第2話 あの日の返事
正面衝突した車とトラックがそこから動かなくなった。
火なども特に上がっておらず今がチャンスと思い親父のもとへ走る。
「はぁはぁ、おやじ!」
おやじを呼ぶが返事が返ってこないなんでと思いつつも車からなんとか引っ張り出してトラックの運転手も一緒に助けることに成功した。
「なんで返事がないんだ!おやじ起きてくれよなぁ!!」
親父の体をゆすっても何度呼びかけても反応がないそれどころか脈も止まっている。
もうだめだと思ってその時だった。
「あれ?これもしかして俺が時止めてる?なんか右手が光ってるんだけど」
右手の甲にヒビが入りそこから光が漏れていた。
「時よ再始動せよ」
もしかしてと思い言ってみると突然車とトラックが「ボッン!!」と爆発し火がで始めた。
「うわぁ……」
なんとも言えない気持ちで見ているとトラックの運転手と親父が起き上がった。
「あれ?俺確か今トラックにぶつかったはずじゃ?って俺の車が燃えてる!?」
「おいら車とぶつかったような?でも今道にってあああああ!?!?!?おいらの車が!」
親父と運転手は困惑していたが車を見て驚いていた。
俺は親父に無事かどうかを尋ねた。
「……ああ怪我は少し足の骨とかが折れたくらいだから多分大丈夫それよりこれどうするか」
今なおも燃え続ける車を見ながら申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
「ごめんなさい俺が嫌がったばかりに」
「なーに気にするな俺がなんとかする」
親父はポケットからスマホを取り出して110番をかける。
「すみません今車の衝突事故が起こりまして、はい場所は
親父は運転手の方へと近づいて事情を説明し電話を代わって貰った。
それからしばらくして警察と消防隊が到着し消化や事情聴取などがおこなれた。
それが終わりとりあえず家に帰ることになった。
流石にここで「りのちゃんを探す!」なんて事故の原因は俺なのでそんなことは言えなかった。
火が消えた車や親父を見て俺は決意した。
「この力は多分神社の神様がくれたんだ。そして俺はこの力に助けられた、だからこの力を誰かを助けるために使おう」
◇◇◇
それから三年が経ち高校生にもなったある日のことだった。
普段通りに学校で生活し家に帰った時だった。
親父が俺に駆け寄ってきた。
「どうしたの?そんな慌てて」
「すまんすまん。俺は慌てるのは違うからな紫青今すぐ自分の部屋にいきなさい」
「なんで?」
「いいから弁当箱とかは洗っといてやるから今はすぐに自分の部屋に行きなさい」
親父は俺から荷物を奪った後俺を階段へとグイグイ押してきた。
不思議に思いつつ諦めて自分の部屋に向かい扉を開けたその時だった。
扉から女性が飛び出して俺に抱きついてきた。
勢いに負け床に倒れてしまう。
「グスッ会いたかったよーえーん」
困惑しつつもその聞き馴染みのある声に驚いた。
「そ、その声はまさか!?」
「そうだよ莉乃だよ」
「りのちゃん!?どうしたのその髪というかまじで美人になったね」
彼女の髪は黒色だったのがところどこに白がまじっていた。
体の方もよく見ると引き締まったいい体に胸に実ったメロンがあり中学の頃とは全く違っていた。
「それでさ聞きたいんだけどいい?」
彼女は顔をグイッと寄せてくる。
整った顔に身惚れつつもなんとか返事する。
「なんでも聞いてくれ全て答えるから」
「本当!ありがとうあの時の告白の返事ってまだ有効?」
彼女の表情一つ一つがとても可愛らしく見えてしょうがなかったがそれだけは触れてほしくなかった。
掠れそうな声でなんとか返事する。
「い、一応まだ…有効だよはは」
だがそんな悲しい感情は次の瞬間の彼女の言葉で全て吹き飛んだ。
「ほんと!!じゃあよろしく」
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