第40話 フローティアでお泊り

次の日

美月と心を連れて、フローティア王国にやってきた。

さすがに悠一1人では、美月と心を同時に見れないので、沙月もついてきてくれた。

センターゲートからフローティア王国に繋がるゲートを抜けると、城からの迎えが待っていた。

そのまま城からの迎えが用意した魔道車に乗り込み、城に向かう。

城に向かうと、そのまま応接室に案内され、中に入ると国王と王妃それにセレスが待っていた。

「皆さん、おはようございます。」

「おはようございます〜♪」

「「ジ〜ジ、おはようございましゅ。」」

「お〜、おはよう。よく来たね〜。」

「「バ〜バと、セレシュも、おはようございましゅ。」」

「「おはよう。」」

と互いに挨拶をして、悠一達は応接室の椅子に座る。

(おじいちゃん、おばあちゃん呼びが浸透してる〜。まじかよ。まぁセレスと一緒になったら、義祖父ちゃんと義祖母ちゃんだしな〜まぁ俺が気にしても仕方ないかな?ってか、なんか忘れてるような気がするんだけどな〜。)


応接室の席に全員座り、少しすると美月と心がソワソワしだしたが何かあるのかなと思ったら、国王様が手招きをすると心が国王様の元に走っていき、少し遅れて美月は王妃様の方に行くと2人は、国王様と王妃様に抱き上げられて膝の上に座り自分の特等席と言わんばかりにくつろぎだした……。


「おぬしらは帰っても良いぞ……。」

「国王様……、あっさり俺等を切りましたね。」

「食事会とやらに行かなければならんのではないのか?」

「懇談ですね。まぁ確かに移動時間とか考えたら、そろそろ行かないと行けないですが……。」

「ミツキとジンは任せて行ってまいれ。」

「では、お願いします。明日の昼には迎えに来ますので……。」

「なんじゃ、夕方……いや明後日……、ずっとこっちでも良いぞ。」

「いや、保育園もありますから、迎えに来ますから。」

「?ホイクエンとはなんだ?」

「保育園ですか〜?簡単に言えば子供達に集団生活や簡単な教育をする施設ですよ〜。」

「そんな施設があるのか?詳しく聞きたいが、そんな時間はなさそうじゃな。」

「では〜また保育園とかの施設の資料を持ってきますね〜。」

「お〜サツキすまんな。」

「じゃあ国王様と王妃様、セレスも2人をお願いします。」

「おう、行ってこい。」


悠一と沙月は城を後にし、センターゲートに戻って、結と合流し一路東京へ向かった。

東京の懇談の場として指定されたホテルへ到着し、内閣府の職員にホテルの一室へ案内され、懇親会の時間になるまでに着替えて待機するように伝えられた。

悠一達は、服を着替え予定時間の10分前に案内してくれた職員が、懇親会の会場に案内してくれた。

案内された部屋は100名程度がゆうに入るほどの大きさの部屋の中に、立食形式に用意された食事や飲み物があり、中には先ほどの職員を含め10名位の参加者と数名のスタッフ、警護と思われる黒服が出入口を固めていた。

「何か物々しいな……。」

「入口の辺りにいるの、SPみたいですね〜拳銃と警棒持ってますね〜。」

「……と言うことは、大臣級の人が来ているみたいね。」

「また〜!?」

悠一達が固まって話しをしていると、担当の大束さんが近づいてきた。

「相楽さん。ようこそ。急にお呼びして申し訳ありません。」

「大束さん、どうも。たしかに急でしたが、問題ありませんよ。」

「夏川先生と卯花さんもようこそ。こんな場ですが、食事を楽しんてください。」

「ありがとうございます。」

「ありがとうございます〜。」

「大束さん、どなたか上職の方が来られてるみたいですが?」

「そうなんです、相楽さん!ご紹介しても?」

「はい、お願いします。」

「じゃあ、ちょっと呼んできますね。」

と大束は少し離れた所で男性に声をかけて戻ってきた。

「相楽さん、紹介します。熊田首相です。」

(え〜、大束さん、こんなあっさり情緒もなくいきなり首相連れてくるなよ……。)

「ははは。すまんなぁ、熊田です。今代の総理大臣を務めさせてもろうてます。」

「ご丁寧にありがとうございます。フローティア王国の外交を担当してます相楽です。よろしくお願いします。」

と悠一が挨拶すると、熊田首相から手を差し出されたので手を握りしっかりと握手した。

「相楽さん、ここで話すんもええけど、何かつまみながら話さへんか?」

「わかりました、行きましょう。」

悠一は熊田首相と料理が用意されているテーブルに歩いていき、小皿を取り、少しずつ料理を取っていき、少しずつ食べながら、熊田首相と話していた。

「相楽さん。今日は急な懇談に来てもろうてありがとうございます。料理はどうでっか?」

「いえいえ、とんでもない。料理は美味しくいただいてます。」

「あと、なんか他国に拉致されたそうですまんかったな。あまり国内で他国に好き放題されるのは好きではないんだがな……。」

「あれは、気にしていませんよ。」

「そうか?ならええんやけど、あの国が失敗したのはざま〜なんやけどな〜。」

「……!?首相がそんな事言って大丈夫なんですか?」

「かまへんかまへん。今日は懇親会やからオフレコや。のう?大束くん?」

「そう言うのであれば、いいのではないかと……。」

「あはは……。(いいのかよ!!)」

「で、相楽さんは無事で良かったが、今後も狙われる恐れがあるのは、理解してるんかな?」

「まぁそうですね……。また同じようなことになる可能性があるのはわかっています。」

「そうか、では襲われる可能性が無くなるとしたらどうする?」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る