第34話 ちょうきょう
結との通話から2時間程経った頃に子供達を連れて結が帰ってきた……帰ってきたが、子供達は両手にお菓子の入った袋を持って帰ってきて、結の手にも大袋に入った大量のお菓子を持って帰ってきていた。
「おかえり、結、美月、心……このお菓子どうしたの?」
「センターゲートからのお土産よ……。うちの子たち前からたまに連れて行っていたから、久々に連れて行ったら、職員からお菓子の差し入れが止まんなくてね……。」
「なんかすごい量だね。」
「そうなのよね、しばらくはお菓子に困らないけど、子供達が虫歯にならないか心配になりそうな量だから、しっかり管理しなきゃ。……あら?沙月は?」
「沙月は、まぁ家の中にいるよ……中に入れろうか…、あんまり怒んないであげてね。」
「………?どういうこと?」
リビングに入ると沙月が床に座って……正座していた。
「沙月?何があったの?」
「結さん。連絡忘れていてごめんなさい。朝には解決していて、昼にはおうちに帰ってました。」
と沙月が結に頭を下げて謝っていた。
「あ〜、そういう事……、ねぇ悠一?」
「なに?」
「沙月って、睡眠とってる?」
「あ〜、俺と一緒だったら、昨日から寝てないかな?」
「えっ?あなたも寝てないの?」
「うん。まぁそうだね……。」
「とりあえず、2人共寝なさい、話しはその後です。」
「えっ?」
「何よ、沙月?……もしかしてまだ何かあるの?」
「えっと……電話する直前まで悠一さんとしっぽりしてました、てへっ。」
「………………ふ〜ん。悠一?」
(あっ…あかんやつやん、とりあえず沙月の横に座ろうかな……。)
悠一が沙月の横に並ぶように正座をした。
それを見て、子供達は何故か俺の横で正座をはじめた。
(美月と心……かわええ。このちょこっと感たまんないわ〜。あっ……結さん?無視したわけではないんすよ……ちょっと子供達が可愛かっただけで……ほんっとすいません。)
「ふ〜。とりあえず2人共テンションがおかしいから、早く寝てもらえるかしら?」
「「いいの?」」
「沙月もだけど、悠一も寝てないからかおかしいわよ?話しは起きてからゆっくりとするからとりあえず寝室に行って寝なさい。」
「「は〜い。」」
悠一と沙月は寝室に行くと部屋着に着替え、そのままベッドへ入ると眠ってしまう。
悠一と沙月がいなくなったリビングでは、結が家の中の雑用をしていると美月と心もおねむのようで、ソファーで2人仲良く寝ており、その寝姿を見て結は癒されていた。
その後子供達は3時間ほどで起きてきて、結にくっついてきたり、お菓子を少し食べたりとのんびりな1日を満喫していた。
夕ご飯の時間になったが、悠一と沙月は起きてこなかったので、3人で食事をして、3人でお風呂に入り、寝る時間になり悠一と沙月が寝ているベッドに3人で忍び込み就寝するとようやく5人揃っての行動ができ、結はなぜか安堵しつつ、眠りについた。
次の日の朝、結が目覚めると周りには誰もおらず、不安になりベッドを飛び起きてリビングに行くと4人が食卓で食事をしており、
「おはよう、結どうした?今日は休みだよね?」
「結さ〜んおはようございます。ご飯食べますか?」
「えっ?え〜っと、おはよう……食べるわ。」
「ママ、おはよう。」
「ゆいママ、おはよう。」
「心も美月も、おはよう。」
「?……結、何かあった?」
「ううん。何もなかったわよ。ええ、何もなかった。」
「無かったほうが良かった?」
「あら?いつもは鈍感な悠一でも気づいたのかしら?」
「いつもって……そうかも知れないけど、結がおかしかったからさすがに今回は気づくよ。」
「まぁ、昨日の今日で起きたらみんないなかったから、びっくりしただけよ……。」
「あぁ〜なるほどね。ごめんよ結、一応お休みの結を起こすのかわいそうと言う事で、沙月と静かにベッドを抜けたのはまずかったっぽいね。」
「いいんだけどね……ごめんちょっとナーバスになっちゃった感じ……。」
「結さ〜ん、大丈夫ですよ〜結さんだけのけ者とかにはしませんから。」
「沙月…、その言い方はトラブルでも何でも巻き込むように聞こえるんだけど……?」
「え?その通りですよ。」
「………トラブルはいらないわよ?マジで!」
「いやいや、そう言いながら来てくれるじゃないですか?」
「それは………助けを求められたらいくわよ……。」
「あ〜ん、結さんがデレてます〜♪」
「ねぇ?悠一……沙月しばいてもいいわよね?」
「あ〜ん♪結さんに調教されちゃいます〜。」
「あ〜、結と沙月?子供の教育上よろしくないので、そんなの叫ぶな!!」
「「ごめんなさ〜い」」
「「キャハハ♪」」
「子供達に笑われてるじゃないか……。」
「パパがママをちょうきょうしてる〜。」
「「「…………えっ?」」」
「緊急家族会議をはじめま〜す。テーマは子供の教育についてと沙月と結の問題発言についてです。」
「「はい。」」
「とりあえず、みつきちゃ〜ん?ちょうきょうって意味、誰に聞いたのかな?」
「みゅ?(沙月を指さしながら)」
「沙月ママから聞いたの?」
コクンと首を縦にふる美月をみて、沙月は明後日の方を向いていたが……
「沙月…、
と悠一が裁いた。
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