第3話

特級料理スキル。名前がすごそうでよく見たら全然すごくないスキルだ。

一見すると料理が超絶上手くなるスキル。うん、普通の人でも練習をひたすらすればできる。


ただ、実は料理スキルはこれだけではないのだ。

上級料理スキルでしかできない加工、料理スキルを持つ人が料理をするとその料理に効果が付くなど、、、

実は知られていない料理スキルのすごさがあるのだ。

なんで俺が知ってるかって?俺がこれを発見したから。だから誰も知らない。


話を戻そう。

特級だから、ダンジョン産のものを超絶上手く加工できる。

一般に出回ってる超絶高級品と同じくらいの品質だ。

「うまっ!」

どうやら、お客さんもパンの味を見て納得したようだ。

「この店、みんなに知らせてもいいですか?」

「喜んで!」

そして、数時間後。

ちらほらと客が見え始めた。

こんな小さな、人もそんなにいない店でも文句を言う人は誰もいない。

皆、パンの味に納得しているからだ。

俺の店のパンは、ダンジョン産のものを使っているのを売りにしている。

ほかの店でも、ダンジョン産のものを使った店なんて見たことない。

そんな珍しい店だから、翌日には開店前に数人待機する人が現れた。

「よし、やっぱ他と違うって大事なんだな」

改めてそう実感した。


初日の売り上げは5万円。

うん、少ない。

でも、材料費は0。

実質、日給5万円だ。従業員は俺しかいないし。

俺は、これからの店に期待を持ち開店のベルを鳴らした。


そうして、少しずつ客が増え始めている中、ネットでとあることが盛り上がっていた。



---


【喜報】ダンジョン内にパン屋できる→売れないかと思いきやダンジョン産の具材を使ったものらしく、一流ベーカリー脱帽


1:名無しのパン屋

ここの店のパン、マジでうまい


2:名無しのパン屋

俺もそこ行ってみたわ。人はほかのパン屋と比べたら少ない。

しかも個人経営らしい。でも味はやばい。

どうやら、オーナーは特級料理スキル持ちらしい。だからうまいのか。


3:名無しのパン屋

行きたいな~

でも少しだけ信用できない俺がいる


4:名無しのパン屋

確かに。いきなりできたベーカリーやろ?信用できない


5:名無しのパン屋

だまされたと思って行ってみ。


6:名無しのパン屋

誰も文句言ってないのは草





とまあこんな感じで、ひっそりと話題になっている。

ただ、まだ人気店と比べると全然人が足りない。

人気度も。

もしかしたら、5種類だけっていうのがインパクトがないかもしれない。

100種類ぐらいあれば、もっと人が増えるかも。

後、従業員も欲しいな。

俺は夢を膨らませ、再びパンを作る作業へと戻った。

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