第21話

宏の無茶ぶりから俺の北海道延性が決まった次の日。


店は言い出しっぺの宏に任せることにした。まあ、あいつは頭いいし。なんとかやっていけるだろう。


とりあえず適当に準備して、地下鉄に乗った。

実は、魔力がある便利な時代だけど、素早い移動手段はそんなにない。

あるにはあるけど、自分でやる分にはコストが高すぎるし、公共魔力機関だとクッソ高くなる。


だから、魔力列車という公共魔力機関の最安移動手段を使う。

こいつは魔力を使った電車だ。ただ、消費量が少ないため普通の新幹線とそこまで変わらない。

まあ、お金はパン屋を経営しているおかげでそこそこあるのだが、節約ってことで。

景色も見たいからね。


そうして、列車に乗り込んだ。おそらく3~4時間ぐらいでつくだろう。


「おい。修やばいぞ!店が炎上してる!」


列車に乗って少しゆっくりしようと思ったら、急に宏から電話がかかってきた。


「どういうこと?」


「パンに異物が含まれてるとかでクッソ叩いてるやつがいる。半分の人たちは修のパン屋がそんなことするはずないって思ってる。でももう半分が面倒くさくて、本当に信じてる人もいたり、急に成長したパン屋にイラついて叩いてるやつもいる。」


「あー、めちゃだるいね。でも被害は少ないでしょ」


「それがねぇ。ただのネットの炎上なのに、政府が食いついてるんよ。多分グルだな。あと、その炎上を起こしたやつがさ。どうやら、美香らしい。言動でわかったわ」


なんか前急に店に来て、勝手に宣戦布告した美香がやったらしい。

あいつならやりかねないな。ちなみに、宏はもちろん彼女のことを知っている。


せっかく小豆を獲ろうと札幌ダンジョンに向かってたのに、、、

少ししょんぼりしながら、俺は宏にあることを伝えた。

もう俺は炎上の火消しをする暇がない。てか面倒臭い。

宏も俺の作戦に承諾してくれたみたいなので、電話を切った。


「はぁ~。なろう系とかもよくあるけど、やっぱそうなるよね~。俺TUEEE系って、必ず大きな課題に直面することがある。結構面倒くさいんだな、こういうのって」


そう、あらためて実感したのだった。


そんなハプニングがありながらも、あっという間に4時間が過ぎ、北海道についた。

魔力列車のいいところは、本州から北海道まで一本でいける。それだけ。


「寒っ。こんなところにあるダンジョンとか、絶対むずいだろ」


北海道に来て一言目が「寒っ」。それもそのはず、今の北海道は寒い。寒すぎるのだ。


札幌ダンジョンにブリザードウルフが大量発生して、そのせいで気温が-30度。

なので、北海道に来る際はワームボア製の服を着ないといけない。

適当に準備したけど、これぐらいはさすがに持ってきている。

ちなみに、そのブリザードウルフも獲ってくるつもりだ。こいつの肉が意外とうまくて、何かのパンに使えそうと思ったから。


あと、フローズンチキンも探さないと。

正直、こいつの肉はまずい。目当ては卵だ。

北海道は、ダンジョンができる前後も変わらず、食材がうまい。

一応料理人の俺にとって、北海道は第二の家のようなものだ。


そして、ダンジョンの中へと入った。


そしてすぐ出た。


「まてまてまて。ブリザードウルフがあふれるほどいるんだが、、、」


なんか大量発生していた。

急いで検索してみたが、二日前から異常なほどブリザードウルフが増えたらしい。

なにか黒幕がいる。そうでないとこんなことは起こらない。


「でも俺パン屋だし。戦闘そんな得意じゃないし。別にいいや」


何か忘れられてそうだが。

俺はパン屋。ダンジョンベーカリーの店主だ。

そんなよくわからない異変に対処する人間ではない。

俺は店でパンを作ってるだけでいい。ダンジョンは俺から見たら農場だ。


だけど、このまま帰ったら何も収穫がない。

宏の注文にこたえられない。

あいつは俺のことをたくさん助けてくれたからなぁ、、、


「できるだけやってみるか。そのかわり、食材はがっぽりと獲っていくけどな」


---

入学式を終えました。

少し心配です。何とか学校になじめるように頑張ります。

ぶっちゃけ、最近更新できてなかったのは課題を放置してたのと、燃え尽きてたからです。

でもせっかく読んでくれる人がいるので、また毎日投稿ができるように頑張ります!

ほかの作品も今ストックをためてます!

中学校時代に病みすぎてた俺を助けてくれたのは100%カクヨムだったので!!

以上!

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ダンジョンでパン焼いて世界一目指します。~ダンジョンベーカリー、始めました~ ラ主(燃え尽き) @Doorstep

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