第13話 再会 テイク2
悲しい事故の次の日
再び謁見の間で俺との再会のやり直しが行われた。
昨日と同じで沙月、結、セレス達が部屋の中にいて、俺が入って行く。
中に入ると感動の場というよりかは、微妙な空気の場となっており、沙月は、元より結もセレスも緊張しており、俺が話すまで何も始まりませんみたいな空気になっていた。あと、昨日いたと思う子供は今日はおらず、それには国王様も王妃様も何も言われなかった。
「ひっ…ひさしぶり?」と悠一が言うとすかさず結が
「なんで疑問形?」とツッコんだ。
「いや〜なんかね?昨日はごめん。おれ、封印されてたの忘れて怪我しちゃいました。と言うことで沙月……ゆっくり柔らかくハグするなら大歓迎ですよ。」
と言うと沙月がゆっくりとこちらに近寄ってきた。
「悠一さ〜ん。ほんとに大丈夫ですか?」
「大丈夫だよ。っていうか久しぶりにあったら綺麗になっててびっくりしたよ。」
「そんな〜ありがとうございます♪ハグしてもいいんですよね?」
恐る恐る沙月が手を悠一の身体に回してきた。悠一もそれに合わせて沙月の腰に手を回してハグをした。
「沙月……ただいま。」
「ゆういちしゃ〜ん。おきゃえりなしゃい〜。」沙月は、泣き出してしまい、ちゃんとお帰りなさいが言えない事に悠一は笑顔になりながら、沙月の頭を撫でた。
「ただいま……沙月。」
とハグをすこし離して、
そして少しづつ近づいてきていた結ともハグをする。
「結、ただいま。」
「お帰りなさい。悠一……また痩せてない?」
「やっぱりわかる?少し痩せてたみたいで、普通に食事してたら少しずつ体重も戻ってきてるよ。」
ハグを解き、セレスに近寄り俺からハグをする。
「セレス。ただいま。」
「ユウイチ、お帰りなさい。」
「セレス、この結晶ありがとうな。これが無かったら今ここに入れなかったし、毎日来てくれたのは知ってるけどあれ嬉しかったよ。」
というとセレスからの抱きしめる力が強くなった。
「ユウイチ気がついてたの?」
「途中から何かが決まった時間に来ているのは知ってたんだけど、これ多分セレスだってわかったのは1年を過ぎたあたりかな?」
「エヘヘ♪ユウイチに気がついてもらって嬉しい。」
とセレスとハグをしていると、沙月が「悠一さん。」と真剣な顔をして悠一を見つめる。
「ん?どうしたの沙月?」
「悠一さんにご報告が色々ありまして、聞いてもらってもいいですか?」
「あっ、私からも悠一に重要な報告があります。」
「えっ?結も?どっちから先に聞いたほうがいい?」
「両方同時で問題ありませんよ。」
「私卯花沙月は……、子供がいます。今2歳です。」
「うぇ?沙月に子供?そうか………。で結は?」
おや?悠一の様子がおかしい……
「私も子供が出来たわ。私の子供も2歳ね。」
「そっ……そうか………」
悠一は膝から崩れ落ちた見事なorzだ。
「「「
「そうか……、そうだよな……二人共幸せにな………。」
「「「「「???」」」」」
「ユウイチ……何言ってるの!?」とセレスが問うと、
「いや、子供が出来たってことは他に好きな人が出来て、その人との子供がいるんだよな?」
「「「「「はぁ?」」」」」
今度はサートゥルヌスが
「ユウイチよ、お主は馬鹿だのう。そんな別の人と子供を作るような
「えっ?でも……3年前に封印された俺との子としても3歳とかではないんですか?2歳だと封印中にしないとおかしいんじゃないですか〜。」
「「「「プッ(笑)」」」」
「ユウイチ………子供はすぐ出来るわけではないぞ……お主ほんとに馬鹿だのう。」
オプスルアも口を開く
「フフフッ(笑)ユウイチさん、日本の方は子供が生まれるまでは年を数えないんですよね?子供が生まれるまでに10ヶ月はかかりますよ。」
と優しく諭してきた。
「えっ、じゃあ俺の子供ってことですか?」
「「「「「そう(です)(じゃ)。」」」」」
「ユウイチ、酷いことを言うわね二人は一生懸命にユウイチの子供を育ててきたのに。」とセレスがトドメを刺す。
「ぐふっ!?ごめんなさい。わたくしがまちがっておりました。わたしはばかです。」と悠一が壊れ気味になり、セレスは慌てた。
沙月と結は、あれ〜?悠一さんってこんなんだったかな〜?っとギャップを感じていた。
悠一は悠一で、俺どんな感じで喋ってたの!?と悩んでいたり……と会えなかった3年間の溝は中々に深かった。
少しずつ3年間の溝を埋めようとして、そして……ようやく悠一は子供達に会えることになった。
メイド長がニコニコと両手に子供と手を繋いで歩いてきた。黒髪の男の子と女の子を連れてきた。
部屋に入り子供たちは、沙月と結を見つけると、メイド長の手を離れ(メイド長が残念そうなお顔になってる。)女の子は沙月と、男の子は結にそれぞれ飛びついていた。
そして……知らないおじさんから距離を取るように親の後ろに隠れてしまった………。(うん。知らない人とは近づかない。うん。親の教育がしっかりしているなぁ〜。泣いてもいい?)
「悠一さ〜ん。この子は美月と言います。美月ちゃんご挨拶をしましょ〜。」
「こんにちは。」と美月が挨拶すると自然と俺は美月と同じ視線に座り直し
「はい。こんにちは。」と答えた。
(俺はどんな顔してるのかな?感情が溢れてるけどどんな感情か言い表せない位ぐちゃぐちゃだ〜!?)
「悠一、こっちは
「?こんにちは。」
「うん、こんにちは。」
(うん。困ったな…挨拶ってこんなものだったのかな?)
そして、沙月と結は子供たちに
「美月ちゃん、この人がパパよ〜。」
「心くん、この人がパパだよ。」
「「パパ〜?」」
「はい。僕がパパです。」
「「パパってな〜に?」」
その言葉に俺は子供たちに視線を合わせる為に膝立ちしていた体勢から、本日2度目の見事なorzの体勢になった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます