第45話 あの人はいま…

ユーピテル・フローティア

29歳(セレスとは2歳差)

フローティア王国の次期国王

現国王の長子

現在は王国直轄領の領主として国政の勉強中で、城にはいない。

重度のシスコンでセレスの結婚やその相手となった悠一について、殺意や嫉妬その他まとめてむき出しにしていたため、2年程前に直轄領の領主にされ、隔離された。

領主になってすぐに、近領の領主の娘17歳(現在19歳)と政略結婚させ、もうすぐ1児の父親となる予定となっている。

その子のおかげか、シスコンの気がほぼ無くなったようだ。(他の何かが生まれただけかもしれないが……)と妻からの報告であがっており、サートゥルヌスとオプスルアが喜んでいた。

子供が誕生し、落ち着いたら登城するように伝えている。



悠一とサートゥルヌスが応接室にて、東京土産について話していると、セレスがやってきた。

「パパ、ユウイチ、おはよう。」

「「セレス、おはよう。」」

「何を話してたの?」

「土産物をユーピテルさんにも贈ろうか?って話してた所だよ。」

「お兄ちゃんに?何贈るの?」

「お酒だよ。」

「じゃあ、いっか。」

「セレスの兄嫌いも治ってくれたらいいんじゃが……。」

「はっはっはっ……。」

「別に嫌いってわけじゃないよ?面倒くさいだけだよ〜。」

「まぁ、セレスもお母さんになれば色々と変わるかもね。」

「少しは落ち着いてくれたら良いんじゃがの?」

「大丈夫ですよ。国王様や王妃様がいないところでは、結構落ち着いてますから。」

「へへへ♪ユウイチダイスキ♪」

「のろけかな?親の前で惚気けられたのかの?」

「セレスといるといつもこんな感じですね。」

「それはそれで私は心配になるんじゃが……。」

「大丈夫ですよ……、多分。」

「まぁ、まぁ、ま〜ぁ……良いとしよう。ユウイチ、国交を樹立したのだ、こちらに籍を移すのだろう?いつ来るのだ?」

「それなんですが、籍はフローティアに移しますが、しばらくは日本に居住しようかと思っております。」

「なぜだ?」

「結や、沙月と話したんですが、美月と心が義務教育を終わるまでは、日本に居住させたいと思っております。」

「ギムキョウイクとはなんだ?」

「日本では7歳から初等教育6年、中等教育3年の合計9年の教育が義務として法律で決められています。これが義務教育というものなんですが、子供達の意志が固まるまでは日本に居てもらおうと言う話になりまして……。」

「そうか、まだミツキもジンも決めれぬか……。それで義務教育が終わる時に決めるというのか……日本に滞在することはわかったが、セレスはどうする?」

「えっ?私は、ユウイチのいる所に一緒にいるよ。」

「そうか…わかった……、ルアに話をしておこう。日本にいてもたまにはくるのだろう?」

「それはもちろん、何かあるごとに来ますよ?」

「そこはくると確約してほしい!と言うかミツキとジンだけくれば良い。」

「おれはおまけですか?」

「おまけだな。」

「……………………、泣きますよ。」

「………男が泣いても意味はないぞ。」

「ユウイチ♪こっちこっち。あ〜パパがいじめるんですね〜。お〜よしよし♪」

セレスが悠一の頭を胸に持っていきハグをして、甘やかしていた。

「セレス〜、私も泣いちゃうかもしれんぞ〜。」

「あ〜はいはい。ママに言っておくね〜♪」

セレスがサートゥルヌスを粗雑に扱い、ショックを受けたサートゥルヌスはすすけた感じになっていた。


悠一はセレスと別れを惜しみつつ、日本に帰ってきた。

家に戻ると、結が出迎えてくれた。

「ただいま〜、結。」

「おかえり〜、待ってたわよ。昨日の調印式がテレビに放送されてたおかげで、悠一のパソコンのメール大量の取材や面談依頼が来てるわよ。」

「う〜ん、見るのめんどうだね〜。新着メール99+ってなってるの初めてみたよ。」

「まっ仕事だから、頑張って見て返信しなさい。」

「もう一回フローティア行ってきていい?」

「行ってもいいけど、帰ってきたらメールが増えてるわよ?」

「…………頑張って返信します。(遠い目)」

「まぁ頑張りなさい。今日のご飯何がいい?」

「………ハンバーグ。」

「子供か!……まぁ良いわよ。」

「よ〜し。めーるカクニンガンバルゾ〜。」

悠一がパソコンに向かいメールの確認を始めた。結はそれを見つつコーヒーを悠一に渡したり、他の部屋を掃除したりと夕方まで色々としていた。

悠一がメールの返信をしていたが、50件ほど返したところで夕ご飯の時間となり、リビングに向かうと沙月や美月、心が帰ってきており、みんなで食卓につき食事を始めた。

食事が終わり、結が子供達をお風呂に連れていき、悠一と沙月が食事の後片付けをして、3人がお風呂から上がると悠一と沙月がお風呂に入り、上がると子供達は寝る時間となっていて、みんなで眠りについた。


次の日、朝子供達を送り沙月と結が仕事に行く際に、昨日サートゥルヌスに今後のことを話をしたことを話すと「国王様に了解を得たと言う事で、良いんじゃないですか〜。」

「納得してくれたんなら、いいじゃない。」

「そんなもんかな〜」

「「そんなもん(よ)(です〜)。」」

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