザァ!?」
驚きすぎてリゲルがむせた…!
「それは大丈夫ですの?…多分、死にますわよ?」
いつもおちゃらけているティルが本気で心配するレベルの無謀な行為。だが、リゲルじゃないとダメなのだ。もっとも…サルヴァントやティル、ドラクイたちにウネリツノを足止めさせてクロムの体当たりをクラーケンに当てるのが最も成功率が高いのだが、それではウネリツノの処理が困難を極める。
リスクはあるが、この状況を切り抜けるにはこれしかない!
「ウネリツノよりも遊泳速度が少しだけ速くてかつあの長い角の攻撃を避けれる。そして誘導が終わったら離脱も早急にできる。この条件を満たしてるのはリゲルしかいないんだよー頼む」
「ザァ…」
水中のときのファラク並に元気がなくなってしまったが、なんとか了承してくれた。気休め程度ではあるがサフンに様々なバフをかけてもらった。本当にただの気休めだが…
「おいそこの…くねくねならぬウネウネ!ドライブ付き合えや」
「ザァーーッ!」
足止めしてくれていたサルヴァントたちを杖の中に戻し、俺はリゲルと共にウネリツノの真正面へ急接近した!チンピラみたいな挑発をしたらすぐにウネリツノが食いついた!
「dpdmgdpmgd」
「なーにがウネリツノだバーカ!こっちの方がウネウネしとるわ!」
こんな大口叩いているが、内心はビビり散らかしている。おしっこも漏らした。
「dpmgmddgwd」
ウネリツノは自慢の角で串刺しにしようとする…だがリゲルには当たらない。その原因はリゲルの泳ぎ方にある。
「最初は泳ぐの速いけど酔うからウネウネするのやめてほしいなと思ったけどまさかここで活躍するとは…!」
「ザァ」
リゲルは左右にウネウネしながら泳ぐ。射程こそ長いが、直線にしか攻撃できないウネリツノにとって相性は最悪なのだ。
「まあ渦潮攻撃とかしてきたらやばいんだけどな!」
もしくはクロツバサのときと同じように隠している技がまだあるのかもしれない。だがウネリツノを僅かに上回る速度で泳いでいるからか、そんなことをするそぶりは見えない。こっちがぶっちぎりで速かったら間違いなく渦潮攻撃はしてきただろう。
「ァあアアァ」
「来るぞリゲル!」
「ザァ」
いつ渦潮を放ってくるかヒヤヒヤしながらもなんとか悪夢クラーケンの前までウネリツノを誘導できた。悪夢クラーケンが俺たち目掛けて必殺の一撃を叩き込む…
「ザァー!!」
リゲルは急カーブしてなんとかそれを避けた!小柄なワニだからこそ為せる技だ。反対に、大きく恐ろしい怪物は…
「dpmgwjmpd」
その一撃を避け切れずくらってしまった!
「ァアあ」
手ごたえあった、とばかりにクラーケンはニヤリと笑う。追撃とでもいうつもりか、獲物を触手で締め殺そうと…
「dpmpapwgdpwd」
悪夢クラーケンの攻撃がとてつもなく痛かったのか、ウネリツノは怒り狂う。まず自慢の角で触手を削ぎ落とし、自慢の角で悪夢クラーケンの濁った赤い目を貫き、胴体を食い散らかし始めた。
「なんというか…あれが三怪物なのね。怖いわ…」
「ゴシャ」
遠巻きにその様子を見ていたサフンとアオは悪夢クラーケンが抵抗すらせず少しずつ命を削られていく様子を見て戦慄した。
「まあ…あれは見なかったことにするとしてだな。かなり大ダメージ受けてるっぽくて助かった」
よく見るとウネリツノの装甲が少しひび割れている。あの怒り具合を見るに、相当痛かったようだ。
「これでこっちが有利に!…とかじゃなくて、ようやくスタートダッシュに追いついたってだけなんだよな」
安心するにはまだ早すぎる。ここからが本番なのだから…
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