第11話 再会(結、沙月Side)
今日は、結と沙月は休みを合わせて、フローティア王国に行く。
サートゥルヌスとオプスルアからの手紙が来ていて美月と
美月と心におじいちゃんとおばあちゃんのところに行こうと言うと喜びすぎて昨日は、疲れて早く眠ってくれたのだが、今日も今日で元気いっぱいで、早く行こうと、パジャマのままでせがまれた時は笑ってしまった。
美月と心に可愛い洋服を着せて、結と沙月は少し撮影会を開始し、今度は親二人のテンションに子供が困惑する事になったりと、似たもの親子なところを見せたりしていると、すぐに出発しなければいけない時間となり、慌てて車に乗り、忘れ物がないかを確認し、忘れ物は無かったので、出発した。
車の中ではいつもの様に美月と心が歌を歌うのでそれに沙月が合わせて歌い、結が運転しながら聴いていくと、20分ほどでセンターゲートに到着し、入場ゲートを通り、結の駐車スペースに車を停めると、松岡所長が出迎えに来ていた。
「結君、おはよう。」
「所長、おはようございます。」
と挨拶していると美月がばっと走り所長の足にしがみつき。
「おじいちゃん、おはようございます。」と上目遣いに挨拶をすると、
「みつきちゃん、おはようございます。きょうもげんきだね〜。」
遅れて心も近づいてきて
「おじいちゃん、おはようございます。」と元気に挨拶をするが、すぐに沙月の後ろに隠れてしまった。
「じんくんと沙月くんもおはようございます。じいちゃんはこわいのかな?」
「所長、おはようございます。心はまだ人見知りが激しいんですよね〜。挨拶しないと私が注意するので、それが怖いから挨拶だけしてすぐにこうなるって感じですね〜。」
「ならしかたないかな。では、行こうかの、おや?みつきちゃんはじいちゃんといっしょに行ってくれるのかな?」と美月が所長の手を握り一緒に歩こうとしてくれている事に松岡所長は、顔がほころんでいる。
松岡所長を含めた5人で施設内を歩き、フローティア王国へのゲートがある部屋まで進んでいく。その間は美月の独演会だ。松岡所長に今日は、お城のおじいちゃんとおばあちゃんに会いに行くとか、保育園でこういう事教えてもらったと、ゲートの前まで元気いっぱいに話していた。
ゲートに到着すると、少し寂しそうに美月は手を離し、沙月の元にきて、手をつなぎ、松岡所長に手を振りながら
「行ってきます。」と言いながら、沙月を引っ張るようにゲートをくぐって行った。それについていくように松岡所長に「行ってきます。」と結と心がついて行った。
くぐった先には、マールスが待っており、美月や心から「マーじいちゃん」と呼ばれて、顔を綻ばせている。
ここで、沙月がいつもと違う事に気がつく。
「マールスさん。セレスがいないけど何かありました?」
「姫様か……、何かしたみたいで王妃様より謹慎を言い渡されたみたいでな。城には居るからサツキ達が到着したら出てくるのではないかな?」
「そうなんですか〜。まぁ会えるのなら良いですよ〜。」
マールスと話している間に結、美月、心は迎えの車に乗り込んでおり、沙月が乗るのを待っている状態だ。
「ママ〜はやく〜♪」と美月が馬車の中から手を振っている。
「おまたせ〜」と沙月も慌てて乗り込み、マールスが運転手の隣に座り車走り出した。
30分程で城に着いたが、美月も心も疲れたようで眠っている。
到着したタイミングで、着いたと起こしたがまだ少し夢の中のようで、結と沙月が抱っこして車から降り、謁見の前に応接室に通されて、美月と心が起きるのを待っていた。
部屋に通されてから10分程して、扉がノックされ、誰が来たと外のメイドさんから合図され、結が扉を開けると、そこにはサートゥルヌスとオプスルアがおり、子供たちに会いたくてフライングして部屋に来たようだ。
「ユイ。久しいな。すまんが早くミツキとジンに会いたくてこちらに来てしまった。」
「国王様に王妃様。お久しぶりです。子供たちに会いに来てくれたのはありがたいですが、まだお眠むみたいで、もう少しかかりそうです。」
「かまわんよ〜子供は寝て育つものだ。少し寝顔を見ていてもよいかの?」
