第20話
「毎日作るとか、バカなの?」
普通にななしんさんに怒られた。
まあ、そうだよな。毎日作ったら逆に客がパンのペースについていけない気がする。
一週間に一個ほど作ることにしておこう。
すると、メンバーの一人がとある提案をした。
「パンのつかみ取り、どうですか?」
「え、それってパンつぶれない?」
「規格外のパンとか、小さくなったパンって少なくともあるじゃないですか。そういうのを置いておき、手袋をして詰めれるだけ詰めれるようにする。注意書きに、つぶれても責任は負いませんって書いておけば完璧ですよ」
やるなぁ、こいつ。
確かに、パンのつかみ取りはあまり聞いたことがない。
もちろん、パンがつぶれるからだろうけど。
でも、パンがつぶれること前提でつかみ取りをしても人気でるかな?
「なら、つかみ取りよりお楽しみ袋はどう?ランダムに、店主がパンを数個選んで袋に入れる。それを規格外のやつにすれば、つかみ取りにしなくても盛り上がるはずですよ。」
確かにそれもいいなぁ。でも少し無難すぎるかなぁ。
「なら、二つ同時にやるのはどう?結局、客の自己責任ってことにすればいいじゃん。ま、この店に来る客は見た目じゃなくて"味"が気に入ってるから来てるんだ。つぶれようが、期待外れだろうが、きっと気に入ってくれるよ」
そうだった。
俺も大切なことを忘れていた。結局は味なんだ。俺の店がここまで伸びているのは、見た目じゃない。ダンジョン産の食材を使った"味"がこの店をここまで伸ばしたんだ。
それを忘れてはいけない。
「よし、決めた。つかみどりとお楽しみ袋はやるとして、もっと味にこだわろう!」
そうして、俺は作業部屋に戻った。
「次はどんなパンを作ろうかな、、、」
俺は、いつも通りパンの種類を考えていた。
そうしていたら、どこからともなく現れた宏がこういった。
「アンパン、食パン、カレーパン食いたい」
「宏どっからきたんや、あと某鼻が三つあるパンの歌うたうな」
宏、食いしん坊なのはいいがいきなり言わないでくれ、、、、って。
「それや。アンパンや。アンパンの存在を忘れてた」
「フレンチトーストも食いたいなー、なんてね。あれはいいぞぉ、腹を満タンに満たす。あれは人を破壊する食べ物だ。そこに奮闘を書けたらあら不思議、まるで食べる核爆弾だ」
「宏、ちょっと黙ろうか。でも、フレンチトーストのうまさは認める。あれは勝てない」
ということで、アンパンとフレンチトーストを作ることにした。
まず、あんパンだ。
「アンパンをさ、葉っぱに包んで桜餅風にしてみたら?パンの色はもちろん桜色で」
よほどアンパンが食いたいのか、宏がどんどんアイデアをくれる。
でも、確かにいい案だな。味が一番重要だけど、見た目もよくしたいのは確か。
「桜餅風パン」を作ることにするか。
そのためには、小豆を取らないといけないのだが、、、
「ダンジョン産の小豆っていったら、札幌ダンジョンにしかないんだよなぁ、上質なのは、、、」
どうやら、俺は遠征をしないといけないようだ。
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受験受かりました!裁量枠で!
応援してくれた皆さん、ありがとうございました!
パンのリクエストもたくさんありがとうございます!
これから少しずつ取り入れます!
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