第2話 シノネア王国の魔法使い

カーテンの隙間から覗く光に私はそっと目を覚ましゆっくりと伸びをした。カーテンを開き窓に広がる街並みに私は笑みを浮かべたあとリビングルームへと向かった。


シノネア王国。そこは魔法使いと魔力を持たない一般人が共存し共に暮らす国。そんな国に私は今1人で暮らしていた。家族はいない。親友もいない。【とある事件】の巻き添えになったから。そんな事を考えながらふと時計をちらりと見ればもう家を出る時間になっていた。


「嘘っ……!もう出る時間……!?」


私は慌てて着替え箒を持ってから玄関へと飛び出し鍵をかけてから箒へ跨った。


「風を司る偉大なる精霊シルフよ、我が名において今ここに召喚す。我が道を示し我を導きたまえ」


そう唱えるとふわりと体が浮く感覚がしたあとそのまま地面から足が離れた。やっぱりこの感覚が一番好き!そう考えながら私はこの国が誇る魔法学院【国立アルコバレーノ魔法学院】へと向かいながら空をそっと見上げてみた。その空はまるで本に出てきそうなほど真っ青で澄みきった空をしていた。



「今日はいい日になりそう!」

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