第47話 せきにんの取り方

「相楽さんにお願いがあるんやけど……。」

「俺にですか?」

「ギルドを作るんだが、相楽さんギルドで責任者とかやる気はないか?」

「ちょっと待ってください。ギルドを作るんですか?それに責任者って、俺は今フローティアの人間ですよ?」

「ギルドは今から作ろうとしているから、まだこれせえとか仕事はないんや、フローティアの仕事をやりながらでかまへんから、やらんかな?」

悠一は内閣府とのテレビ会議の中で熊田首相から、唐突にギルドを作るから責任者しないかと言われ、困惑している。

「いきなり言われても直ぐに返事は出来ませんが、考えさせてください。」

「お〜、相楽さんよく考えてからでかまへんから、返事をくれ。」

「ちなみに熊田首相?」

「なにかな?」

「ギルドの話しは何処まで出来てるんですか?」

「それか……、前に相楽さんがギルド作るなら異世界物のラノベ作家に聞いてみればみたいな事言ってくれたやろ?、それを実践してみたらすごい勢いで決まるから、後は閣議で承認を得るだけのところまで来てるんだよ。だから、相楽さんに責任者をしてもらって正式な会議とかに参加してもらえるとありがたいんやけどな〜。」

「あの話ってしてからそんなに経ってないですよね?」

「3ヶ月かからずにここまで来たのは、政治をやってきて初めてやし、ここまでやる気のある連中(ラノベ作家)と仕事したのも初めてだったよ。」

「そんなに凄かったんですか?」

「テレビで見たような1900年代後半の乱闘ありきの会議を見させてもらったよ。なかなか激しかった。」

「ハッハッハッそんなにですか……。」

(紹介したと言うか、ラノベやら発案したの俺だから、ちょっと責任とらない?みたいな感じなのかな?確かに乱闘物になりえそうな会議ってちょっと気になるけど、怖いな〜。)

内閣府とのテレビ会議を終えて部屋で一息つき、コーヒーを飲もうとリビングに行くと、沙月が何かの資料を見ながらコーヒーを飲んでいた。

「お疲れ様。沙月何見てるの?」

「悠一さ〜ん♪お疲れ様です。これですか?これは魔法が使える者だけの部隊を編成するみたいでその隊長候補をピックアップしてるところですよ〜。」

「何か面倒な事になってそうだね〜。」

「悠一さんは〜、会議終わったんですか〜?」

「うん。終わったよ〜。何か国主導でギルドみたいなの作るんだってさ。」

「ギルドですか?ギルドってなんですか?」

「ギルドって組合とかの意味なんだけど、ある目的のために集まってギルドを作るんだけど、フローティアにもあって、魔物とか害獣駆除や雑用等やいろんな依頼を、やってもらうための民間のグループで、フローティア王国が運営しているんだけどね、それを日本が真似してというか、日本独自のギルドを作るらしいんだよ。それで熊田首相から、責任者やらないか?って誘いを受けたんだ〜。」

「なんか難しいお話しですね〜。悠一さんは〜どうしたいんですか〜?」

「フローティアの仕事があるからな〜、二足のわらじは面倒事しか生まない気がするよ。」

「じゃあ、お断り確定ですね〜。」

「だな。沙月はどうなの決まりそう?」

「こちらも指揮能力や魔法の能力、本人の性格を考慮すると、数名に絞れたんので、あとは上にお任せ〜って感じですかね〜。」

「選ぶのも大変そうだね〜。お疲れ様、沙月。」

「フフフッ♪もっと労ってもらっても良いんですよ〜。なんかお胸が凝ったので、もみほぐしてもらってもいいですよ〜。」

「そんな事言って〜駄目だぞ〜(モミモミ)。」

「あ〜ん、もみほぐされちゃいます〜♪」

気の抜けない会議と書類仕事で、張り詰めていた分、ハメを外す悠一と沙月であった。






「で?ハメ外して、服も外して、裸でいたわけですか?あ?」

「「はい。ごめんなさい。」」

色々とヤった悠一と沙月は、夕方に帰ってきた、結と美月と心にハメを外した姿を目撃され、「パパとママ、なんではだか?おふろ?」と美月に言われ特大の羞恥ダメージを受け、結にあきれられお説教を頂戴していた。

(結先生!足が痺れ…(あん?)いや、あの…痺れてですね(ぷい!)こっち見てもらって良いですか?ちょっとさつき…は余裕そうだね?あれ?身体強化してない?ねぇ沙月?こっち見ようか?)とアイコンタクトで何かを訴えかける悠一と身体強化して正座に耐える沙月、頭に血管が浮いているほどお怒りな結とその周りでのんびりとアニメを観ている子供達……実にシュールな光景だが、誰も悠一に触れないのはある意味家族だから出来るスルースキルなのか……。


「もう、次から気をつけてよね。沙月、食事の準備してよね?」

「は〜い。」

沙月はすんなり立ち、ダイニングへ行き夕ご飯の準備を始める。

悠一は結から正座を崩す許可が無く、目で訴えたら、目で「悠一は正座継続。」と帰ってきた。悠一はあまりの痺れ具合に何か新しい何かが開花しようとしていたが、トドメのごとく結が悠一の膝に乗ってきた。


…………結が膝に乗ってきた。



………………結が限界点突破しそうな悠一の膝に乗ってきた。



悠一は悶絶している。ほんとは情けない声で泣きたいが、子供達が見ている手前、小さく「あ……。」と呟きながらひっそりと限界を迎えていた。

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