第15話 根回し
「国王様?おれ、何かすることってありますか?」
「今の所は無いのう。だが、今後のことだが、セレスを嫁にするのはいいが、他国の一般人と婚姻等となると大揉めしそうじゃから、ユウイチにはフローティア王国の一人の外交特使として籍をおいてもらう事になるぞ。」
「そうなんですね〜。」
「なんじゃ、他人事のような返事じゃな〜。」
「実際に実感がわかないと言うか、3年位振りに出て、数日で結婚、国籍変わりますは、中々に実感を
悠一とサートゥルヌスは謁見の間でのんびりと話をしていた。悠一は立ったままだったが、侍従長が椅子を持ってきてくれて、今は座って美月を抱きかかえている。
その美月は気持ちよさそうに寝ており、サートゥルヌスに抱かれた心もウトウトとして今にもサートゥルヌスの膝の上で寝落ちしそうになっていた。
「まぁ、いまルアが色々と手配や相談をしているから、ユウイチはのんびり子守りをしていれば、解決することじゃて。」
「王妃様って、根回しとか上手ですよね。俺が封印から出て来たときもおもいましたが……。」
「そうじゃろ……。だが、セレスもルアに似て根回しとかの方法やら色々とな………。ユウイチ気をつけるように。女性は敵に回すと死ぬより怖いときがあるからのう。」
「………心得ておきます。」
とあんまり女性陣に聞かれたくない話をのんびりとしつつ、1時間ほど経ったところで、子供達を見に全員が帰ってきたが、寝ている子を見て、安堵しているが、悠一が美月を抱きかかえているのを見て、沙月がびっくりしたような顔をしていたが、悠一が抱き疲れたような顔をしているのを見てすぐに美月を抱き上げてくれた。
「沙月ごめん、ありがとうな。」
「疲れますよね〜私も慣れてなかった時は、そんな顔してましたよ〜。」
「そうなんだ。その時にいれなくてごめん。」
「悠一さん……、ありがとうございます。けど、結さんもセレスちゃんもいてくれて3人で色々頑張りましたからこれからは4人で頑張ればいいんです。」
「サツキ〜何のお話ししてるの〜?」
と自分の名が出たことに気づいてセレスが近づいてきた。
「この3年間子育てとかでセレスちゃんが一緒に頑張ったよ〜って悠一さんに伝えていました。」
「そうなんです。頑張ったよ〜。」
「そうか……セレスありがとうな。」
と伝えるとそっと頭を差し出してきた。
「そういうのは言葉よりも行動で示してもらいたいです。」と言うので、悠一はセレスの頭を撫でながら抱きしめて、
「ほんとにセレス、ありがとうな。」
と伝えると、抱きしめられた身体をモジモジされていたが少しすると大人しくなり頭を撫でさせてくれたが、すぐにセレスの顔が真っ赤なりんごみたいになっていき、抱きしめるのが緩んだ時に逃げるように悠一から離れた。
だがセレスは顔を真っ赤にしたまま、
「ユウイチ……、ベッド行こ?」
と言い出し、時が止まったような気がすると共にサートゥルヌスから表情が消えた。
「セレスよ……。ベッドに行くとはどういう意味でかな?」
「パパ、そんなの聞いちゃあだめだよ〜孫の顔を早く見せれるように頑張るからね!!」
「ハ〜ハッ、ハッハハハ………そうか………ルアよ、孫の顔が見えるそうだぞ〜。男の子かな?」
「あらあら〜セレス?私は女の子がいいわ〜。」
「うん。頑張る。ユウイチ行こ〜?」
「えっ?えっ?ちょっと待とうか?」
「ムフ〜。今日は寝かさないよ〜。」
「セレスさん?ちょっと待って〜結、沙月!ヘルプ!!」
「悠一さ〜ん、ファイト〜」
「悠一、次の順番もあるから頑張ってね〜♪」
「えっ?次って何?セレス!!ちょっ、チカラツヨッ!?」
悠一はセレスと謁見の間を後にした。
「さてと、国王様?」
「何かな?ユイよ?」
「さっき王妃様ともお話しをさせていただいたのですが、悠一さんはしばらくこちらに置いといてもらいたいのですが………。」
「理由は聞いてもいいのかな?」
「はい。日本で数年間行方知れずになっている悠一さんをいきなり日本に連れて行くと色々と面倒な手続きなどがありまして、はっきり言って面倒な国なもので、国籍を移動させてフローティア王国民になるというだけで国交が無いから国籍を抜けれないとの面倒なルールがあったり、まぁ国民一人ひとりを管理出来ているからこそのしがらみがあるんですよね〜」
「そうなのか……国民一人ひとりをどのように管理出来るのかを、国の長としては聞きたいが聞いたところで我が国では出来ん話であろうがな……。」
「まぁ日本でも人だけでの管理は無理ですので、フローティアではオススメは出来ない話しですから。」
「そのようなことか……ならフローティアには関係の無い話じゃな。で、ユウイチはいつまで預かればよいのかな?」
「早ければ10日ほどあれば受け入れの体制もできるとは思いたいですが、前例が無いので、無いことに関しては日本はとてつもなく遅くなりますので出来るだけ早くに迎えに来ますが、もしかするとセレスの懐妊のほうが早いかもしれないですね。」
「そのようなものか………では、気長に待つとするよ。」
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