第6話 禁忌の魔法、そして彼との出会い
教室に戻り生徒全員が居ることを確認してから私は黒板に【禁忌魔法について】と書き正面を向いた。
「先生、禁忌魔法って……?」
「この世界には様々な魔法があることはもう皆さん分かりましたね。その中でも禁忌と言われているものも少なからず存在します。人を殺める魔法、そして人を生き返らせる魔法が禁忌魔法と言われています。この2つの魔法は必ず代償が伴います。」
私は教科書を見ながらそう告げた。攻撃魔法はあるけれどそれで人を殺めてはいけない。子供の頃親に何度も言われた言葉。そして次に言われたのが死んだ者を生き返らせてはいけない。世の理に反するから。だから私はそれを生徒たちにも伝える。それが仕事だから。
「禁忌魔法を扱えばどんな代償が付きまとうかは教科書にも書いてある通りです。最悪の場合命を落とす可能性だってある。皆さん絶対に使わないように」
そう告げたあと授業が終わる鐘の音が響いた。
「では今日はここまで。皆さん早く帰るように」
と告げてから私は職員室に戻り日が傾く時間に私は家へ帰る道を歩きながら帰った。
「疲れた……とりあえず今日無事に終わったけど……明日もこれが続くのか……」
小さく呟いたあと大きなため息を吐き歩いていればドンッと誰かとぶつかり私はそのまま後ろへと尻もちをついてしまった
「っと……ごめんなお姉さん怪我は?」
頭上から降ってくる声に私はゆっくり顔をあげれば目を見開いた。なぜ、どうして悪魔がここにいる?分からない。けど逃げなきゃ。逃げなきゃいけない……!
「……大丈夫です。それでは」
私は直ぐに立ち上がり私はそのまま走り出した。あぁ悪魔と出会うなんてツイてない……!私はそう考えながら家への道を急いだ。後ろで彼が「面白そうな奴みーっけ」と呟いたことも知らずに。
これが私と彼の初めての出会いだった……。
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