第24話 分類

沙月や結に言われ、松岡所長に実験の予定を確認した所、明後日にするとの事で、明日の朝からフローティア王国に行くことにした。


次の日の朝、悠一は沙月と共にフローティア王国へ行き、魔物に詳しそうなマールス師団長に会うために城の中の騎士団詰所を訪れていた。

『失礼しま〜す。マールスさん居ますか?』

『これは、ユウイチ様ではありませんか!師団長ですね、すぐに確認いたします。』

『すいません。お願いします。』

「すごい悠一さんがフローティアの言葉ペラペラになってます〜。」

「そりゃあ、みっちり教えてもらってばっちり話せるようになったよ。コツさえ掴めば沙月も覚えれるよ。」

「そうなんですか……じゃあ悠一さんが手取り足取り教えてくれるなら覚えようかな〜。」

「じゃあ、余裕が出来たら教えるよ。」

『ユウイチ様、お待たせしました。団長より、団長室に通す様に指示がありましたのでご案内致します。』

『ありがとうございます、お願いします。』

「沙月、マールスさん部屋にいるそうなんでついていくよ。」

「は〜い。」

『失礼します。ユウイチ様とお連れ様をお連れしました。』

『はい、入ってください。』

『ユウイチ様、中にどうぞ。』

『ありがとうございます。』

「ありがとうございます。」

『ユウイチとサツキではないか、今日はどうした?』

『マールスさん、すいません今日はちょっと沙月が聞きたいことがあるみたいで連れてきました。』

『サツキが?ふむ……「サツキ殿、久々だな今日はどうしたのかな?」』

「マールス師団長、お久しぶりです。と言っても1月ぶりぐらいですかね?」

「まぁそんなところかな?で何かあったのか?」

「ええ、実は日本に現れた魔物について聞きたいことがありまして……。」

「魔物についてか?」

「はい。魔物の中に魔法を顕現したり、身体強化をして皮膚を硬くしたりする物はいますか?」

「答えとしてはいるが、魔法を顕現出来るのは大体は強力な魔物と考えたほうが良いな。身体強化位なら魔物と呼ばれるものは全て使えると思ったほうがいい。皮膚を硬化させたり出来るようなものも、硬化に特化した魔物もいるが、身体強化が出来て硬化も出来るのであれば中位の魔物になる可能性があるぞ。」

「そうなんですね〜。フローティア王国では魔物に分けたりとかつけたりしてますか?」

「してるぞ〜。まず初級や下位と呼ばれる魔物は、身体強化しか出来ないかつ比較的小型の魔物、次が中級や中位と呼ばれる魔物は、身体強化と何か単純に火を出すとか水を出す魔法を顕現出来る小型の魔物や身体強化の使える人より大きな魔物、次は上級や上位の魔物だが、中位以上の魔物はここに入る。その上に最上位や災害級、大型等あるがまず国が崩壊するレベルだからまずほぼ対応は出来ないな。」

「結構大雑把に決めてるんですね〜。」

「そうだな〜誰でも分かるようにすると、どうしても大雑把になってしまうが仕方ない。」

「そうですよね〜ぱっと見てそれで判断しないといけないのであれば、それくらい大雑把な方がいいですよね〜。」

「こんなので参考になったかな?」

「はい。ありがとうございます。ちなみになんですが〜硬い魔物がいた時って、どうやって倒してるんですか?」

「硬い魔物か、柔らかい目や口の中を刺したり、魔法をぶち込んだり出来るが、それが難しいのであれば、呼吸をする魔物であれば水で酸欠死狙い、水の中で生きる物であれば水から出して死ぬまで待つとかも有りだな。」

「まぁ……それくらいしないとだめですよね〜。」

「それで終わるのであれば御の字だな。」

「なんかマールスさんと沙月が野蛮な話してるけど、沙月、聞きたいことは聞けた?」

「はい。日本に導入出来そうな分類方法とか教えてもらえたのは収穫です〜。」

「まぁ参考程度にしといてくれ。日本とは仲良くやりたいが風土とか結構細かそうだったからな〜。」

「マールスさんそれ正解、日本って結構細かい所気にするので、面倒なんだよな〜。」

「悠一さ〜ん、あんまり言わないでくださ〜い。」

「ごめんごめん。」

「ハッハッハッ…ユウイチとサツキは相変わらず仲が良いな〜そういえば姫様には会ったのか?」

「いや、今日は会ってないですね〜」

『不味いぞ、ユウイチ……今すぐ会ってこい。姫様の事だからここに居るのが分かると多少の無茶をしてでも来るぞ……』

『うん……ちょっと会ってきます。』

「沙月、セレスの所に顔出してこよう。」

「わかりました〜行きましょう。」

『じゃあマールスさん。ありがとうございました。』

『おう、姫様にちゃんと会ってこいよ〜。』

騎士団の詰所を後にし、城内の王族の居住エリアに着くとメイドさんとか侍従長が出迎えてくれ、そのままセレスの部屋に案内してもらった。

「失礼しま〜す。セレス?」

「ユウイチにサツキ♪いらっしゃい?おかえり?」

「俺としてはただいまかな?」

「私はいらっしゃいました?」

「まぁそんなことはいいや、二人共元気にしてた?」

「それはこっちのセリフだよ。セレスは身体大丈夫?」

「大丈夫だよ〜♪悪阻つわりもあんまりこなくなったし、身体もちょっと重たいけど楽になってきたよ。」

「あんまり無茶はしないようにね?マールスさんも無茶しないかとか心配してたから……。」

「ユウイチ…なんでマールスが出てくるの?」

「なんでって、さっきまでマールスさんの所で話をしていて………あっ!?」

「ユウイチ、私に会いに来た……わけじゃない?」

「そっそれは………ごめん。マールスさんに用事があったんだ。」

「そっか〜。でも、会いに来てくれたから良い♪今日は、ゆっくりと出来るの?」

「うん、夕方までのんびり出来るよ。」

このあと昼ご飯を3人で一緒に食べて夕方までのんびりと話をして、悠一と沙月は城を後にしセンターゲートへ帰ってきた。






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