第20話 打ち合わせ(午後)
外務省の前田さんとの打ち合わせを終え、午前の部が終わり、悠一は昼食を沙月と二人きりで取っていた。
「悠一さ〜ん、びっくりしました〜。あんなに難しいお話しできたんですね〜。」
「いや〜完全に国王様と王妃様のおかげだよ〜。こんなこともあろうかと色々詰め込まれたよ〜。昼からも頑張らなくちゃいけないし。」
「悠一さん、頑張ってくださいね。」
「うん。頑張るよ。」
そして、午後からの内閣府と外務省の各担当官との打ち合わせの時間になり、悠一は午前に使用した同じ会議室へ入っていった。
そこには外務省の前田さんと男性が並んで座っていた。
悠一はその2人の対面の席に向かい座る前に挨拶をした。
「すいません、少し遅くなりましたか?フローティア王国の外交を担当しております、相楽です。よろしくお願いします。」
「外務省の前田です。午前から引き続きよろしくお願いいたします。」
「内閣府フローティア王国担当をしております
「大束さんですね。よろしくお願いします。」
「では、午前からの流れもありますので、前田がフローティア王国側からの議論の内容を説明させていただきます。先ずフローティア王国側からは早期の国交の樹立の申し出を受けております。但しフローティア王国側からの特段の取引をしたい訳では無い事を伺っております。」
「そうなんですね…、ではフローティア王国からの要望は国交の樹立のみなのですか?」
「今の所はその通りです。」
「では今後要望が出来る可能性があるという事ですか、相楽さん?」
「その可能性はありますが、現状はそれも低いですね。」
「では何故国交を結びたいのですか?」
「分かりやすい点から説明させていただくと、私事で恐縮ですが、日本の国籍からフローティア王国に籍を移して、結婚をしようとしております。そのためにも公式に籍を移動するのに国交が無いと出来ませんから、その為に国交を結ぶ事を望んでいます。」
(結婚とは言うけど、重婚するとはさすがに言えないよな〜。)
「結婚する為に、国交をですか〜。相楽さんすごいですね〜。そう言う理由があるから国交を結ぶのに前向きなんですね。」
「ただ、フローティア王国としても国交樹立は前向きですので、結婚については、王国としては関係ないことをお伝えはしておきます。私個人としては結婚するためにも頑張りますという事にはなります。」
「相楽さんの件は承知しました。出来るだけ早期に国交を結べる様に私達も協力させていただきます。」
「ありがとうございます。よろしくお願いします。」
打ち合わせは問題なく終了し、センターゲート内の自室に戻ってきて悠一は沙月とのんびりとコーヒーを飲んでいた。
「ふう、何事も無く終わって良かった〜。」
「お疲れさまでした〜。次はいつ来られるんですか〜?」
「外務省の前田さんは来週の月曜日で内閣府の大束さんは連絡待ちで来週以降だね。」
「じゃあ〜今週は明日の市の戸籍課の人と面談だけですね〜。もうちょっとスケジュールを詰めてもらえると良いんですが〜。」
「まぁ、前田さんとかも帰って上席に確認とかしないといけないから仕方ないよ。明日の話もまとまれば、家にも帰れるようになるし、少しのんびりしてても良いんじゃないかな?」
「そうですね〜。美月や心くんのお迎えまでまだ時間もありますし〜、悠一さ〜ん有言実行のお時間ですよ〜。」
と沙月は悠一の手を握りながら立ち上がり、そのままベッドへ連れて行った。
そして抱きつきながらキスをしてそのまま2人は、ベッドに横になり……。
2時間程して、2人揃ってシャワーを浴び、洗いっこをしながらまったりとして、シャワーから出て、沙月は髪を乾かしていた。
「悠一さ〜ん。ゆういちさ〜ん、ゆういちさ〜ん。」と久々の逢瀬に沙月は浮かれて(壊れて?)いた。
子供達の迎えの時間になるまで、沙月は意味も無く悠一に抱きついたり、キスをしたりとまったりとした(ラブラブな)時間を過ごし、迎えの時間になると名残惜しそうにキスをして退室して行った。
沙月が退室してすぐに松岡所長から呼び出しがあり、所長が指定した会議室へと向かった。
「失礼します。」
「お〜相楽くん、今日はお疲れさまでした。で、打ち合わせは大丈夫だったかな?」
「はい、所長。問題無く終わりました。フローティア王国としてのまずは国交を結ぶことからと言うのは、問題無く達成出来そうです。あとは日本側からの魔獣対策やあと魔法技術の供与とか有りましたが、対価にするものを今後決めていかないとって感じですね。」
「そうか、そうか、まぁ無事に終わって良かったよ。次はいつするのかな?」
「次は来週の初めの予定ですが、外務省と内閣府とで別々になるかもです。」
「そうか、では明日の役所との……面談でよかったかな?が終われば今週は何も予定は無いのかな?」
「そうですね、予定は無いですね。」
「では、少し依頼があるのだが……、また魔法の実験に付き合ってくれないかな?」
「魔法の実験ですか?何をするのでしょう?」
「センターゲート内でも数名の者が魔法を使えるようなってね、その中でも火の魔法が得意な者や水の魔法が得意な者がいたりするんだけど、他の種類の魔法を使えるかを調査と言うか実験をするので、良かったら見てみないか?と言う話だね。」
「そういう事なら是非参加しますよ。」
実験の日は後日調整するという事で今日は、お開きとなった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます