第37話 切られても大丈夫!
次の日、悠一はフローティア王国に来ていた。
来た理由は、セレスに会いにと昨日の外務省との打ち合わせで、事前に想定した最良に近い結果での国交樹立が出来そうになり、その代わりの魔法技術や魔物の情報提供についてどの程度に開示するかの話し合いを国王様達とするためにやってきた。
城に着き、そのまますれ違う人達に挨拶しながら、悠一はセレスの部屋を訪れた。
「失礼するよ〜。セレスどんな感じ?」
「ユウイチ!こっち来たの?」
「うん。身体は大丈夫?」
「大丈夫だよ♪運動したいけど、あんまりバタバタするな〜!!ってみんなに怒られた〜♪」
「まぁ、それはセレスが心配だからだよ。」
セレスと話していると、オプスルアが部屋に入ってきた。
「セレス?こっちにユウイチさんが来てるかしら?」
「あっ、ママ。」
「王妃様、こんにちは。」
「ユウイチさんは、いつになったらお
「お義母様?」
「あら?普通に呼ばれたわね。」
「あれ?だめですか?」
「私はいいけど、国王様にお
「…………言ったら切られませんか?」
「私と同じで
「…………言ったら切られるよね?国王様、いろんな意味できれるよね?」
「怒んないと思うけどな〜。」
「俺にはハードルが高すぎる。……と言うことでしばらくは、国王様と王妃様でお願いします。」
「あら残念。」
「え〜ユウイチの意気地なし。」
「セレスは俺に死ねとおっしゃるか?」
「大丈夫、死にはしない?かな?」
「それは死なないだけで切られるよね?ねぇ?セレス?ちょっと俺の目を見て話そうよ?なぜ王妃様まで明後日の方向向いてるんですか?」
「あら?ごめんなさいね……ユウイチさんが言ったら、国王様が切り刻む絵が想像出来て…、そこから切られて回復するユウイチさんも想像出来て、面白くなっちゃった。」
「あ〜ママ、私もそれ想像出来ちゃった。」
「ちょっと、この親子怖いよ。勝手に切り刻まないでもらえますか?さすがに回復でき…………るわけ……ないよな?俺の身体?」
セレスとオプスルアが笑っていると侍従長が悠一を呼びにきて、国王が執務室に来るように呼んでいると言う事で、侍従長と悠一だけで国王の執務室へ向かう。
セレスとオプスルアは先ほど話していたことを国王の前だと吹き出しそうだと執務室に行くのを辞退した。(二人共ひどいよ。)
「失礼します。悠一です。」
「お〜、来たか?」
「国王様、お疲れ様です。」
「日本との交渉はどうだ?上手くいっているかな?」
「ちょうどそのお話しがあって、こちらにきました。」
「そうか?なら話を聞こうか?」
「はい。交渉としては、ほぼ国王様に言われた通り、国交は結びますが、資源の取引はありません。ただし、魔法の技術と魔物の情報の提供を求められまして、その対価としては日本国内に施設を無償でいただくことになりました。」
「資源は限りがあるからな他国に渡すのは難しかったから助かった。ユウイチ、よくやった。」
「で、国王様にお伺いしたく、魔法の技術についてと、魔物の情報はどの程度開示しても良いんですか?」
「ふむ、技術については、日本が欲する中で日本が出来るもののみ渡せばよかろう。魔物の情報についても、フローティアと日本では魔物の種類も違うだろうから、教えるものもそんなに多くないもしくはこちらにいない魔物の情報を苦もせず手に入るのは良いことだな。」
「そういえば魔物とかの情報は、どなたに聞けば良いですか?マールスさんですか?」
「マールスも全ての魔物を把握しているわけではないぞ、聞くならギルドに聞いたほうが早いぞ。」
「ギルドさんですか?」
「ユウイチ、人ではないからな……ギルドと言うのは、魔物とか害獣駆除や雑用等やいろんな依頼を、やってもらうための民間のグループだ。運営は国主体でしているが、ほぼ民の動きだけで完結している、そのギルドには魔物等の情報を保管するように義務付けてあるから、そこで調べれば良いぞ。」
「なるほど……。」
(異世界物のド定番来たよ。ギルドかよ、ヒャッハーな人みたいなのいるかな?)
「ユウイチ、閲覧するための書状を私の名で書いておくから、ギルドに持っていけば、魔物の情報を見られるぞ。」
「ありがとうございます。じゃあまた後でいただきますね。」
「なんだセレスの部屋に戻るのか?では、メイド長か侍従長に渡しておくから、その時にギルドの場所も聞いておくといい。」
「分かりました。」
悠一は執務室を後にし、セレスの部屋に戻っていった。
(あっ、拉致されたの言うの忘れてた。まぁ次会った時にでも言えば良いかな?身体の事を考えるとセレスにも言えないし。よし、また今度覚えてたら言おう。)
「セレス?ただいま。」
「おかえり〜♪パパとのお話し終わったの?」
「うん。終わったからゆっくり出来るよ。」
「そうなんだ〜。どんな話ししたか聞いていい?」
話をしていると扉がノックされ、外からメイド長が入ってきて、悠一に封蝋がされた封筒を渡してきて、そのまま部屋から出ていった。
「あれ?それって、パパの国王印だね?何かするの?」
「あぁ、これ?これはギルドに渡す為に用意してもらったんだ。」
「えっ?ユウイチ、ギルドに行くの?」
「うん。魔物の資料を見るならギルドに行ったほうが良いって、国王様が閲覧出来るようにって、書状を書いてくれた。」
「あ〜、それ持っていくと多分大騒ぎになると思うよ……。」
「えっ?マジで!?」
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