第42話 お土産開封
セレスがあらわれた
どうする?
たたかう
まほう
どうぐ
にげる
あやまる
サートゥルヌスはあやまった。
セレスは落ちた。チョロかった。
「もう仕方ないな〜。(クンクン)あれ?なんか美味しそうな匂いがする〜。ユウイチ何買ってきたの?」
「セレスや美月、心が好きそうな食べ物たくさん買ってきたよ。」
「ホント!?見せて見せて♪」
悠一はメイドらに机を用意してもらい、そこの上に玉子焼き、魚の干物、鶏や練り物の唐揚げ、おにぎり等を広げた。他にも日本酒、焼酎、ウィスキーなども買ってきていたかセレスには必要ないので割愛していた。
「うわ〜♪美味しそう。食べちゃだめ?」
「俺はいいけど、国王様、良かったら食べませんか?」
「う〜ん、ルアや子供達が起きてからゆっくりと食べるのはいかんかな?」
「あ〜、そうだよね……起きるまで待っておくね(キュルルルル〜)はっ!あのっ、これっ、違うからね!!」
「ユウイチ、食べようか……。」
「ですね〜。」
セレスのお腹が可愛い悲鳴をあげたため、サートゥルヌスは苦笑いし、悠一は笑いをこらえながらお土産のご飯を開けていった。
「失礼しますね。みなさんおかえりなさい……あら、何かいい匂いがしてるわね。」
「あっ王妃様、ただいま戻りました。この匂いは東京で買ってきた食べ物の匂いです。」
「王妃様〜ただいまです〜。美月ちゃんと心くんはまだ寝てますか?」
「大丈夫よ。」
オプスルアの入ってきた扉から、メイド達に抱っこされて美月と心が入ってきたがまだ少し眠そうだが、悠一や母親の顔を見つけると目が覚めたみたいで、抱っこしているメイドさんの手の中でジタバタして、下ろしてもらって母親の元に走ってきた。
そのまま美月は沙月に、心は結に抱っこされてご満悦な様子だ。逆にメイドらは少し残念そうな顔をしていた。
「ルアも来たことだし、食べようかのう?」
「やった〜♪私おにぎり食べたい。」
「わしはこの黄色いのにしようかの。」
「それ玉子焼きですね。甘くておいしいですよ。」
「そうか、どれ…………おお、うまいな。」
「あなたの美味しそうだから、私にもくださいな………ほんと甘くて美味しいわね。」
「こっちの唐揚げも美味しいですよ〜。」
「この魚の干したやつは食べんのかな?」
「それ、1回火を通さないといけないんですが、厨房お借りしても良いですか〜?」
「では、メイドに案内させようか?」
「おねがいしま〜す。」
沙月が厨房に行き、干物を焼いてきた。
「おまたせしました〜。シェフさんに手伝ってもらって、美味しく出来ましたよ〜。」
「お〜ホクホクで塩味も効いてて美味いな〜。酒が欲しくなる味だな。」
「国王様、ちょうどいいお酒ありますよ。」
結は保冷バックから日本酒を取り出し、サートゥルヌスに手渡した。
「ほう、どれどれ……合う。酒精が強く辛口だが、それがいい。」
「このお酒冷やしてますが、温めても美味しいですよ。」
「そうか…いい酒だ。」
サートゥルヌスやオプスルア、セレスも子供達もみんなで東京土産を堪能し、悠一、沙月、結、美月、心の5人は日本の家への帰路についた。
夜、家に到着し5人でお風呂に入り、そのまま眠りにつき朝を迎えた。
子供達は保育園が休みの為、のんびりと絵本を読んだり、悠一とままごとをしたりとのんびりとした1日が過ぎていった。
次の日になり、朝子供達を保育園に連れていき沙月と結は仕事に向かった。
悠一は在宅で仕事が出来る(メールや電話、ネット会議で済む)為、自宅でのんびりしていた。
今週は外務省や内閣府の打ち合わせはネット会議で実施する事になったが(実はこっちのほうが楽だと知らなかった。)今週の空いている時間に散発的に行われることになり、数回していると、内閣府の大束さんと外務省の前田さんが同時にネット会議を開き3者会議となり、週の最後の方では熊田首相までネット会議に参加するようになっていた。
そのおかげか話がスムーズに進み国交を結ぶ為の調印式を2ヶ月後に開催する予定となった。あとは国王様の予定を確認し、正式に返事をすれば調印式が開催できる運びとなった。
週末になり、悠一は1人でフローティアに来て、サートゥルヌスに確認しに来ていた。
「ユウイチ、どうしたのだ?」
「日本との交渉についてですが、順調に事が運べば、2ヶ月後に調印式が開けそうなんですが、ご予定はいかがでしょうか?」
「日本とそこまで話がまとまったのか?」
「はい。細かい所はまだ交渉中ですが、大まかには決まりました。」
「そうか、魔法技術や魔物の情報の提供の話はどうなったのだ?」
「魔法については、まだ日本からは保留となっています。日本から必要とされたその時点での日本の技能に応じて提供することになりましたが、しばらくは提供はしないと言うか、日本の技能が低い為しばらくは日本独自に技術研究をしてから、こちらへ言ってくる
ことになっています。魔物の情報についても、日本での研究を主としてあまりフローティアに頼らないようにしていくことになっています。」
「なんじゃ、日本に借りを作れると思ったが、そこまで出来なさそうだな。」
「まぁ、フローティアが日本国内で行動の自由を保証されてますから、その分はもらってますしね。」
「そうか……。わかった。調印式の日程が決まったら言ってくれ。参加させてもらおう。」
サートゥルヌスから承諾の返事をもらい、悠一は日本へ戻り調印式に向けて動き出し、あっという間に調印式の日を迎えた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます