第3話 国立アルコバレーノ魔法学院


なんとか遅刻せずにアルコバレーノ魔法学院へ辿り着き校門のところでゆっくりと降りれば私は小さく息を吐き校舎をそっと見上げた。


「流石この国が誇る魔法学院……」


国立アルコバレーノ魔法学院。そこはこの国に住んでいる者から他国の者まで通うシノネア王国が誇る国立の魔法使い育成学院。そして私の職場でもある。



校舎の中に入り職員室前のドアの前で小さく息を吐けばそっとドアを開け「失礼します本日よりお世話になりますフィオナ・アヴニールです。」と頭を下げた。すると「待ってましたよアヴニールさん」と声が聞こえた。


「ようこそ国立アルコバレーノ魔法学院へ。歓迎します」


「は……はい!よろしくお願いします!」


「僕はこの学院の学院長をしているノヴァです。どうぞよろしく」


そう言って学院長……ノヴァさんは笑みを浮かべながら告げてきた。私は笑みを浮かべながら頷き担当するクラスについて教えてもらった。


「アヴニール先生が担当するクラスは2ーBになります。少々騒がしいクラスですが根は素直な子達なので大丈夫です」



……大丈夫とは?いきなり騒がしいクラス担当って私運悪くない……?


「……分かりました。頑張ります」


今の私は多分少しひきつった顔をしながら笑っていると思う。せめて大人しい子達のクラスが良かった……そう考えながら私は荷物をまとめて教室へと向かった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る