「あ〜大丈夫ですよ〜心も美月も国王様と王妃様に会うので楽しみにしてましたから。」
それから、20分程度最近の情報を交換しつつ子供達が起きるのを、待っていると、先に心が起きてきて、
「心〜、おじいちゃんとおばあちゃんいるよ〜。」と声をかければ、目を開き、サートゥルヌスに突進していった。
「おじいちゃん、おはようございます。おばあちゃんもおはようございます。」
「お〜ジンくん、おはよう。」とサートゥルヌスは心を抱き上げ膝の上に乗せた。
「ジンくん、おはようございます。」
とオプスルアも返事を返してくれた。
心の声が聞こえたのか、美月も起きてきてサートゥルヌスに突進していったが、膝の上は心に取られており、サートゥルヌスの足元で
「おじいちゃん、おばあちゃん、おはようございます。」とサートゥルヌスを上目遣いで見上げながら言うと、サートゥルヌスは心をオプスルアの膝に移動させ、美月を抱き上げ膝の上に乗せた。
「ミツキちゃん。おはようございます」
「あら〜ミツキちゃんはおはようございます。ジンくんはおばあちゃんと、お話しましょうか?」
と色々と親としては思うことはあるが、サートゥルヌスとオプスルアが終始ご機嫌であるのでいいのかな?と思考を放棄していた。
美月と心が起きたことにより、謁見の時間もあることから、そのままサートゥルヌスとオプスルアが美月と心を抱っこしたまま移動し始めると、さすがに結と沙月は子供たちを預かろうとすると、美月も心もいやいやと嫌がりサートゥルヌスとオプスルアにしがみつくように抱き着くと、サートゥルヌスとオプスルアは超が付くようにご機嫌となり、謁見の間に移動する間も抱っこしていた。
謁見の間につくと、セレスとマールスが待っており、サートゥルヌスとオプスルアが抱っこしたまま入室すると、
「あ〜パパとママ、ズル〜い私も抱っこする〜」と誇示したが、心も美月も離れようとせず、余計にサートゥルヌスとオプスルアがご機嫌になっていった。
「サツキ、ユイ、おひさ〜♪」とセレスが手を振ると、
「「おひさ〜♪」」と沙月と結も手を振り返して、3人の謁見の間の定位置のような場所で話しを始めた。
そのまま数分間話していると、サートゥルヌスから、
「さてと、ユイ、サツキよ、今日来てもらったのは、ちと確認したいことがあっての?」
とおじいちゃんモードから国王様に戻ると、膝の上に乗せた美月も大人しくなり、それを見た隣のオプスルアの膝の上にいる心も大人しくなった。
セレスと話していた、沙月と結は国王様に向き、
「はい。確認とは?」
と聞き返すとセレスが明らかに動揺しているのが見え、なにかあった?と考えたが国王様からその話もあるだろうと、考え国王様に向き直した。
「話というのはな、ユウイチのことじゃ。」
「「悠一さんに何かあったのですか!!」」
と沙月と結がシンクロするように叫ぶと美月と心はびっくりしてサートゥルヌスとオプスルアにしがみつく。
それを見た沙月と結は頭を下げ深呼吸をして、沙月が話しはじめた。
「国王様、申し訳ありません。大声を出してしまいました。悠一さんの事とは?」
「それじゃが、セレスがな、ユウイチ外に出しても問題が無くなる物を作っての〜、それを使えばユウイチはエーテルを封印する事になるが、外に出ても問題は無い。」
「………会えるんですか?」
「会える。というか城内におるぞ。」
「「「えっ?」」」と結、沙月、セレスが声を上げた。
そこにオプスルアが
「セレスも知らなかったわね。結晶をもらったその日にユウイチさんに会って、次の日には城に連れて帰ってきたわよ。今日で5日目ね。」
結がすぐに、「会えますか?」と聞いた所、
サートゥルヌスは「呼んであるから、もうすぐくるよ」と答えると同時に
誰かが来たことを侍従長がサートゥルヌスに知らせ、扉を開けるように指示をする。
そして……
悠一が一人歩いて入ってきて、結は自分と目があった時にようやく会えたという喜びが心から浮かんでくる感覚があり、涙がでそうになった時……、
交通事故かと思うようなドンと言う音がした。
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