第41話 懇談とその後
「どうすると言われても、どうすれば良いんですか?」
「分かりやすく、どっかの国に属せばいいんや。」
「それは……、無いですね。フローティア王国を属国扱いするような国とは国交すらも必要ないですね。ってか潰しますよ?」
「おお〜おお怖い怖い。だがそれぐらい威圧できれば、他国は狙ってこんよ。」
「……試しました?」
「事実やろ?国は強い弱いで勝手に盛り上がるんだから、うちの国は強いぞ!弱いから強い国の属国になる!でわかりやすいやろ?」
「まぁ確かにそう言われればそうですね。」
「やろ?強い弱いが分からん国は不気味やし弱いとわかれば喰われる。強いとわかれば手を出してこない。それならなめられるのが嫌なら、噛みついてやればええ。」
「じゃあ次からはそうすれば………。」
「絶対とは言わんが、狙われるのは少なくなるやろな。」
「勉強になります。」
「ちなみに殴り合うと共倒れする所とは仲良くしとけばええんや、無理ならお互い牽制して何もせんそれも手やな。」
「それ、でっかい国の話ですね。」
「でっかくなくともそんな国は幾らでもあるやないか。」
(………あったわ、近くて遠い国とか隣同士で争う国とか。)
「………そうですね。ありがとうございます。ためになります。」
「貸しと思ってくれや。」
「貸しですか?」
「そうや、貸し一つと思ってくれればええ。」
「………その貸しは大きくなる前に使ってもらえるようにしときます。」
「おっ?わかってきたね〜。それでええ。さっそく貸しを返すと思って、日本に魔法や魔物の情報をまとめる機関を作るアドバイスをくれんか?」
「あ〜、フローティアで言うギルドを作りますか?」
「ギルドって、あの異世界物の小説に出てくるギルドか?」
「……そうです。そのギルド、フローティアにそのまんまありますよ。」
「ええ案やの〜。作る案建てるの協力してもろうてもええか?」
「本当にそのままなんで、異世界物のライトノベルとか書いてる連中集めたほうが面白い物のできる思いますよ。」
「………それもそうか。ええ貸し一つになったわ。相楽さんありがとうな。」
その後、熊田首相と国交の話から子供の話題まで多彩な話をして懇談会は終了となった。
そのまま、ホテルの一室に戻り、3人でのんびりとしていたが……
「ねぇ?悠一!聞いてるの?」
「聞いてるよ〜。」
「ゆういちさ〜ん♪ちゅっ♪」
初めての3人でのお泊りとあって、3人でお酒を買ってきて飲みだしたが……結はからみ酒、沙月はキス魔となっていて、常に悠一の両サイドに2人がくっついており、結からは日頃の愚痴が、沙月からは数分ごとにキスをされると言った悠一としては混沌に満ちた室内となっていた。
2時間後……
日付が変わり少しすると、3人は裸のおつきあいをしており、ようやく結と沙月は眠りにつき、悠一は1人となってのんびりとスポーツドリンクを飲んでいた。
(ようやく落ち着いたな〜。なんか最近バタバタと日が進んでいくな〜年齢かな?しかし拉致されたり首相に会ったり、忙しすぎだろ?少し落ち着いて日々を謳歌したいよ。ってか寝ようかな?けど2人が寝ているから、ソファーで寝るか…。)
1人で寝てもデカいソファーで眠りにつき、朝を迎え目が覚めると、結と沙月は目を覚ましてお風呂に入って朝の支度をしていた。それを見て悠一もシャワーを浴び、髪を乾かして朝の支度を完了させると、3人揃ってホテルをチェックアウトして、朝ごはんを食べに豊洲市場に向かった。
「ここ来たかったんですよね〜。」
「沙月の食べてみたい朝食があるってのは気になるけど、人多くない?」
「ここインバウンドで混むのは当たり前になってきてるわね……。」
「私が行きたかったのは〜市場関係者向けの定食屋さんですよ〜。」
「それいいね。早く行こう。」
悠一達は沙月が行きたがっている定食屋さんに到着すると中に入るが、中はまさに市場関係者の方しかいない感じのお店で、静かに食べたらすぐに立ち去るようなお店となっており、悠一達も静かに座り、悠一はアジフライ定食、沙月は刺身定食、結は日替定食(メンチカツと焼き鯖)を頼んで静かに食べ、すぐにお店を後にした。
「美味かったけど、緊張したな〜。」
「緊張しましたけど、美味しかったです〜。」
「確かに美味しかったわね。」
「さぁ、お土産買って帰りますか?」
「そうですね。何買っていきます?」
「あっ有名な玉子焼き買っていきたいわね。」
「あ〜いいね。買っていこう。王妃様とか好きそうだし、美月と心も食べれるし良いよね。」
「美月と心が食べれるのと、セレスにも食べやすそうな物の買っていきましょうか?」
「そうですね〜、早く行きましょう〜♪」
悠一達は、豊洲市場で爆買いして、周りの目を惹きつける事になったが、その後新幹線に乗り、家に戻り、車に乗り換えてセンターゲートに向かい、松岡所長らにお土産を渡しつつ、フローティアに向かい、フローティアが用意してくれている魔道車に乗り城に入った。
「なんじゃ、もう帰ってきたのか?」
「はい。子供達の事ありがとうございました。これ、お土産です。」
「オミヤゲ?なんだそれは?」
「お土産っていうのは、……………う〜ん贈り物?です。」
「悠一……微妙な回答ね。国王様、お土産と言うのは、遠くに行った時にそこの土地の美味しいものを買って地元いる家族に送る贈り物です。」
「なるほど、そう言うことか家族か……。ありがたく受け取ろう。何を買ってきたのだ?」
「色々買ってきましたよ〜。国王様、美月ちゃんや心くんは?」
「今はお昼寝をしているぞ。ルアも一緒に寝ておるから、わしだけになってしまったがな。」
「ちょっと待った〜パパひどくない?私もこっち来るって言ったのに先に出迎えるなんて〜。」
扉からセレスがあらわれた。
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